イタチ科
イタチ科 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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オナガオコジョ Mustela frenata
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分類 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
Mustelidae Fischer, 1817[1] | |||||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
イタチ科[2][3][4] | |||||||||||||||||||||||||||||||||
亜科(現生) | |||||||||||||||||||||||||||||||||
イタチ科(イタチか、Mustelidae)は、哺乳綱食肉目に分類される科。
長くほっそりとした体つきで、短い四肢をしている。他のネコ目の動物と異なる特徴として、全ての足指に爪のある5本の指をもつ点が挙げられる。非常に鋭い歯をもつ。肛門の近くに臭腺をもち、なわばりの主張などに用いている。
体の大きさは種によって大きく異なる。手のひらに乗るようなイイズナ(ネコ目中最小の種)から、イヌと同程度の体格をもつラッコやクズリにまで至る。
主に地上に住むイタチ、地中に深い巣穴を掘るアナグマ、樹上性のテン、水生のカワウソやラッコなど、多様な生活様式をもつ。このため、異なるイタチ科の動物同士が、異なるニッチを分け合うことで、同じ地域に生息している例がしばしば見られる。
分類
[編集]以前はスカンクアナグマ属などを含めたアナグマ亜科・テン属などを含めたイタチ亜科・カワウソ亜科・スカンク亜科(スカンク科に分割)・ラーテル亜科で本科を構成する説もあった[3]。核遺伝子による分子系統解析では、以前のイタチ亜科は側系統・アナグマ亜科は多系統という結果が得られている[6]。
以下の分類はSato (2016)[7]、和名は主として川田ら (2018)[2]に従う。
属間の系統[5]
イタチ科 |
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Mustelidae |
日本の種
[編集]日本では汎存種としてイイズナ・オコジョ・クロテン・シベリアイタチ(自然分布は対馬のみ)・ラッコ、固有種としてアナグマ(ニホンアナグマ)・ニホンイタチ・ニホンテン(テン)が分布する[12]。また、朝鮮半島のシベリアイタチが本州に、北米のミンク(アメリカミンク)が北海道および本州に移入分布する[12]。かつてはニホンカワウソとされるカワウソ類も生息していたが、1980年頃までには絶滅した[12]。一方、長崎県対馬においてユーラシアカワウソの少数個体の生息が確認されている[13]。
出典
[編集]- ^ W. Christopher Wozencraft (2005). “Order Carnivora”. In Don E. Wilson & DeeAnn M. Reeder (eds.). Mammal Species of the World: A Taxonomic and Geographic Reference (3rd ed.). Johns Hopkins University Press. pp. 532-628
- ^ a b 川田伸一郎・岩佐真宏・福井大・新宅勇太・天野雅男・下稲葉さやか・樽創・姉崎智子・横畑泰志「世界哺乳類標準和名目録」『哺乳類科学』第58巻 別冊、日本哺乳類学会、2018年、1-53頁。
- ^ a b c d e 斉藤勝・伊東員義・細田孝久・西木秀人「イタチ科の分類」『世界の動物 分類と飼育2(食肉目)』今泉吉典監修、東京動物園協会、1991年、22-46頁。
- ^ a b Pat Morris and Amy-Jane Beer「イタチ科」鈴木聡訳『知られざる動物の世界 8 小型肉食獣のなかま』本川雅治監訳、朝倉書店、2013年、26-29頁。
- ^ a b Chris J. Law, Graham J. Slater, and Rita S. Mehta (2018), “Lineage Diversity and Size Disparity in Musteloidea: Testing Patterns of Adaptive Radiation Using Molecular and Fossil-Based Methods”, Systematic Biology, Volume 67, Issue 1, Pages 127–144.
- ^ 佐藤淳「食肉目及び齧歯目哺乳類を対象とした進化遺伝学的研究」『哺乳類科学』第52巻 2号、日本哺乳類学会、2012年、253-255頁。
- ^ Jun J. Sato (2016). “Chapter 1: The Systematics and Taxonomy of the World's Badger Species – A Review”. In Gilbert Proulx and Emmanuel Do Linh San (eds.). Badgers: systematics, biology, conservation and research techniques. Alpha Wildlife Publications. pp. 1-30
- ^ 佐藤淳・石田浩太朗「日本産テン類の系統地理学的研究」『タクサ:日本動物分類学会誌』第32巻、日本動物分類学会、2012年、13-19頁。
- ^ Klaus-Peter Koepfli, Kerry A Deere, Graham J Slater, Colleen Begg, Keith Begg, Lon Grassman, Mauro Lucherini, Geraldine Veron, and Robert K Wayne (2008), “Multigene phylogeny of the Mustelidae: Resolving relationships, tempo and biogeographic history of a mammalian adaptive radiation”, BMC Biology, Volume 6, No. 10.
- ^ a b c 佐藤淳「第1章 起源と進化」、小池伸介・佐藤淳・佐々木基樹・江成広斗 著『哺乳類学』東京大学出版会、2022年、11-30頁。
- ^ Patterson, Bruce D., et al. "On the nomenclature of the American clade of weasels (Carnivora: Mustelidae)." Journal of Animal Diversity 3.2 (2021): 1-8.
- ^ a b c 増田隆一「序章 食肉類のなかの哺乳類学」、増田隆一 編『日本の食肉類―生態系の頂点に立つ哺乳類』東京大学出版会、2018年、1-20頁。
- ^ 環境省『平成30年度の長崎県対馬におけるカワウソの調査結果について』(プレスリリース)2019年6月4日 。2020年1月28日閲覧。