クラックス
ジャンル | 落ち物パズル |
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対応機種 |
アーケード (AC) 対応機種一覧
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開発元 | アタリ |
発売元 | アタリ |
デザイナー | マーク・スティーブン・ピアス |
プログラマー | デヴィッド・エーカース |
音楽 | ブラッド・フラー |
人数 | 1 - 2人(対戦プレイ) |
メディア | 業務用基板(768キロバイト) |
稼働時期 |
1990年2月 |
デバイス |
8方向レバー 1ボタン |
CPU | MC68000 (@ 7.159 MHz) |
サウンド | OKI6295 (@ 894.886 kHz) |
ディスプレイ |
ラスタースキャン 横モニター 336×240ピクセル 59.92Hz パレット512色 |
『クラックス』(KLAX) は、1990年にアタリから稼働されたアーケード用落ち物パズルである。
画面奥から転がってくるタイルをパドルで受け止め、5×5のフィールドに並べて消していくシステムとなっている。タイルを受け損なったり、消し切れずフィールドがすべて埋まってしまうとゲームオーバーとなる。各ステージには、それぞれの課題が設定されており、これをクリアする事で先へと進める仕組みになっている。[1]
1990年に欧州では各種ホビーパソコンに移植され、北米ではAtari 2600、日本ではPCエンジン、メガドライブ、ファミリーコンピュータなどの家庭用ゲーム機や、PC-8801、PC-9801、X68000などのパソコンに移植された。また、日本や欧米ではAtari Lynx、ゲームボーイ、ゲームギアなどの携帯用ゲーム機にも移植された。
アーケード版はPlayStation 2用ソフト『ゲーセンUSA ミッドウェイアーケードトレジャーズ』(2003年)に収録された他、北米のみで発売されたXbox、ゲームキューブ、Windows用ソフト『Midway Arcade Treasures』(2003年)に収録された。
PCエンジン版はゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」において、シルバー殿堂入りを獲得した。
ゲーム内容
[編集]ルール
[編集]画面奥からタイルがレーンの上をこちらに向かって転がってくるので、これをパドルで受け止めて、画面下のフィールド(5×5)へ落として積み上げる。フィールド内で同じ色のタイルが縦・横・斜めのいずれかに3つ以上揃える(これをクラックスと呼ぶ)とタイルは消える。これを繰り返して、ステージごとに設定されたクリア条件(パネルを特定の回数消す、斜め消しを行う、など)を満たすと次のステージに進める。タイルをパドルで3回受け損ねるとゲームオーバーとなる(ただし、後述する難易度選択によって、受け損ねる数が変化する)。
- パドルで受け止めたタイルはフィールドへ落とさずに、しばらくパドルに乗せたままにしておくことができる。ただし、パドルに5枚タイルが乗った状態では、それ以上タイルを受け止めることができない。
- 方向ボタンを上に押すと、パドルに乗っているタイルを上へ投げて、レーンの上に返すことができる。
- 方向ボタンを下に押すと、押している間、タイルの転がってくる速度が速くなる。
ウェーブ構成
[編集]プレーヤーは、最初に3つの難易度より一つを選択する。難易度によって、パドルを受け損ねられる数が異なり、難易度高は5つ、難易度中は4つ、難易度低が3つとなる。
一つの難易度には、5つのステージがある。なおクラックスでは、ひとつの面をステージではなく、「ウェーブ」と呼び、ウェーブの始めにクリア条件を提示する。
- クラックスウェーブ 3個並びのクラックスを規定数作る。
- ダイアゴナルウェーブ 斜めのクラックスを規定数作る。
- ホリゾンタルウェーブ 横のクラックスを規定数作る。
- ポイントウェーブ 規定の得点をクリアする。
- タイルウェーブ パドルに規定数のタイルを受ける。
5つのウェーブをクリアすると、さらに次の難易度を選択することができる。
移植版
[編集]No. | タイトル | 発売日 | 対応機種 | 開発元 | 発売元 | メディア | 型式 | 売上本数 | 備考 |
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1 | KLAX | 1990年 1990年 |
Amiga Amstrad CPC Atari ST BBC Micro コモドール64 PC/AT互換機 ZX Spectrum |
テンゲン | Domark Software | フロッピーディスク カセットテープ |
- | - | 北米ではAmiga、PC/AT互換機版のみ発売。 |
2 | KLAX | 1990年 |
Atari 2600 | アタリ | アタリ | ロムカセット | - | - | |
3 | クラックス | 1990年8月10日 1990年 |
PCエンジン | テンゲン | テンゲン | 2メガビットHuCARD[2] | TG90001 TTGX20001 |
- | 日本版と北米版の販売元が同じであり、HE-SYSTEMのタイトルでは極稀な事例。 |
4 | クラックス | 1990年9月7日 |
メガドライブ | ナムコ | ナムコ | 2メガビットロムカセット[3] | T-14063 | - | |
5 | KLAX | 1990年 |
Atari Lynx | アタリ | アタリ | ロムカセット | PA2031 | - | |
6 | KLAX | 1990年 |
MSX | Erbe Software | Erbe Software | ロムカセット | - | - | |
7 | クラックス | 1990年12月14日 |
ファミリーコンピュータ | テンゲン | ハドソン | FC:2メガビットロムカセット[4] |
FC:HFC-V6 | - | |
7 | クラックス | 1990年12月14日 |
ゲームボーイ PC-8801 PC-9801 X68000 |
ハドソン | ハドソン | GB:ロムカセット PC:フロッピーディスク |
GB:DMG-KLA | - | 日本でハドソンから発売されたゲームボーイ版は、海外でmindscape社から発売されたものとは別に開発された作品。 |
8 | KLAX | 1991年 1991年11月 |
セガ・ジェネシス メガドライブ |
テンゲン | テンゲン | 2メガビットロムカセット | 301040-0150 301040-0170 |
- | 日本のメガドライブでナムコから発売されたもの(T-14063)とは別に開発された作品。 |
9 | KLAX | 1991年11月 |
セガ・マスターシステム | アタリ | テンゲン | 1メガビットロムカセット | 301040-0160 | - | |
10 | KLAX | 1992年 1992年10月 |
ゲームギア | アタリ | テンゲン | 1メガビットロムカセット | 301040-0161 T-48048-50 |
- | |
11 | KLAX | 1992年 |
Atari 7800 | アタリ | アタリ | ロムカセット | CX7888 | - | |
12 | KLAX | 1999年4月 1999年4月 |
ゲームボーイカラー | テンゲン | ミッドウェイゲームズ | ロムカセット | CGB-ALXE-USA CGB-ALXP-EUR |
- | |
13 | Midway Arcade Treasures ゲーセンUSA ミッドウェイアーケードトレジャーズ |
2003年11月18日 2006年9月21日 |
PlayStation 2 | Digital Eclipse | ミッドウェイゲームズ サクセス |
DVD-ROM | CGB-ALXE-USA CGB-ALXP-EUR |
- | アーケード版の移植 |
14 | Midway Arcade Treasures | 2003年11月24日 |
Xbox | Digital Eclipse | ミッドウェイゲームズ | DVD-ROM | - | - | アーケード版の移植 |
15 | Midway Arcade Treasures | 2003年12月18日 |
ゲームキューブ | Digital Eclipse | ミッドウェイゲームズ | 8cm光ディスク | - | - | アーケード版の移植 |
16 | Midway Arcade Treasures | 2004年8月27日 |
Windows | Backbone Entertainment | ZOO Digital Publishing | DVD-ROM | - | - | アーケード版の移植 |
スタッフ
[編集]- デザイナー、アニメーター、プロジェクトリーダー:マーク・スティーブン・ピアス
- ソフトウェア・デザイン、プログラミング:デヴィッド・エーカース
- ハードウェア・デザイン、インプリメンテーション:パトリック・マッカーシー、ティム・ハバースティー
- システム・ソフトウェア:ジョン・サーウィッツ
- オーディオ:ブラッド・フラー
- テクニシャン:ファロック・コダダディ
- マーケティング・マネージャー:ジェリー・モモダ
- チーム・スーパーバイザー:ジョン・レイ
評価
[編集]評価 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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- PCエンジン版
ゲーム誌『ファミコン通信』のクロスレビューでは合計30点(満40点)でシルバー殿堂を獲得[14]、『月刊PCエンジン』では80・85・80・85・85の平均83点、『PC Engine FAN』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通りとなっており、21.75点(満30点)となっている[2]。また、この得点はPCエンジン全ソフトの中で184位(485本中、1993年時点)となっている[2]。
項目 | キャラクタ | 音楽 | 操作性 | 熱中度 | お買得度 | オリジナリティ | 総合 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
得点 | 3.17 | 3.51 | 3.81 | 3.88 | 3.60 | 3.77 | 21.75 |
- メガドライブ版
ゲーム誌『ファミコン通信』のクロスレビューでは合計25点(満40点)[15]、「メガドライブFAN」の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通りとなっており、16.97点(満30点)となっている[3]。
項目 | キャラクタ | 音楽 | 操作性 | 熱中度 | お買得度 | オリジナリティ | 総合 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
得点 | 2.57 | 2.45 | 2.93 | 3.24 | 2.71 | 3.07 | 16.97 |
- ファミリーコンピュータ版
ゲーム誌「ファミコン通信」の「クロスレビュー」では合計27点(満40点)[16]、「ファミリーコンピュータMagazine」の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通りとなっており、18.1点(満30点)となっている[21]。
項目 | キャラクタ | 音楽 | お買得度 | 操作性 | 熱中度 | オリジナリティ | 総合 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
得点 | 3.0 | 3.2 | 2.9 | 3.0 | 3.1 | 3.0 | 18.1 |
- ゲームボーイ版
ゲーム誌「ファミコン通信」の「クロスレビュー」では合計20点(満40点)[17]、「ファミリーコンピュータMagazine」の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通りとなっており、17.9点(30点満点)となっている[22]。
項目 | キャラクタ | 音楽 | お買得度 | 操作性 | 熱中度 | オリジナリティ | 総合 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
得点 | 2.8 | 2.8 | 3.1 | 3.2 | 3.3 | 2.8 | 17.9 |
脚注
[編集]- ^ 『ゲームサイド Vol.10』株式会社マイクロマガジン社、2008年2月1日、37頁。
- ^ a b c d 「10月号特別付録 PCエンジンオールカタログ'93」『PC Engine FAN』第6巻第10号、徳間書店、1993年10月1日、132頁。
- ^ a b c 「7月号特別付録 メガドライブ&ゲームギア オールカタログ'93」『メガドライブFAN』第5巻第7号、徳間書店、1993年7月15日、95頁。
- ^ 「5月10日号特別付録 ファミコンロムカセット オールカタログ」『ファミリーコンピュータMagazine』第7巻第9号、徳間書店、1991年5月10日、321頁。
- ^ a b c “Klax for TurboGrafx-16 (1990)” (英語). MobyGames. Blue Flame Labs. 2019年4月14日閲覧。
- ^ a b c d “Klax for Lynx (1990)” (英語). MobyGames. Blue Flame Labs. 2019年4月14日閲覧。
- ^ a b “Klax for NES (1990)” (英語). MobyGames. Blue Flame Labs. 2019年4月14日閲覧。
- ^ “Klax for Game Boy Color (1999)” (英語). MobyGames. Blue Flame Labs. 2019年4月14日閲覧。
- ^ “Klax for Arcade (1990)” (英語). MobyGames. Blue Flame Labs. 2019年4月14日閲覧。
- ^ a b c “Klax for Amstrad CPC (1990)” (英語). MobyGames. Blue Flame Labs. 2019年4月14日閲覧。
- ^ a b c d e f g “Klax for Atari ST (1990)” (英語). MobyGames. Blue Flame Labs. 2019年4月14日閲覧。
- ^ a b c d “Klax for Genesis (1990)” (英語). MobyGames. Blue Flame Labs. 2019年4月14日閲覧。
- ^ a b c “Klax for ZX Spectrum (1990)” (英語). MobyGames. Blue Flame Labs. 2019年4月14日閲覧。
- ^ a b “KLAX まとめ [PCエンジン]” (日本語). ファミ通.com. KADOKAWA CORPORATION. 2015年7月19日閲覧。
- ^ a b “クラックス まとめ [メガドライブ]” (日本語). ファミ通.com. KADOKAWA CORPORATION. 2015年7月19日閲覧。
- ^ a b “クラックス まとめ [ファミコン]” (日本語). ファミ通.com. KADOKAWA CORPORATION. 2015年7月19日閲覧。
- ^ a b “KLAX(クラックス) まとめ [ゲームボーイ]” (日本語). ファミ通.com. KADOKAWA CORPORATION. 2015年7月19日閲覧。
- ^ a b c d e f g h “Klax for Amiga (1990)” (英語). MobyGames. Blue Flame Labs. 2019年4月14日閲覧。
- ^ a b c d “Klax for Commodore 64 (1990)” (英語). MobyGames. Blue Flame Labs. 2019年4月14日閲覧。
- ^ “Klax for DOS (1990)” (英語). MobyGames. Blue Flame Labs. 2019年4月14日閲覧。
- ^ a b 「超絶 大技林 '98年春版」『Play Station Magazine』増刊4月15日号、徳間書店 / インターメディア・カンパニー、1998年4月15日、45頁、雑誌26556-4/15。
- ^ a b 「超絶 大技林 '98年春版」『Play Station Magazine』増刊4月15日号、徳間書店 / インターメディア・カンパニー、1998年4月15日、472頁、雑誌26556-4/15。
- ^ “Klax for Game Gear (1991)” (英語). MobyGames. Blue Flame Labs. 2019年4月14日閲覧。
外部リンク
[編集]- KLAX(FC版) - ハドソンゲームナビ - ウェイバックマシン(2004年6月10日アーカイブ分)
- KLAX(GB版) - ハドソンゲームナビ - ウェイバックマシン(2004年6月10日アーカイブ分)
- Klax - MobyGames
- 1989年のアーケードゲーム
- ファミリーコンピュータ用ソフト
- Amiga用ゲームソフト
- Amstrad CPC用ゲームソフト
- Atari Lynx用ソフト
- Atari ST用ゲームソフト
- DOSのゲームソフト
- PC-8800用ゲームソフト
- PC-9800シリーズ用ゲームソフト
- PCエンジン用ソフト
- MSX/MSX2用ソフト
- X68000用ゲームソフト
- ZX Spectrum用ゲームソフト
- 落ち物パズル
- アタリのゲームソフト
- アメリカ合衆国で開発されたコンピュータゲーム
- ゲームギア用ソフト
- ゲームボーイ用ソフト
- コモドール64用ゲームソフト
- セガ・マークIII&マスターシステム用ソフト
- ナムコのゲームソフト
- ハドソンのゲームソフト
- ファミ通クロスレビューシルバー殿堂入りソフト
- メガドライブ用ソフト