コンテンツにスキップ

ケプラー16

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ケプラー16
Kepler-16
ケプラー16系の想像図
ケプラー16系の想像図
星座 はくちょう座
見かけの等級 (mv) 12.0[1]
変光星型 アルゴル型食変光星[2]
分類 二重連星[2]
位置
元期:J2000.0
赤経 (RA, α)  19h 16m 18.1759181246s[2]
赤緯 (Dec, δ) +51° 45′ 26.777781114″[2]
赤方偏移 -0.000108[2]
視線速度 (Rv) -32.36 km/s[2]
固有運動 (μ) 赤経: 14.041 ミリ秒/[2]
赤緯: -48.601 ミリ秒/年[2]
年周視差 (π) 13.2893 ± 0.0271ミリ秒[2]
(誤差0.2%)
距離 245.4 ± 0.5 光年[注 1]
(75.2 ± 0.2 パーセク[注 1]
絶対等級 (MV) 12.6[注 2]
物理的性質
スペクトル分類 K7V[2]
色指数 (B-R) 0.20 ± 0.06[2]
他のカタログでの名称
Kepler-16 (AB)[2]
Gaia DR2 2133476355197071616[2]
GSC 03554-01147[2]
KOI-1611[2]
KIC 1264476[2]
2MASS J19161817+5145267[2]
Template (ノート 解説) ■Project
ケプラー16A
Kepler-16A
分類 K型主系列星
物理的性質
半径 0.6489 ± 0.0013 R[3]
質量 0.6897+0.0035
−0.0034
M[3]
平均密度 3.563+0.017
−0.016
g/cm3[3]
表面重力 4.6527+0.0017
−0.0016
(log g)[3]
スペクトル分類 K
光度 0.148 L[4]
表面温度 4,450 ± 150 K[3]
金属量 -0.3 ± 0.2 [m/H][3]
Template (ノート 解説) ■Project
ケプラー16B
Kepler-16B
分類 赤色矮星(M型主系列星)
軌道要素と性質
元期:J2000.0
軌道長半径 (a) 0.22431+0.00035
−0.00034
au[3]
離心率 (e) 0.15944+0.00061
−0.00062
[3]
公転周期 (P) 41.079220+0.000078
−0.000077
[3]
軌道傾斜角 (i) 90.3401+0.016
−0.019
°[3]
近点引数 (ω) 263.464+0.026
−0.027
°[3]
昇交点黄経 (Ω) ~0°[3]
通過時刻 BJD 2455212.12316[3]
物理的性質
半径 0.22623+0.00059
−0.00053
R[3]
質量 0.20255+0.00066
−0.00065
M[3]
平均密度 24.69+0.13
−0.15
g/cm3[3]
表面重力 5.0358+0.0014
−0.0017
(log g)[3]
スペクトル分類 M
光度 0.0057 L[4]
表面温度 ~3,311 K[4]
Template (ノート 解説) ■Project

ケプラー16英語: Kepler-16)は、はくちょう座の方向に地球から約200光年離れたところにある連星である。

概要

[編集]
大きさの比較
太陽 ケプラー16A
太陽 Exoplanet
大きさの比較
太陽 ケプラー16B
太陽 Exoplanet

ケプラー16は、K型主系列星ケプラー16Aと、赤色矮星(M型主系列星)のケプラー16Bで構成される。Aの質量は太陽の約65%、Bは太陽の約20%である。AとBの質量比率は3.4であり、互いの重心を約41.1日かけて公転している。2個の恒星は地球から見てを起こし、見かけの光度が変化するアルゴル型食変光星である。しかし、この恒星だけでは説明のつかない複雑な光度変化があり、これが第3の天体の食による光度変化、つまり惑星の影響によるものであることが分かった[3]

惑星

[編集]
ケプラー16系の模式図。ケプラー16A(黄)とB(赤)が互いの重心を回っており、その周囲をケプラー16b(紫)が公転している

ケプラー16には、太陽系外惑星が1個発見されている[1][3]ケプラー16b(またはケプラー16(AB)b)は、その名の由来となったケプラー望遠鏡によって2011年9月15日に発見された土星サイズの惑星である。恒星同士の連星の重心を中心として公転している周連星惑星としては世界初の発見である[5]。また周連星惑星が恒星の手前を横切る様子が観測されたのも初である。ケプラー16bは、ケプラー16の重心から0.71AU離れたところを約229日かけて公転している。連星の軌道長半径と惑星の軌道長半径の比率は約3.41であり、見つかっている周連星惑星の中では最も小さい。

ケプラー16の惑星[3]
名称
(恒星に近い順)
質量 軌道長半径
天文単位
公転周期
()
軌道離心率 軌道傾斜角 半径
b 0.333±0.016 MJ 0.7048±0.0011 228.776+0.020
−0.037
0.0069+0.0010
−0.0015
90.0322+0.0022
−0.0023
°
0.7538+0.0026
−0.0023
 RJ

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ a b パーセクは1 ÷ 年周視差(秒)より計算、光年は1÷年周視差(秒)×3.2615638より計算
  2. ^ 視等級 + 5 + 5×log(年周視差(秒))より計算。小数第1位まで表記

出典

[編集]
  1. ^ a b Jean Schneider. “Planet Kepler-16 (AB) b”. The Extrasolar Planet Encyclopaedia. Paris Observatory. 2019年2月9日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q Results for Kepler-16”. SIMBAD Astronomical Database. CDS. 2019年2月9日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t Doyle, Laurance R.; Carter, Joshua A.; Fabrycky, Daniel C. et al. (2011). “Kepler-16: A Transiting Circumbinary Planet”. Science 333 (6049): 1602–1606. arXiv:1109.3432. Bibcode2011Sci...333.1602D. doi:10.1126/science.1210923. PMID 21921192. 
  4. ^ a b c Haghighipour, Nader; Kaltenegger, Lisa (2013). “Calculating the Habitable Zone of Binary Star Systems. II. P-type Binaries”. The Astrophysical Journal 777 (2): 13. arXiv:1306.2890. Bibcode2013ApJ...777..166H. doi:10.1088/0004-637X/777/2/166. http://iopscience.iop.org/article/10.1088/0004-637X/777/2/166/meta. 
  5. ^ NASA's Kepler Mission Discovers a World Orbiting Two Stars”. NASA (2011年9月15日). 2019年2月9日閲覧。

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]

座標: 星図 19h 16m 18.2s, +51° 45′ 26.8″