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コウシュンウマノスズクサ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
コウシュンウマノスズクサ
分類
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : モクレン類 Magnoliids
: コショウ目 Piperales
: ウマノスズクサ科 Aristolochiaceae
亜科 : ウマノスズクサ亜科[1] Aristolochioideae
: ウマノスズクサ属 Aristolochia
亜属 : ウマノスズクサ亜属[1] subgen. Aristolochia
: コウシュンウマノスズクサ A. zollingeriana
学名
Aristolochia zollingeriana
Miq. (1858)[2][3][4][5]
シノニム
和名
コウシュンウマノスズクサ、
ゴッコゴーギー[11]

コウシュンウマノスズクサ学名: Aristolochia zollingeriana)は、ウマノスズクサ科ウマノスズクサ属に属する多年性つる草の1種である。つるは無毛、花は葉腋に3–4個集まってつき、花筒と子房の間に短い柄がある。日本の宮古諸島から台湾東南アジアに分布し、日本では絶滅危惧II類に指定されている。

特徴

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多年性つる草であり、無毛、長さ5メートル (m) 以上になることもある[1][11]は互生し、三角状卵形からひし形状心形、長さ5–12センチメートル (cm)、幅 5–9 cm、基部は浅い心形、先端が尖り、革質、表面は光沢があり、裏面は淡白色で細毛が密生する[1][11][12]葉柄は長さ 1.5–3.5 cm[1]

花期は6–8月[1]は葉腋に3–4個集まってつき、花柄は長さ 1–1.5 cm[1]。花筒(萼筒、花被筒)は淡緑色から淡褐色、長さ 3–4 cm、湾曲し、子房との間に短い柄があり、基部が球形にふくらみ、先端(舷部)の上部は舌状に大きく拡大、舷部両縁は反り返る[1][11]。舷部内面は褐色を帯び、粗毛がある[1][11]。花筒内部は毛があるが、のちに脱落する[1]

果実蒴果、倒卵状球形、長さ 5–6 cm、基部から6裂する[1][11]。種子は扇形で扁平、長さ 6–7 mm、周縁に翼がある[1]。染色体数は 2n = 12[1]

他のウマノスズクサ属の植物と同様、有毒なアルカロイドアリストロキア酸を生成する[13][要出典]ジャコウアゲハベニモンアゲハはコウシュンウマノスズクサを食草とし、体内に有毒成分を蓄積する事で、鳥などに捕食されないようにしている[要出典]

分布・生育環境

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南西諸島宮古諸島宮古島池間島大神島伊良部島来間島)と尖閣諸島魚釣島)、台湾フィリピンベトナムマレーに分布する[3][1][11]。海岸や低地の明るい林縁部に生育する[11]

保全状況評価

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絶滅危惧II類 (VU)環境省レッドリスト

環境省および沖縄県では、絶滅危惧II類に指定されている[14][11]

分類

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宮古島で発見されたコウシュンウマノスズクサには、当初は Aristolochia tagala学名が充てられていた[12]。またその変種(A. tagala var. kankaoensis)とすることや Aristolochia roxburghiana の亜種(A. roxburghiana subsp. kankauensis)とすることも提唱されていた[12]。その後、コウシュンウマノスズクサには一時的に Aristolochia tubiflora の名が充てられたこともあったが[11][14]、2022年現在では Aristolochia zollingeriana の学名が充てられている[2][3][4][5]

脚注

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出典

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n 東馬哲雄 (2015). “ウマノスズクサ属”. In 大橋広好, 門田裕一, 邑田仁, 米倉浩司, 木原浩 (編). 改訂新版 日本の野生植物 1. 平凡社. pp. 57–59. ISBN 978-4582535310 
  2. ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003年). “コウシュンウマノスズク”. BG Plants 和名-学名インデックス(YList). 2023年1月28日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h Aristolochia zollingerianam”. Plants of the World Online. Kew Botanical Garden. 2023年1月28日閲覧。
  4. ^ a b GBIF Secretariat (2022年). “Aristolochia zollingeriana Miq.”. GBIF Backbone Taxonomy. 2023年1月28日閲覧。
  5. ^ a b 島袋敬一 (1997). “コウシュンウマノスズクサ”. 琉球列島維管束植物集覧【改訂版】. 九州大学出版会. p. 194. ISBN 4-87378-522-7 
  6. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Aristolochia tubiflora auct. non Dunn”. BG Plants 和名-学名インデックス(YList). 2023年1月28日閲覧。
  7. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Aristolochia tagala auct. non Cham.”. BG Plants 和名-学名インデックス(YList). 2023年1月28日閲覧。
  8. ^ 佐々木望 (1883-1927) 動物学者 or 佐々木舜一 (1885-1960) 植物学者
  9. ^ 佐々木望 (1883-1927) 動物学者 or 佐々木舜一 (1885-1960) 植物学者
  10. ^ 佐々木望 (1883-1927) 動物学者 or 佐々木舜一 (1885-1960) 植物学者
  11. ^ a b c d e f g h i j 新城和治・新島義龍・洲鎌栄徳・横田昌嗣 (2018). “コウシュンウマノスズクサ”. 改訂・沖縄県の絶滅のおそれのある野生生物(レッドデータおきなわ)第3版-菌類編・植物編-. 沖縄県. p. 167 
  12. ^ a b c 山崎敬 (1975). “コウシュンウマノスズクサについて (雑録)”. 植物研究雑誌 50 (11): 341. CRID 1522825130242942208. 
  13. ^ Jou, J. H., Li, C. Y., Schelonka, E. P., Lin, C. H. & Wu, T. S. (2004). “Analysis of the analogues of aristolochic acid and aristolactam in the plant of Aristolochia genus by HPLC”. Journal of Food and Drug Analysis 12 (1): 40-45. doi:10.38212/2224-6614.2668. 
  14. ^ a b コウシュンウマノスズクサ”. 日本のレッドデータ 検索システム. 2023年1月28日閲覧。

外部リンク

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