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ゴマサバ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ゴマサバ
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
: スズキ目 Perciformes
亜目 : サバ亜目 Scombroidei
: サバ科 Scombridae
亜科 : サバ亜科 Scombrinae
: サバ属 Scomber
: ゴマサバ S. australasicus
学名
Scomber australasicus
Cuvier, 1832
和名
ゴマサバ
英名
Blue mackerel

ゴマサバ(胡麻鯖、学名Scomber australasicus)は、スズキ目サバ科に分類されるの1種。太平洋熱帯亜熱帯海域に分布する海水魚で、沖合の水深50m程度までの表層で大群を作り遊泳する。

日本では食用魚として重要で、近縁のマサバグルクマ等と共に「サバ」と総称される。地方名としてマルサバ(各地)、ホシグロ(新潟)、ゴマ(千葉)、コモンサバ(島根)、ドンサバ(福岡)などがある。

特徴

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成長が早く、満1歳で尾叉長20 - 28cm、満2歳で30 - 36cm程度に成長し、成魚は60cm程度。よく漁獲されるのは30 - 40cmほどである。

食性は肉食性で、動物プランクトン、小魚、イカ、頭足類など小動物を捕食する。生殖腺は1月ごろから発達しはじめ産卵期は海域によって異なり、魚釣島近海では 1 - 3月、東シナ海中部では 3 - 5月、薩南沖では 2 - 4月に多い。メスは満1歳で約40%個体が成熟し、満2歳で約70%、満3歳以上ではほとんどの個体が成熟する。

分布

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太平洋の暖流に面した熱帯・亜熱帯海域に広く分布し、日本付近では黒潮系暖水の影響が大きい海域(南シナ海、東シナ海)に分布するが黒潮に乗って三陸沖まで回遊する。マサバより高温を好み、日本近海でも夏に漁獲量が増える。太平洋側での主分布域は北緯36度(房総半島)以南。

東シナ海に分布する個体群は2系群に分けられる。どちらの系群も春から夏には北上し、秋から冬には越冬、産卵のために南下回遊する。

  • 東海系群:東シナ海南部域から九州西海域にかけて分布し、一部は山陰沖や薩南沖へも回遊。
  • 薩南沖系群:九州西岸から薩南海域に分布し、太平洋南区のゴマサバの補給源ともなっている。

形態的特徴

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体は前後に細長い紡錘形で、短い吻が前方に尖り、横断面は円形に近い。背面は青緑色の地にサバ類独特の黒い曲線模様が多数走り、腹面は銀白色の地に黒い小斑点がある。しかし、腹部の黒斑は未成魚では不明瞭で、成魚でもはっきりしない個体もいる。

  • 体側正中線上に黒斑、体側下半部は銀白色で多数の小黒斑
  • 第1背鰭棘数は12本(希に11本)
  • 第1背鰭の神経間棘数は17本以上
  • マサバと区別為には次の点を調べる。
    • 第1背鰭棘数は 11 - 12本。体側正中線上と体側下半部に黒斑がある。体の横断面は円形に近い……ゴマサバS.australasicus
    • 第1背鰭棘数は 9 - 10本。体側正中線上と体側下半部に黒斑がない。体の横断面は楕円形……マサバS.japonicus

厳密に区別したいときは,第1背鰭の神経間棘数(背鰭第1棘に対応したものから第2背鰭の第1条を担ったものの直前までの数)を数える。神経間棘数17本以上はゴマサバ、16本以下はマサバである。

利用

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巻き網定置網、火光利用さば漁業(たもすくいおよび棒受け網漁業)などの沿岸漁業で漁獲される。外洋に面した防波堤からの釣りでも漁獲される。

マサバより脂肪が少ないが、季節的な味の変化が少ないとされている。はマサバの味が落ちるがゴマサバの味は落ちず、漁獲量も増える。鯖節への利用が多いが、他にもマサバと同様に〆鯖(きずし)、鯖寿司焼き魚煮付け唐揚げ缶詰サバ節など幅広い用途に利用される。新鮮なものは刺身でも食べられるが、傷みが早いので注意が必要である。また、アニサキスが寄生している危険もある。

高知県土佐清水市清水サバ鹿児島県屋久島首折れ鯖など、各地に地域ブランドがある。

出典

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参考文献

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関連項目

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