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セントレイ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
「セントレイ」
サカナクションシングル
初出アルバム『シンシロ
B面 Ame (A)
もどかしい日々
リリース
規格 CD
デジタル・ダウンロード
録音 2008年
ジャンル ニュー・ウェイヴ
ロック
時間
レーベル BabeStar Label
ビクターエンタテインメント
作詞・作曲 山口一郎
チャート最高順位
サカナクション シングル 年表
ワード/サンプル
(2007年)
セントレイ
(2008年)
アルクアラウンド
(2010年)
EANコード

EAN 4988002559961
EAN 4988002559978

ミュージックビデオ
「セントレイ」 - YouTube
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セントレイ』(日本語発音: [sentoɺei])は、日本のロックバンドサカナクションの楽曲。バンドのフロントマン山口一郎によって作詞作曲された。2008年11月12日デジタル・ダウンロードとして各配信サイトにて配信リリースされた後に、12月10日ビクターエンタテインメントの傘下レーベルであるBabeStar Labelより、バンドとしては初のCDシングルとしてリリースされた。

背景と制作

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フロントマンの山口一郎は、楽曲で「サカナクションなりの4次元」を表現している[1]。(画像は単純な回転を繰り返す正百二十胞体。)

「セントレイ」は、アルバム『シンシロ』の制作工程の上で出来た作品である[2]。また、楽曲はアルバム中心になる曲として作曲された[3]。また、アルバム『GO TO THE FUTURE』や『NIGHT FISHING』に収録された楽曲がポップ・ミュージックとして制作しようと作曲したものの、ポップ・ミュージックから遠ざかった楽曲が完成されたために、今作「セントレイ」ではエンターテイメント・ミュージックに重点を置き、一層の需要を目指し制作している[4]。タイトルは、「1000(セン)と0(レイ)」、つまり「宇宙と自分」と、その「狭間」が繋がっていく軌跡という意味で名付けられた[5]。そのため、楽曲へのアプローチに宇宙や『銀河鉄道999』といった観点を置いている[4]

バンドのフロントマンである山口一郎は『シンシロ』の制作において過去作とは異なるアプローチを取った。すなわち、いくつかの曲の作詞作曲を行った後、山口は各メンバーに1曲ずつ渡しアレンジを依頼した。アレンジされたデモが持ち込まれた後はそれを元にメンバーで一緒に制作した。「セントレイ」を担当したのはベースの草刈愛美[6]で、草刈に山口から渡されたデモは山口がアコースティックギター一本で演奏したセンチメンタルで切ない曲であったが[2]、山口はそれを草刈があまり慣れていない(と山口が考えた)「ギター・ロック」風にアレンジするよう指定した[3]。しかし、草刈が書いてきたのはストレートなギター・ポップソングであったために、山口と草刈で再編曲をし、サカナクションらしさと山口の思い浮かべるイメージへと近づけ、最終的にはスタジオでのリハーサルを通して、現在の音楽性を持つ楽曲に編成された[6]。草刈は制作過程でもっとも曲として完成している状態のデモを山口の元に持ち込んだメンバーであった。元々草刈はギター・ロックやパンク系の楽曲を手がけていた経験があり、本作のアレンジにおいて「初期衝動的な勢いを懐しく思いながら」あたったと述べている[6]

構成

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「セントレイ」は一般的な4分の4拍子の曲でテンポは132、ホ長調の曲である[6]。そのサウンドはギター・ロックにシンセサイザーを組み合わせたもので、楽器構成はギターベースキーボードドラムスからなる[2][4][5][6]。また、曲中2度目のAメロのサウンドではダンス・ビートの要素が含まれている[4]。歌の冒頭はCm-A-Am-E というコード進行であり、サビ部分では、Am-Emaj7-Gm-E-A と進行する[6]

プロモーションとリリース

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「セントレイ」は、2008年11月12日デジタル・ダウンロードとして各配信サイトにて配信リリースされた後[7]に、12月10日ビクターエンタテインメントの傘下レーベル、BabeStar LabelよりCDシングルとしてリリースされた[8]。また、今作は傘下であるBabeStar Labelよりリリースされた最後の作品である。『ネイティブダンサー』から『懐かしい月は新しい月 〜Coupling & Remix works〜』までの作品は、ビクターエンタテインメントからのリリースとなる[8][9][注 1]

楽曲は、2008年8月26日小樽で行われたロック・フェスティバルライジング・サン・ロックフェスティバル』のパフォーマンス間に初披露された[11]。楽曲は、エフエムラジオ局ヘヴィー・ローテーションされており、TOKYO FMを含むJFN系列4局、FM PORTFM802、熊本シティFM、九州朝日放送CROSS FMといった全国の各ラジオ局でパワープッシュされた[12]。パワープッシュでは、エフエムラジオだけではなく、日本テレビ音楽戦士 MUSIC FIGHTER』やミュージック・ビデオを含めたパワープッシュとして、RKB毎日放送チャートバスターズR!』、MTVジャパン『hotseat』で楽曲が使用された。また、楽曲はオープニング曲やエンディング曲としても使用され、オープニングでは、富山テレビ『bbt music selection』[13]。エンディングでは、KBCテレビ『V3』で楽曲が使用された[12]。シングルは、発売を記念としたライブツアー『SEN(千)LIVE』および『REI(零)LIVE』が行われている。ライブのチケット価格はそれぞれタイトルの意味の数字の“1000”(セン)と“0”(レイ)にちなんだ価格となっていた[11][12]

B面に収録された「Ame (A)」は、アルバム『懐かしい月は新しい月 〜Coupling & Remix works〜』に収録されている[14]。また、同様B面に収録されたネイティブダンサーは日本のディスクジョッキーFantastic Plastic Machineによってリミックスされ、アルバム『VERSUS. JAPANESE ROCK VS FPM SELECTED AND NON-STOP MIXED BY FPM』に収録されている[15]

ミュージック・ビデオ

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映像外部リンク
セントレイ - YouTube - サカナクションのレーベル、ビクターエンタテインメント内レーベル「NFRecords sakanaction」公式チャンネルによるミュージック・ビデオへのリンク。

楽曲「セントレイ」のミュージック・ビデオは豊田京太郎が監督を務めた[16]。ビデオは真っ黒な背景を前に演奏するバンドメンバーの映像から始まり、その後画面中央に置かれた光源へ向かってカメラが前進する映像に切り替わる。このとき、光源から拡散する光線に沿ってメンバーが画面手前に迫ってくる。

豊田は曲のテーマを聞いて、1次元から4次元へとバンドが旅をするという構想を得た。山口は豊田に、エレクトロニックな曲調にではなく、曲のロックな部分や人間的側面を強調するよう要望したという[17]

評論家による評価

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ロッキング・オンの岡崎咲子は「サカナクションの景色が変わった」と評し、また「バンドの勢いをそのまま示しているようだ」と賞賛している[5]音楽雑誌『CD Journal』のレビュアーは本曲を、新しいサカナクションスタイル(「サカナ・ギター・ロック」)と評し、「変幻自在のサウンド」とそのスタイルを賞賛した[13]。またサビにおいて山口のボーカルが「繊細で柔らかい声から希望を感じさせる力強い声へと変わる」点に魅力を感じたと述べ、「疾走感あふれるキラー・チューン」と評価した。一方で、シングル盤への同誌レビューでは「派手に誇示するタイプではない」としつつも「上質なハイブリッドである」と評している[18]タワーレコードの音楽雑誌『bounce』で山田邦子は、「疾走感に溢れたギター・ロック的アプローチ」の新鮮さを指摘した[19]

収録曲

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デジタル・ダウンロード
#タイトル作詞作曲・編曲時間
1.「セントレイ」  
合計時間:
マキシシングル
全作詞・作曲: 山口一郎
#タイトル作詞作曲・編曲時間
1.「セントレイ」山口一郎山口一郎
2.「Ame (A)」山口一郎山口一郎
3.「もどかしい日々」山口一郎山口一郎
合計時間:
限定盤ボーナス・トラック
#タイトル作詞作曲・編曲時間
4.「夜の東側」  
合計時間:

チャート

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「セントレイ」の週間チャート(2008年)
チャート 最高
順位
出典
日本・ Billboard Adult Contemporary Airplay 45 [20]
日本・Billboard Japan Hot 100 9 [21]
オリコンシングルチャート 35 [22]

売り上げ

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集計団体 売り上げ/枚 出典
オリコン 6,000 [23]

発売日一覧

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国/地域 発売/発信元 発売日 規格 規格品番 出典
日本の旗 日本 BabeStar Label
ビクターエンタテイメント
2008年11月12日 (2008-11-12) デジタル・ダウンロード VEAML-22686 [8][24]
2008年12月10日 (2008-12-10) CD VEAML-22686 [25][26]
2008年12月17日 (2008-12-17) レンタルCD VICB-35013
VICB-35014
[27]
大韓民国の旗 韓国 J-Box Entertainment 2009年4月13日 (2009-04-13) デジタル・ダウンロード [28]

ライブ映像作品

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曲名 作品名 備考
セントレイ SAKANAQUARIUM 2010 (B)
SAKANAQUARIUM 2010 (C)
SAKANAQUARIUM 2011

DocumentaLy -LIVE at MAKUHARI MESSE-

SAKANATRIBE 2014

-LIVE at TOKYO DOME CITY HALL-

SAKANAQUARIUM 2015-2016

"NF Records launch tour" -LIVE at NIPPON BUDOKAN 2015.10.27-

脚注

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注釈

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  1. ^ 『懐かしい月は新しい月 〜Coupling & Remix works〜』につづく、『新宝島』以降は自己レーベルからのリリース[10]

出典

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  1. ^ サカナクション、「セントレイ」は4次元妄想プレイ”. BARKS (2008年12月21日). 2015年2月24日閲覧。
  2. ^ a b c 話題のテクノ・ロックバンド、サカナクションが3rdアルバム発表!”. Listen Japan. 2010年3月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年5月13日閲覧。
  3. ^ a b 土田 真弓 (2009年1月15日). “サカナクション”. タワーレコード. pp. 1-4. 2015年2月26日閲覧。
  4. ^ a b c d 土田真弓 (2008年12月11日). “スペシャル サカナクション”. ビクターエンタテインメント. p. 1. 2008年12月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年2月26日閲覧。
  5. ^ a b c 岡崎咲子 (2008年1月20日). “新章を告げる音”. RO69. ロッキングオン. 2015年2月24日閲覧。
  6. ^ a b c d e f サカナクション (2012-09-12). バンド・スコア サカナクション/SAKANA ENSEMBLE 2007-2009. 日本、東京: ドレミ楽譜出版社. pp. 170–183. ISBN 4285134675 
  7. ^ セントレイ”. ビクターエンタテインメント. 2010年3月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年2月22日閲覧。
  8. ^ a b c サカナクション新曲タイトルにちなんで千円ライブ”. ナタリー. ナターシャ (2008年12月12日). 2015年2月17日閲覧。
  9. ^ アルクアラウンド<通常盤>”. タワーレコード. 2016年3月28日閲覧。
  10. ^ サカナクション、自主レーベル「NF Records」立ち上げ”. BARKS (2015年9月11日). 2015年9月11日閲覧。
  11. ^ a b サカナクション、初シングル「セントレイ」レコ発ツアー決定”. BARKS (2008年11月20日). 2015年2月24日閲覧。
  12. ^ a b c Information”. ビクターエンタテインメント. 2008年12月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年3月28日閲覧。
  13. ^ a b サカナクション / シンシロ [限定]” (Japanese). CD Journal. 2015年2月24日閲覧。
  14. ^ サカナクション"月"のコンセプト作にメンバーREMIX&山口一郎初監督MV”. ナタリー. ナターシャ (2015年11月3日). 2015年11月4日閲覧。
  15. ^ 【CD】Getting Better 15th Anniversary presents Getting Roll〜Rock Anthem Mix〜”. タワーレコード. 2015年4月21日閲覧。
  16. ^ セントレイ”. スペースシャワーTV. 2015年2月17日閲覧。
  17. ^ Sakanarchive 2007—2011: Sakanaction Music Video Collection (Limited Edition) (Media notes). サカナクション. 日本、東京: ビクターエンタテインメント. 2011.
  18. ^ サカナクション / セントレイ [限定]” (Japanese). CD Journal. 2019年10月17日閲覧。
  19. ^ 【CD】シンシロ<期間限定価格盤>”. タワーレコード. 2015年4月21日閲覧。
  20. ^ 2008/12/29付:Japan Billboard Adult Contemporary Airplay”. ビルボード. 阪神コンテンツリンク (2008年12月24日). 2015年1月22日閲覧。[リンク切れ]
  21. ^ Japan 2008/12/22付:Billboard Hot 100”. ビルボード. 阪神コンテンツリンク (2008年12月17日). 2015年1月22日閲覧。[リンク切れ]
  22. ^ セントレイ”. オリコン. 2014年12月13日閲覧。
  23. ^ オリコンランキング情報サービス「you大樹」”. オリコン. 2015年11月15日閲覧。
  24. ^ セントレイ”. ビクターエンタテインメント. 2010年3月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年2月22日閲覧。
  25. ^ セントレイ<初回生産限定盤>”. タワーレコード. 2015年1月30日閲覧。
  26. ^ セントレイ<通常盤>”. タワーレコード. 2015年1月30日閲覧。
  27. ^ セントレイ”. ツタヤ. 2015年2月22日閲覧。
  28. ^ セントレイ (Sentorei)” (韓国語). Bugs. February 17, 2015閲覧。

外部リンク

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