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チェサピーク湾

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
チェサピーク湾
チェサピーク湾(ランドサット画像)
チェサピーク湾に流入する河川地図
位置 メリーランド州, ヴァージニア州
座標 北緯37度48分 西経76度06分 / 北緯37.8度 西経76.1度 / 37.8; -76.1座標: 北緯37度48分 西経76度06分 / 北緯37.8度 西経76.1度 / 37.8; -76.1
種類 三角江
語源 Chesepiooc, アルゴンキン族言葉で「大きな川のそば(の村)」の意
主な流入 サスケハナ川河口(ハバディグレイス
河川
主な流出 大西洋バージニアビーチの北)
北緯36度59分45秒 西経75度57分34秒 / 北緯36.99583度 西経75.95944度 / 36.99583; -75.95944
集水域面積 64,299 sq mi (166,530 km2)
延長 200 mi (320 km)
最大幅 30 mi (48 km)
面積 4,479 sq mi (11,600 km2)
平均水深 21 ft (6.4 m)
脚注
登録名Chesapeake Bay Estuarine Complex
登録日1987年6月4日
登録コード375[1]
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チェサピーク湾: Chesapeake Bay[ˈɛsəpk] CHESS-ə-peek)は、アメリカ合衆国中部大西洋岸にある湾。同国最大の入り江である。首都ワシントンD.C.の東に位置し、沿岸にはボルチモアノーフォークなどの都市がある。

南で大西洋に接続しており、その境界はヘンリー岬とチャールズ岬とつないだ線である[2]。東岸はデルマーバ半島である。大小150以上の河川が流入し、その合計流域面積は6州(ニューヨーク州ペンシルベニア州デラウェア州メリーランド州バージニア州ウェストバージニア州)およびワシントンD.Cの166,534平方キロメートルにおよぶ[2][3]。沿岸の三角江にはカモ科などの水鳥が生息しており、1987年にラムサール条約登録地となった[1]

北のサスケハナ川から大西洋まで、南北約320キロメートルの長さがある。幅はもっとも狭いところ(メリーランド州ケント郡ニュータウン近くのプラムポイントとハーフォード郡ロムニークリーク近くのあいだ)で4.5キロメートル、もっとも広いポトマック川河口の南では48キロメートルに達する。海岸線はのべ18,804キロメートル、面積は11,601平方キロメートルにわたる。湾内の平均水深は6.4メートル、最大水深は53メートル[4]。メリーランド州アナポリス近郊のサンディポイントからケント島へチェサピーク・ベイ・ブリッジが、バージニアビーチとチャールズ岬とのあいだにチェサピーク・ベイ・ブリッジ・トンネルがそれぞれ渡されている。

殻ごと調理して食べられるアオガニ英語版ソフトシェルクラブカキの名産地だが、20世紀中ごろから棲息数の減少が続いている[5]。富栄養化と都市化に起因する湾内の水質悪化が乱獲に拍車をかけた形だが、1990年代から再生に向けた取り組みが続いており、カキの棲息数は持ち直してきている[6][7]。また、湾の水質自体も改善の兆しが見られる。そのほかの環境問題として地球温暖化に由来する海面上昇があり、湾内にある面積わずか3平方キロのタンジール島英語版は、過去80年間で40cmほど周辺水位が上昇して陸地を浸食しており、今後25年以内に完全に沈むと予想されている[8]

猟犬の一種であるチェサピーク・ベイ・レトリーバーの原産地としても有名。デルマーバ半島のチェサピーク湾口にチェサピーク湾クレーターが存在する。

脚注

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  1. ^ a b Chesapeake Bay Estuarine Complex”. Ramsar Sites Information Service. 25 April 2018閲覧。
  2. ^ a b Kaufman, Leslie (December 28, 2010). “More Blue Crabs, but Chesapeake Bay Is Still at Risk, Report Says”. The New York Times. オリジナルのApril 12, 2011時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20110412144707/http://green.blogs.nytimes.com/2010/12/28/more-blue-crabs-but-chesapeake-bay-still-is-at-risk-report-says/ 2011年4月20日閲覧。 
  3. ^ Fact Sheet 102-98 – The Chesapeake Bay: Geologic Product of Rising Sea Level”. U. S. Geological Survey (1998年11月18日). 2008年1月13日閲覧。
  4. ^ Chesapeake Bay, VA/MD (M130) Bathymetric Digital ElevationModel (30 meter resolution) Derived From Source Hydrographic Survey Soundings Collected by NOAA”. National Oceanic and Atmospheric Administration (2013年5月17日). 2015年4月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年1月21日閲覧。
  5. ^ Fahrenthold, David A. (2008年12月28日). “Way of Life Slipping Away Along Chesapeake's Edge”. The Washington Post. https://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2008/12/27/AR2008122701126.html 2011年4月20日閲覧。 
  6. ^ “Signs of a Chesapeake Bay oyster comeback”. The Washington Post. (19 November 2013). https://www.washingtonpost.com/national/health-science/in-the-chesapeake-bay-signs-of-an-oyster-comeback/2013/11/19/58bf61b6-5153-11e3-9fe0-fd2ca728e67c_graphic.html 
  7. ^ Kuebler, Brian (2015年2月1日). “Maryland oysters making a comeback”. ABC News. オリジナルの2 April 2015時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20150402105443/http://www.abc2news.com/news/region/eastern-shore/maryland-oysters-making-a-comeback 
  8. ^ “沈みゆく「トランプ島」の憂鬱”. ニューズウィーク日本版(2024年3月12日号). CCCメディアハウス. (2024-03-12). p. 62. 

関連項目

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外部リンク

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