ビホルダー (競走馬)
ビホルダー | |||||||||||||||||||||||||||
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欧字表記 | Beholder[1] | ||||||||||||||||||||||||||
品種 | サラブレッド | ||||||||||||||||||||||||||
性別 | 牝 | ||||||||||||||||||||||||||
毛色 | 鹿毛 | ||||||||||||||||||||||||||
生誕 | 2010年5月9日(14歳) | ||||||||||||||||||||||||||
父 | ヘニーヒューズ | ||||||||||||||||||||||||||
母 | Leslie's Lady | ||||||||||||||||||||||||||
母の父 | Tricky Creek | ||||||||||||||||||||||||||
生国 | アメリカ合衆国 | ||||||||||||||||||||||||||
生産者 | Clarkland Farm[2] | ||||||||||||||||||||||||||
馬主 | Spendthrift Farm LLC[2] | ||||||||||||||||||||||||||
調教師 | Richard E. Mandella(アメリカ合衆国)[2] | ||||||||||||||||||||||||||
競走成績 | |||||||||||||||||||||||||||
生涯成績 | 26戦18勝 | ||||||||||||||||||||||||||
獲得賞金 | $6,156,600[3] | ||||||||||||||||||||||||||
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ビホルダー(英:Beholder[1])は、アメリカ合衆国生産の競走馬、繁殖牝馬。現役時代は2013年・2016年のブリーダーズカップ・ディスタフなどGIを11勝し、エクリプス賞を4度受賞している。ヘニーヒューズの代表産駒であり、ソングバードとともに2010年代のアメリカ競馬を代表する名牝である。
競走馬時代
[編集]2歳時(2012年)
[編集]6月28日ハリウッドパーク競馬場の未勝利でデビューし4着。2戦目で初勝利を挙げると、GI初出走となったデルマーデビュータントステークスではエグゼクティブプリヴィレッジ(Executiveprivilege)にハナ差及ばず2着となるが、アローワンス競走の11馬身差圧勝を挟んで迎えたブリーダーズカップ・ジュヴェナイルフィリーズでエグゼクティブプリヴィレッジに雪辱を果たし、初のGI制覇を果たす。この勝利により、エクリプス賞最優秀2歳牝馬に選出された[4]。
3歳時(2013年)
[編集]年明け2戦目からGIを2連勝して迎えたケンタッキーオークスでは、伏兵プリンセスオブシルマーにゴール前で差し切られ、半馬身差の2着となる[5]。
前哨戦のゼニヤッタステークス1着を経て挑んだブリーダーズカップ・ディスタフでは同期のプリンセスオブシルマー、前年の覇者ロイヤルデルタとの三強対決を制して優勝し、プリンセスオブシルマーに並ぶ同年のGI4勝目を挙げた。エクリプス賞最優秀3歳牝馬の選考では207票を獲得して42票のプリンセスオブシルマーに大差をつけて1位となり、2年連続のエクリプス賞受賞を果たした[6]。
4歳時(2014年)
[編集]シーズン初戦となったサンタルチアステークスを5馬身1/4差で圧勝ののち、6月のオグデンフィップスステークスでは4着に敗れる。 ゼニヤッタステークスで連覇を果たした後、ブリーダーズカップ・ディスタフに向けて調整されていたが、熱発により回避し、シーズンを終えている[7]。
5歳時(2015年)
[編集]シーズン初戦となったサンタルチアステークス、続くアドレーションステークスを連勝して挑んだクレメント・L・ハーシュステークスでは後続馬に7馬身差つけG1競走7勝目を挙げる 。 パシフィッククラシックステークスで牡馬相手に8馬身1/4差の圧勝劇を演じる。続くゼニヤッタステークスも3馬身1/4差の完勝で3連覇を達成する。ブリーダーズカップ・ディスタフは外傷のため2年連続の回避を余儀なくされたが[7]、年間5戦無敗の成績でエクリプス賞最優秀古馬牝馬の座に輝いた[8]。なお、2歳時から5歳時まで4年連続でG1勝利を果たした馬は米国史上初であった[9]。
6歳時(2016年)
[編集]シーズン初戦のアドレーションステークスを連覇し、続くヴァニティーマイルステークスでGI10勝目を挙げる。5年連続のGI競走勝利はジョンヘンリーと並ぶ北米タイ記録であり、2歳時からの達成は史上初であった[10]。しかし、次戦のクレメント・L・ハーシュステークスでは前走で下したステラーウインドの2着に敗れ、2014年のゼニヤッタステークスから続いていた連勝が8でストップする。パシフィッククラシックステークスでは当時の現役最強馬カリフォルニアクロームに挑んだが、5馬身差の2着となる。4連覇を狙って出走したゼニヤッタステークスもステラーウインドに敗れて2着に終わり、前人未到の快挙達成はならなかった。ラストランのブリーダーズカップ・ディスタフでは11戦無敗の3歳馬ソングバードが断然の1番人気で、本馬はステラーウインドに次ぐ3番人気であった。レースでは逃げるソングバードに対して好位を追走し、直線ではほぼ2頭のマッチレースとなる。激しい叩き合いの末、最後は本馬がハナ差競り勝ち、3年ぶりのブリーダーズカップ勝利で有終の美を飾った[11][注 1]。歴史的名牝同士による一騎打ちは、北米競馬史の残る名勝負と称された[12]。この勝利により、2年連続のエクリプス賞最優秀古馬牝馬を受賞し、通算のエクリプス賞受賞は4回目となった[13]。
本馬の功績を讃え、ヴァニティーマイルステークスが2017年より「ビホルダーマイルステークス」に名称変更された[14]。
2022年、アメリカ競馬名誉の殿堂博物館に殿堂馬として選定された。
繁殖牝馬時代
[編集]2017年からケンタッキー州のスペンドスリフトファームで繁殖牝馬となった。初年度はアンクルモーが種付けされ、2018年1月23日に初仔となる鹿毛の牡馬を出産した[15]。
2023年9月9日に産駒タマラがデルマーデビュータントステークスを勝利してG1初制覇を果たしている[16]。
競走成績
[編集]以下の内容は、EQUIBASEの情報[3]に基づく。
出走日 | 競馬場 | 競走名 | 格 | 距離 | 着順 | 騎手 | 着差 | 1着(2着)馬 |
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2012. 6.28 | ハリウッドパーク | 未勝利 | AW5.5f | 4着 | G.ゴメス | Executiveprivilege | ||
7.22 | デルマー | 未勝利 | AW5.5f | 1着 | G.ゴメス | 3馬身1/4 | (Fanticola) | |
9. 1 | デルマー | デルマーデビュータントステークス | G1 | AW7f | 2着 | G.ゴメス | ハナ | Executiveprivilege |
10. 4 | サンタアニタ | アローワンス | ダ6f | 1着 | G.ゴメス | 11馬身 | (Mechaya) | |
11. 2 | サンタアニタ | ブリーダーズカップ・ジュヴェナイルフィリーズ | G1 | ダ8.5f | 1着 | G.ゴメス | 1馬身 | (Executiveprivilege) |
2013. 1.21 | サンタアニタ | サンタイネスステークス | G2 | ダ6.5f | 2着 | G.ゴメス | 3/4馬身 | Renee's Titan |
3. 2 | サンタアニタ | ラスヴァージネスステークス | G1 | ダ8f | 1着 | G.ゴメス | 3馬身3/4 | (Fiftyshadesofhay) |
4. 6 | サンタアニタ | サンタアニタオークス | G1 | ダ8.5f | 1着 | G.ゴメス | 2馬身3/4 | (Iotapa) |
5. 3 | チャーチルダウンズ | ケンタッキーオークス | G1 | ダ9f | 2着 | G.ゴメス | 1/2馬身 | Princess of Sylmar |
9. 1 | デルマー | トーリーパインズステークス | AW8f | 1着 | G.スティーヴンス | 2馬身3/4 | (Wittgenstein) | |
9.28 | サンタアニタ | ゼニヤッタステークス | G1 | ダ8.5f | 1着 | G.スティーヴンス | 1馬身1/4 | (Authenticity) |
11. 1 | サンタアニタ | ブリーダーズカップ・ディスタフ | G1 | ダ9f | 1着 | G.スティーヴンス | 4馬身1/4 | (Close Hatches) |
2014. 4.20 | サンタアニタ | サンタルチアステークス | ダ8.5f | 1着 | G.スティーヴンス | 5馬身1/4 | (Legacy) | |
6. 7 | ベルモントパーク | オグデンフィップスステークス | G1 | ダ8.5f | 4着 | G.スティーヴンス | Close Hatches | |
9.27 | サンタアニタ | ゼニヤッタステークス | G1 | ダ8.5f | 1着 | M.スミス | 3/4馬身 | (Tiz Midnight) |
2015. 4.10 | サンタアニタ | サンタルチアステークス | ダ8.5f | 1着 | G.スティーヴンス | 3馬身3/4 | (Uzziel) | |
6.13 | サンタアニタ | アドレーションステークス | G3 | ダ8.5f | 1着 | G.スティーヴンス | 1馬身1/4 | (Warren's Veneda) |
8. 1 | デルマー | クレメント・L・ハーシュステークス | G1 | ダ8.5f | 1着 | G.スティーヴンス | 7馬身 | (Yahilwa) |
8.22 | デルマー | パシフィッククラシックステークス | G1 | ダ10f | 1着 | G.スティーヴンス | 8馬身1/4 | (Catch a Flight) |
9.26 | サンタアニタ | ゼニヤッタステークス | G1 | ダ8.5f | 1着 | G.スティーヴンス | 3馬身1/4 | (My Sweet Addiction) |
2016. 5. 8 | サンタアニタ | アドレーションステークス | G3 | ダ8.5f | 1着 | G.スティーヴンス | 2馬身1/2 | (Sheer Pleasure) |
6. 4 | サンタアニタ | ヴァニティーマイルステークス | G1 | ダ8f | 1着 | G.スティーヴンス | 1馬身1/2 | (Stellar Wind) |
7.30 | サンタアニタ | クレメント・L・ハーシュステークス | G1 | ダ8.5f | 2着 | G.スティーヴンス | 1馬身1/2 | Stellar Wind |
8.20 | デルマー | パシフィッククラシックステークス | G1 | ダ10f | 2着 | G.スティーヴンス | 5馬身 | California Chrome |
10. 1 | サンタアニタ | ゼニヤッタステークス | G1 | ダ8.5f | 2着 | G.スティーヴンス | クビ | Stellar Wind |
11. 4 | サンタアニタ | ブリーダーズカップ・ディスタフ | G1 | ダ9f | 1着 | G.スティーヴンス | ハナ | (Songbird) |
血統表
[編集]ビホルダーの血統 | (血統表の出典)[§ 1] | |||
父系 | ストームキャット系 |
[§ 2] | ||
父 *ヘニーヒューズ Henny Hughes 2003 栗毛 |
父の父 *ヘネシーHennessy 1993 栗毛 |
Storm Cat | Storm Bird | |
Terlingua | ||||
Island Kitty | Hawaii | |||
T.C. Kitten | ||||
父の母 Meadow Flyer1989 鹿毛 |
Meadowlake | Hold Your Peace | ||
Suspicious Native | ||||
Shortley | Hagley | |||
Short Winded | ||||
母 Leslie's Lady 1996 鹿毛 |
Tricky Creek 1986 鹿毛 |
Clever Trick | Icecapade | |
Kankakee Miss | ||||
Battle Creek Girl | His Majesty | |||
Far Beyond | ||||
母の母 Crystal Lady 1990 鹿毛 |
Stop the Music | Hail to Reason | ||
Bebopper | ||||
One Last Bird | One for All | |||
Last Bird | ||||
5代内の近親交配 | Northern Dancer5×5=6.25% | [§ 3] | ||
出典 |
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- 半兄イントゥミスチーフ(父ハーランズホリデー)は2007年のキャッシュコールフューチュリティ勝ち馬[17]。
- 半弟メンデルスゾーン(父スキャットダディ)は1歳時の2016年に300万ドルでクールモアグループに落札され[7]、2017年のブリーダーズカップ・ジュヴェナイルターフ、2018年のUAEダービーを制している[18]。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ ブリーダーズカップ競走3勝は、ゴルディコヴァ(ブリーダーズカップ・マイルを3勝)以来史上2頭目である。
出典
[編集]- ^ a b Beholder(USA)|JBISサーチ(JBIS-Search)
- ^ a b c Beholder | Race Record & Form. Racing Post. 2018年8月28日閲覧
- ^ a b Horse Profile for Beholder. EQUIBASE. 2018年8月28日閲覧
- ^ Evan Hammonds. Beholder Champion 2-Year-Old Filly. Bloodhorse(January 19, 2013). 2018年8月28日閲覧
- ^ CHURCHILL DOWNS - May 3, 2013 - Race 11. Equibase. 2018年8月28日閲覧
- ^ Beholder Gets Another Award. TDN. 2018年8月28日閲覧
- ^ a b c Beholder Retired and Will Visit Uncle Mo. TDN(November 6, 2016). 2018年8月28日閲覧
- ^ Lenny Shulman. Beholder Secures her Third Eclipse Award. Bloodhorse(January 16, 2016). 2018年8月28日閲覧
- ^ “イントゥミスチーフ……2019年・2020年・2021年の北米リーディング種牡馬。オーセンティックなどの父。 ビホルダー……アメリカで史上はじめて2歳〜5歳まで4年連続G1勝利を達成。G1トータル11勝。2010年代の米国競馬を代表する名牝。 メンデルスゾーン……2018年のUAEダービーを18馬身差で圧勝。”. Twitter. netkeiba.com. 2022年1月25日閲覧。
- ^ “West: Eye of the Beholder” (英語). ESPN.com (2015年8月21日). 2024年5月1日閲覧。
- ^ The Associated Press. By a nose: Beholder upsets Songbird to win BC Distaff. USA TODAY(November 6, 2016). 2018年8月28日閲覧
- ^ 合田直弘. 近代屈指の名牝ソングバードが大一番を前に引退. netkeiba.com(2017年9月6日付). 2018年8月28日閲覧
- ^ Alicia Wincze Hughes. Beholder Goes Out a Champion, Earns Fourth Eclipse. Bloodhorse(January 21. 2017)
- ^ Mike Willman. G1 Vanity Mile Renamed In Honor Of Champion Beholder. Paulick Report(February 10, 2017). 2018年8月28日閲覧
- ^ Champion Beholder Delivers First Foal, A Colt By Uncle Mo. Paulick Report(January 24, 2018). 2018年8月28日閲覧
- ^ “名牝ビホルダーの娘タマラ、米G1デルマーデビュタントSを圧勝 | JRA-VAN World - 海外競馬情報サイト”. JRA-VAN Ver.World - 海外競馬. 2023年9月14日閲覧。
- ^ Horse Profile for Into Mischief | Equibase is Your Official Source for Thoroughbred Racing Information. 2018年8月28日閲覧
- ^ Horse Profile for Mendelssohn | Equibase is Your Official Source for Thoroughbred Racing Information. 2018年8月28日閲覧
外部リンク
[編集]- 競走馬成績と情報 netkeiba、JBISサーチ、Racing Post