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ファビラスラフイン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ファビラスラフイン
欧字表記 Fabulous la Fouine[1]
品種 サラブレッド[1]
性別 [1]
毛色 芦毛[1]
生誕 1993年4月13日[1]
死没 2013年5月11日(20歳没)[2]
Fabulous Dancer[1]
Mercalle [1]
母の父 Kaldoun[1]
生国 フランスの旗 フランス[1]
生産者 Raymond Le Poder [1]
馬主 吉田和子[1]
調教師 長浜博之栗東[1]
競走成績
タイトル JRA賞最優秀4歳牝馬(1996年)[1]
生涯成績 7戦4勝[1]
獲得賞金 2億2610万円[1]
IC 120L(1996年)[3]
勝ち鞍
GI 秋華賞 1996年
GII ニュージーランドT4歳S 1996年
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ファビラスラフイン (Fabulous la Fouine)[1]とはフランス生産・日本調教の競走馬繁殖牝馬。主な勝ち鞍に1996年秋華賞ニュージーランドトロフィー4歳ステークス

幼駒時代

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フランス・ドーヴィルのセリで吉田照哉が約1000万円で落札した。吉田は本当はファビラスラフインの母であるメルカルが欲しかったという。3歳5月までフランスの厩舎で育成された[4]

競走馬時代

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  • 特記事項なき場合、本節の出典はJBISサーチ[5]

1996年2月24日、阪神競馬場での4歳新馬戦でデビューし、1着。2戦目さわらび賞も2着ナリタプロテクターに5馬身差をつけて制して東上し、重賞初出走のニュージーランドトロフィー4歳ステークスでもエイシンガイモンに1馬身4分の3差つけて逃げ切り勝ちをおさめた[6]。3戦無敗のまま第1回NHKマイルカップに1番人気で臨むも、バンブーピノの作り出した前半1000メートルが56秒7という超ハイペースにつきあった挙句、14着に終わった[6]

秋を迎え、第1回となる秋華賞に直接出走。松永幹夫に乗り替わり[注釈 1]、5番人気の支持も、「ファンがNHKマイルカップの負け方やそれ以来のレースに疑問を持ったゆえの評価」という見解があった[6]。レースはシルクスプレンダーとマークリマニッシュの逃げの背後につき、直線でマークリマニッシュを交わした後は後続を引き離し、追い込んできたエリモシックを1馬身半差下して1分58秒1の、当時の京都競馬場芝内回り2000メートルのコースレコードにコンマ1秒迫るタイムで、初代の秋華賞優勝馬となった[6]。次走はジャパンカップに向かい、7番人気で迎えたレースでは先行策から最後の直線でカネツクロスを交わして先頭、ストラテジックチョイスと競った刹那に間を割ったシングスピールとの接戦になり、ゴールまでもつれ込んだ末にハナ差の2着[8]。この接戦は「死闘」とも表現された[8]。12月の有馬記念は10着に終わったが、1996年度のJRA賞最優秀4歳牝馬に選出された。

1997年は大阪杯に出走後、香港のクイーンエリザベス2世カップに遠征の予定であったが、1月23日の調教中に右後肢を骨折、全治3か月と診断された。幸い症状は軽く、9月初旬に帰厩しエリザベス女王杯を目標にしたが、左前脚の屈腱炎を発症したため、10月に引退した[9][10]

競走成績

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以下の内容は、JBISサーチ[5]、netkeiba.com[11]に基づく。

競走日 競馬場 競走名 距離(馬場)


オッズ
(人気)
着順 タイム
(上り3F)
着差 騎手 斤量
[kg]
1着馬(2着馬) 馬体重
[kg]
1996.02.24 阪神 4歳新馬 ダ1200m(良) 16 5 10 04.6(3人) 01着 01:12.7 (36.8) -1.2 藤田伸二 53 (ヒカリルーメン) 458
0000.03.16 阪神 さわらび賞 500 芝1600m(良) 16 7 14 02.0(1人) 01着 01.34.3 (34.9) -0.8 藤田伸二 53 (ナリタプロテクター) 456
0000.04.20 東京 NZT4歳S GII 芝1400m(重) 17 1 2 03.0(1人) 01着 01:22.4 (35.7) -0.3 藤田伸二 54 (エイシンガイモン) 446
0000.05.12 東京 NHKマイルC GI 芝1600m(良) 18 8 16 02.3(1人) 14着 01:34.7 (37.8) -2.1 藤田伸二 55 タイキフォーチュン 450
0000.10.20 京都 秋華賞 GI 芝2000m(良) 18 7 15 18.8(5人) 01着 01:58.1(35.9) -0.2 松永幹夫 55 (エリモシック) 458
0000.11.24 東京 ジャパンカップ GI 芝2400m(良) 15 2 4 17.1(7人) 02着 02:23.8 (36.0) -0.0 松永幹夫 53 シングスピール 450
0000.12.22 中山 有馬記念 GI 芝2500m(良) 14 6 10 09.4(4人) 10着 02:36.1 (38.9) -2.3 松永幹夫 53 サクラローレル 444

引退後

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引退後は社台ファーム繁殖牝馬となり、2013年5月11日に死亡した[2]。9番仔ギュスターヴクライ2012年阪神大賞典を制したほか、10番仔ファビラスタイムの仔であるランリョウオーが2022年東京記念など地方重賞5勝[12][13]、12番仔エスプリドパリの仔であるヒロシクンが2024年の青藍賞みちのく大賞典を制しており、直仔と孫世代で重賞勝ち馬を送り出している。

産駒一覧

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生年 馬名 毛色 馬主 管理調教師 戦績 主な勝利競走 供用 出典
初仔 1999年 ファビラスキャット 芦毛 サンデーサイレンス (有)社台レースホース 栗東・長浜博之 13戦1勝 (繁殖牝馬) [14]
2番仔 2000年 シュペリユール 鹿毛 33戦5勝 (繁殖牝馬) [15]
3番仔 2001年 ラフィンムード 黒鹿毛 エルコンドルパサー 4戦0勝 (繁殖牝馬) [16]
4番仔 2002年 ラブリネスオブパリ 芦毛 サンデーサイレンス 吉田和子 美浦加藤征弘 16戦3勝 (繁殖牝馬) [17]
5番仔 2003年 ラフィントレイル エルコンドルパサー 美浦・奥平雅士 5戦0勝 (繁殖牝馬) [18]
6番仔 2004年 アグレアブル アグネスタキオン (有)社台レースホース 美浦・萩原清 1戦1勝 [19]
7番仔 2005年 ファビラスボーイ ジャングルポケット 中村昭博
→北海道物産研究所(株)
→豊原純弥
→竹内鉄夫
美浦・堀井雅広
→栗東・松永幹夫
北海道・田中淳司
名古屋・今津博之
高知・別府真司
24戦3勝(うち地方所属7戦0勝) [20]
8番仔 2007年 ミッドタウンレディ 黒鹿毛 ゼンノロブロイ 吉田和子 栗東・長浜博之 21戦3勝 (繁殖牝馬) [21]
9番仔 2008年 ギュスターヴクライ ハーツクライ (有)社台レースホース 栗東・荒川義之 19戦5勝 2012年阪神大賞典 [22]
10番仔 2009年 ファビラスタイム 鹿毛 シンボリクリスエス 吉田和子 栗東・長浜博之
西脇田中道夫
7戦2勝(うち地方所属2戦2勝) (繁殖牝馬) [23]
11番仔 2011年 ラフィンテール 芦毛 ネオユニヴァース 美浦・伊藤正徳 8戦1勝 [24]
12番仔 2012年 エスプリドパリ ハーツクライ 栗東・吉村圭司 4戦0勝 (繁殖牝馬) [25]

血統表

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ファビラスラフイン (Fabulous la Fouine)血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 ノーザンダンサー系
[§ 2]

Fabulous Dancer
1976 鹿毛
父の父
Northern Dancer
1961 鹿毛
Nearctic Nearco
Lady Angela
Natalma Native Dancer
Almahmoud
父の母
Last of the Line
1967 青鹿毛
The Axe Mahmoud
Blackball
Bryonia Honeyway
Belladonna

Mercalle
1986 芦毛
Kaldoun
1975 芦毛
Caro *フォルティノ
Chambord
Katana Le Haar
Embellie
母の母
Eole Des Mers
1975 黒鹿毛
Carvin *マリーノ
Coraline
Deesse Des Mers Neptune
Brise de Mer
母系(F-No.) (FN:3-e) [§ 3]
5代内の近親交配 Mahmoud 5 × 4 = 9.38%(父内) [§ 4]
出典
  1. ^ [26][27]
  2. ^ [27]
  3. ^ [26][27]
  4. ^ [26][27]


脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ 藤田伸二ロゼカラーに騎乗するため[7]

出典

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p ファビラスラフイン(FR)”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年8月20日閲覧。
  2. ^ a b ファビラスラフイン”. 競走馬のふるさと案内所 馬・牧場・施設検索. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2021年7月29日閲覧。
  3. ^ 優駿』、日本中央競馬会、1997年2月、23頁。 
  4. ^ 『優駿』2010年12月号 155頁
  5. ^ a b ファビラスラフイン 競走成績”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年8月20日閲覧。
  6. ^ a b c d 第1回優勝馬 驚異のスピード 1996 ファビラスラフイン”. 秋華賞 歴代優勝馬ピックアップ. JRA-VAN. 2021年7月29日閲覧。
  7. ^ 『優駿』2010年12月号 159頁
  8. ^ a b シングスピール 国際的な超一流馬への第一歩[1996年]”. ジャパンカップ 歴代優勝馬ピックアップ. JRA-VAN. 2021年7月29日閲覧。
  9. ^ 『優駿』2010年12月号 161頁
  10. ^ 1996年10月20日第1回秋華賞”. 日刊競馬で振り返るGI. 日刊競馬新聞社. 2021年7月29日閲覧。
  11. ^ ファビラスラフインの競走成績”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2019年8月20日閲覧。
  12. ^ ランリョウオー”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2021年7月29日閲覧。
  13. ^ 【大井・雲取賞結果】ランリョウオーが人気に応えて重賞初V”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2021年2月18日). 2021年7月29日閲覧。
  14. ^ ファビラスキャット”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2021年7月29日閲覧。
  15. ^ シュペリユール”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2021年7月29日閲覧。
  16. ^ ラフィンムード”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2021年7月29日閲覧。
  17. ^ ラブリネスオブパリ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2021年7月29日閲覧。
  18. ^ ラフィントレイル”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2021年7月29日閲覧。
  19. ^ アグレアブル”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2021年7月29日閲覧。
  20. ^ ファビラスボーイ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2021年7月29日閲覧。
  21. ^ ミッドタウンレディ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2021年7月14日閲覧。
  22. ^ スマートコランダム”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2021年7月29日閲覧。
  23. ^ ファビラスタイム”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2021年7月29日閲覧。
  24. ^ ラフィンテール”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2021年7月29日閲覧。
  25. ^ エスプリドパリ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2021年7月29日閲覧。
  26. ^ a b c ファビラスラフイン(FR) 血統情報:5代血統表”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2021年7月29日閲覧。
  27. ^ a b c d ファビラスラフインの5代血統表”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2021年7月29日閲覧。

参考文献

[編集]
  • 優駿』2010年12月号 河村清明「新時代を駆け抜けた“天才少女”ファビラスラフイン」

外部リンク

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