国鉄タキ46000形貨車
国鉄タキ46000形貨車 | |
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タキ46000形、コタキ46045 1995年5月4日、安治川口駅 | |
基本情報 | |
車種 | タンク車 |
運用者 |
日本国有鉄道 日本貨物鉄道(JR貨物) |
所有者 | 日本陸運産業、日本石油輸送、同和鉱業、秋田製錬 |
種車 | タキ45000形 |
改造所 | 富士重工業、日本車輌製造 |
改造年 | 1985年(昭和60年) - 1989年(平成元年) |
改造数 | 71両 |
消滅 | 2009年(平成21年) |
常備駅 | 神栖駅、秋田北港駅他 |
主要諸元 | |
車体色 | 黒 |
専用種別 | 濃硫酸 |
化成品分類番号 | 侵(禁水)84 |
軌間 | 1,067 mm |
全長 | 11,300 mm |
全幅 | 2,485 mm |
全高 | 3,700 mm |
タンク材質 | 耐候性高張力鋼 |
荷重 | 38 t |
実容積 | 20.6 m3 |
自重 | 14.1 t |
換算両数 積車 | 5.0 |
換算両数 空車 | 1.4 |
台車 | TR41DS-13,TR41E-13 |
車輪径 | 860 mm |
軸距 | 1,650 mm |
台車中心間距離 | 7,500 mm |
最高速度 | 75 km/h |
国鉄タキ46000形貨車(こくてつタキ46000がたかしゃ)は、1985年(昭和60年)からタキ45000形の改造名義で製作された、濃硫酸専用の 38 t 積 貨車(タンク車)である。
私有貨車として製作され、日本国有鉄道(国鉄)に車籍編入された。1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化後は、日本貨物鉄道(JR貨物)に車籍が承継された。
概要
[編集]1985年、濃硫酸専用タンク車の増備が計画されたが、当時の国鉄は財政難の時期であり、それまで製作されたタキ29300形は完全新造車であり、製作コストがかかっていた。一方、当時は1979年(昭和54年)の第2次オイルショックによる原油高騰以降、重油の輸送需要減少で石油類(除ガソリン)専用車が余剰となっており、タキ1500形やタキ45000形から他用途向けに改造する動きがあった。そこで、余剰となった石油類(除ガソリン)専用車から濃硫酸専用車への改造が計画され、車長が短いタキ45000形の台枠以下を流用し、新製したタンク体を組み合わせて製作された。そのため、自重が増加し、荷重はタキ29300形と比べて1 t 減少している。
本形式は国鉄時代に54両(コタキ46000 - コタキ46053)が富士重工業および日本車輌製造にて改造製作され、1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化に際しては54両全車がJR貨物に継承された。1989年(平成元年)12月には17両(コタキ46054 - コタキ46070)が富士重工業にて改造製作された。その後の増備は完全新造車であるタキ29300形の製作が再開されたため、本形式の製作は中止となった。
記号番号表記は特殊標記符号「コ」(全長 12 m 以下)を前置し「コタキ」と標記する。
化成品分類番号は「侵(禁水)84」(侵食性の物質、水と反応する物質、腐食性物質、禁水指定のもの)が標記された。
落成時の所有者は、日本陸運産業、日本石油輸送、同和鉱業の3社であった。1986年(昭和61年)1月11日に日本陸運産業所有車24両(コタキ46020 - コタキ46043)が秋田製錬に名義変更された。
タンク体は耐候性高張力鋼製で、荷役方式は上入れ・上出し式。マンホールから積み込み、液出し管と空気管を用いた空気加圧により、荷卸しを行う。
塗色は黒、寸法関係は全長は11,300mm、全幅は2,485mm、全高は3,700mm、台車中心間距離は7,500mm、実容積は20.6m3、自重は14.1t、換算両数は積車5.0、空車1.4であり、台車は重量増に対応するために改造しており、TR41DS-12を改造したTR41DS-13もしくはTR41E-12を改造したTR41E-13である。
ブレーキ装置は両側側ブレーキと積空ブレーキである。
廃車は1997年(平成9年)から開始され、その後も鉄道による硫酸輸送の減少により廃車が進み、2009年(平成21年)度に最後まで在籍した5両が廃車となり同時に形式消滅となった。
参考文献
[編集]- 鉄道公報
- 吉岡心平 『プロフェッサー吉岡の私有貨車図鑑(復刻増補)』 2008年、ネコ・パブリッシング刊 ISBN 978-4-7770-0583-3
- 『日本の貨車-技術発達史-』(貨車技術発達史編纂委員会編著、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊、2008年)