国際機関
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(国際機構から転送)
国際機関(こくさいきかん、英語: international organization, international institution, international agency[注 1])とは、複数の国にまたがって存在し、国際的に活動する組織である。
国際組織、国際機構[注 2]とも訳される。国際的なアジェンダを設定し、政治交渉を仲介し、政治的イニシアチブの場を提供し、連合形成の触媒として行動することを役割としている。また、際立った問題を定義し、どの問題をまとめてグループ化するかを決定することで、政府の優先順位の決定やその他の政府の取り決めに役立てている。
歴史
[編集]世界で最初の政府間組織は、1865年に設立された国際電気通信連合(前身は万国電信連合)と言われており、後の国際連盟や国際連合などの後の組織のモデルとなった。それ以前には、1815年のウィーン会議により発足したライン川航行中央委員会(Central Commission for Navigation on the Rhine)などの地域的な政府間組織もいくつか存在した。
分類
[編集]「国際機関」としては次の2つの種類に分類される。
- 政府間組織 (IGO; intergovernmental organization)
- 主権国家によって構成されている組織。政府間組織のみを指して「国際機関」と呼ぶことも多い。条約によって設立されている組織であり、この種類の国際機関の例として、国際連合 (UN)、欧州安全保障協力機構 (OSCE)、欧州評議会 (CoE)、国際労働機関 (ILO)、国際刑事警察機構 (INTERPOL)、国際農業研究協議グループ (CGIAR) がある。
- 国際非政府組織 (INGO; international nongovernmental organization)
- 主に民間が主体となって構成されている組織。非政府組織 (NGO)。この種類の国際機関には、赤十字国際委員会、国境なき医師団、国際オリンピック委員会などが含まれる。
政府間組織
[編集]世界規模の組織
[編集]- 国際連合(UN)とその関連組織
- →詳細は「国際連合機関」を参照
- 国際連合以外の国際機関
- 小島嶼国連合(AOSIS)
- 博覧会国際事務局(BIE)
- 国際度量衡局(BIPM)
- 国際決済銀行(BIS)
- ハーグ国際私法会議(HCCH)
- サバイバル・インターナショナル(SIHO)
- 国際刑事警察機構(ICPO)
- 国際農業開発基金(IFAD)
- 国際水路機関(IHO)
- 国際冷凍協会(IIR)
- 国際移動通信衛星機構(IMSO)
- インタースプートニク(Intersputnik、Интерспутник)
- 国際科学会議 (ICSU)
- 国際科学技術センター(ISTC)
- 国際電気通信衛星機構(ITSO)
- 国際捕鯨委員会(IWC)
- 経済協力開発機構(OECD)
- 国際エネルギー機関(IEA)
- 経済協力開発機構原子力機関(NEA)
- イスラム諸国会議機構(OIC)
- 国際獣疫事務局(OIE)
- 国際法定計量機関(OIML)
- 葡萄・ワイン国際機構(OIV)
- 常設仲裁裁判所(PCA)
- 植物新品種保護国際同盟(UPOV)
- 世界税関機構(WCO)
- 一次産品共通基金(CFC)
- 国際コーヒー機関(ICO)
- 国際オリーブ協会(IOC)
- 国際出版連合(IPA)
地域間組織
[編集]- 欧州・北米
- 米州
- アフリカ
- アフリカ連合(AU)
- アラブ・マグレブ連合(AMU)
- アフリカ地域工業所有権機構(ARIPO)
- 西アフリカ諸国中央銀行(BCEAO)
- 中部アフリカ諸国中央銀行(BEAC)
- アフリカ知的所有権機関(OAPI)
- 南部アフリカ開発共同体(SADC)
- アジア(南アジア・東南アジア・東アジア・太平洋地域)
- アジア開発銀行(ADB)
- アジア生産性機構(APO)
- アジア太平洋経済協力(APEC)
- アジア・太平洋電気通信共同体(APT)
- アジア・太平洋電気通信標準化機関(ASTAP)
- 東南アジア諸国連合(ASEAN)
- 東アジア・ASEAN経済研究センター(ERIA)
- 朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)
- 太平洋諸島フォーラム(PIF)
- 太平洋共同体(SPC)
- その他(2つ以上の地域にまたがるものなど)
- アジア欧州会合(ASEM)
- アジア・アフリカ法律諮問機関 (AALCO)
- ユーラシア特許庁(EAPO、ЕАПО)
非政府組織
[編集]→詳細は「非政府組織」を参照
- 赤十字国際委員会(CICR)
- 国際オリンピック委員会 (IOC)
- 国境なき医師団(MSF)
- ヨーロッパ学生連盟(ESU)
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 英語においては、international organization, international institution, international agencyなどの表現が用いられるが、意味の違いはない。[2]
- ^ 佐藤は『国際組織法』中で「国際組織」と「国際機構」を同義として用いており、条約の公定訳や公式文書では、「国際機関」の用語が用いられるとしている。[2]