コンテンツにスキップ

大村千吉

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
おおむら せんきち
大村 千吉
本名 大村 撰吉
別名義 大村 仙吉
生年月日 (1922-04-27) 1922年4月27日
没年月日 (1991-11-24) 1991年11月24日(69歳没)
出生地 日本の旗 日本 東京府東京市深川区(現在の東京都江東区
ジャンル 俳優
活動期間 1933年1991年
活動内容
配偶者 あり
著名な家族
主な作品
テンプレートを表示

大村 千吉おおむら せんきち[1][2]1922年大正11年〉4月27日[3][1][4][5][6][7] - 1991年平成3年〉11月24日[7])は、日本俳優。本名は大村撰吉(読み同じ)[3][5][6]。旧芸名は大村仙吉。

東京市東京都)出身[3]エヌ・エー・シーに所属していた[3]

来歴

[編集]

1922年4月27日、東京市深川[1][4]寄席の芸人であり俳優の東家梅之助の息子として生まれる[5][6]。深川明治尋常高等小学校卒業[5][6]

1933年公開の映画『少年忠臣蔵』に子役で出演。これが映画デビュー作である。

1934年P.C.L.(現在の東宝)に入社[5][6]。同年公開の映画『あるぷす大将』にて主演。本名と同じ音の芸名「千吉」はこの『あるぷす大将』の出演時に監督山本嘉次郎につけられたもので、『少年忠臣蔵』時には本名のままであった。1939年にP.C.L.から金語楼劇団に移籍し、舞台俳優として活動[4]

1943年2月に応召を受け[4][注釈 1]北京で終戦を迎える[6]1945年12月に復員[4][6]1948年公開作『酔いどれ天使』が復帰作[4]

その後も1950年代半ばから1960年代半ばまでは年に数本のペースで映画に出演。1967年に東宝を退社してフリーとなる[5]映画産業が斜陽化した1970年代に入ると特撮時代劇刑事ドラマなどテレビ作品に活躍の場を移した。

インパクトの強い役どころを多数演じており、特撮映画では冒頭で事件に巻き込まれる役も多い[2]

1991年11月24日死去。69歳没。

人物

[編集]

父親は俳優の東家梅之助[5][6]。1947年に結婚[6]。一男一女の父親で、長男も同じく俳優の大村一郎[6]

趣味は乗馬[3]、室内スポーツ全般を好んでおり、剣道初段[4]


出演作品

[編集]

映画

[編集]

テレビドラマ

[編集]
  • 有馬稲子アワー 喪われた街(1965年、CX
  • ウルトラシリーズTBS / 円谷プロ
    • ウルトラQ 第1話「ゴメスを倒せ!」(1966年) - アル中の東海弾丸道路工事作業員[注釈 4]
    • ウルトラマン 第29話「地底への挑戦」(1967年) - 山本(大田山坑夫)
    • ウルトラセブン
      • 第2話「緑の恐怖」(1967年) - 酔っ払いサラリーマン
      • 第41話「水中からの挑戦」(1968年) - 釣り人
    • 帰ってきたウルトラマン 第24話「戦慄! マンション怪獣誕生」(1971年) - マンションの管理人
    • ウルトラマンA
      • 第12話「サボテン地獄の赤い花」(1972年) - 大山(用務員)
      • 第40話「パンダを返して!」(1973年) - 黒マントの男(スチール星人)
  • 青春とはなんだ 第27話「逃げた連休」(1966年、NTV / 東宝) - トラック運転手
  • 快獣ブースカ(1967年、NTV / 東宝 / 円谷プロ)
    • 第9話「ブースカの大冒険」 - 海賊姿のダイナマイト泥棒
    • 第30話「スピード銃に気をつけろ」 - 用務員のおじさん
  • 七人の刑事 第301話、第302話「冷たい粉の追跡(前編、後編)」(1967年、TBS)
  • 特別機動捜査隊NET / 東映
    • 第305話「富士山頂」(1967年) - 馬方
    • 第363話「初恋の湖」(1968年) - ラーメン屋
    • 第416話「秋風のブルース」(1969年) - 鈴木
  • 桃太郎侍 第3話「秘めたる過去」(1967年、NTV / 三船プロ
  • 戦え! マイティジャック 第17話「逃げたぞ それ行け つかまえろ!!」(1968年、CX / 円谷プロ) - 悪党(Q工作員)
  • コメットさん 第49話「空へ飛んだ自動車」(1968年、TBS / 国際放映) - クズ鉄屋
  • 怪奇大作戦 第24話「狂鬼人間」(1969年、TBS / 円谷プロ) - 日本刀の狂人[注釈 5]
  • 女殺し屋 花笠お竜 第5話「盗人は子守歌が好き」(1969年、12ch / 国際放映)
  • 東京バイパス指令(NTV / 東宝)
    • 第17話「奴を殺(ば)らせ」(1969年)
    • 第21話「イヌは誰だ」(1969年)
    • 第28話「街の野獣」(1969年)
    • 第61話「ギャンブル往来」(1970年)
  • 鬼平犯科帳(松本幸四郎版) 第1シリーズ (1969年、NET/東宝)
    • 第2話「四度目の女房」(1969年)- 松(大工)
    • 第18話「市松小僧始末」(1970年)- 仙之助
  • 独身のスキャット 第4話(1970年、TBS / 円谷プロ)
  • チビラくん 第70話「燃えてしまったお爺さん」(1971年、NTV / 円谷プロ) - お爺さん
  • 天皇の世紀 第6話「異国」(1971年、ABC / 国際放映)
  • 一心太助(1971年、CX)
  • 荒野の素浪人(NET / 三船プロ
  • シルバー仮面 第15話「怪奇宇宙菩薩」(1972年、TBS / 宣弘社) - 村人
  • 快傑ライオン丸 第4話「ムササビアン爆破作戦」(1972年、CX / ピープロ) - 果心居士の弟子・久兵衛
  • 飛び出せ!青春 第13話「さらば高校五年生!」(1972年、NTV / 東宝)
  • ミラーマン 第39話「怪奇大怪獣 -サンガーニ登場- 」(1972年、CX / 円谷プロ) - 田舎の警官
  • パパと呼ばないで(1972年 / NTV) - 寿司屋の主人
  • 太陽にほえろ!(NTV / 東宝)
    • 第12話「彼は立派な刑事だった」(1972年) - おでん屋台の主人
    • 第55話「どぶねずみ」(1973年) - おでん屋台の主人
    • 第62話「プロフェッショナル」(1973年) - 靴磨きの六(情報屋)
    • 第112話「テキサス刑事登場」(1974年) - 情報屋
    • 第142話「真実はどこに?」(1975年) - 甘栗屋
    • 第196話「言葉の波紋」(1976年) - 食い逃げ犯
    • 第212話「情報」(1976年) - 老紳士風の情報屋
    • 第257話「山男」(1977年) - おでん屋台の主人
    • 第295話「二つの顔の男」(1978年) - 高架下のおじさん
    • 第359話「ジョギングコース」(1979年) - 八百屋
    • 第405話「時効」(1980年) - 若山のとっつぁん
  • 泣くな青春 第11話「父と子の接点」(1972年、CX / 東宝)
  • 怪談 第7回「地獄へつづく甲州路」(1972年、MBS) - 村人
  • ファイヤーマン(1973年、NTV / 円谷プロ)
    • 第13話「竜神沼の恐怖」 - 老警官
    • 第22話「来たぞ!! 変身宇宙人」 - プリマ星人のボス
  • 流星人間ゾーン 第8話「倒せ! 恐怖のインベーダー」(1973年、NTV / 東宝) - 釣り人
  • 水滸伝 第2話「蒼州の熱風」(1973年、NTV / 国際放映) - 秦
  • 雑居時代 第14話「失礼しました!」(1974年、NTV / ユニオン映画) - ガス集金係
  • 大江戸捜査網(12ch / 三船プロ)
    • 第128話「裏切りの報酬」(1974年) - 東海屋の番頭
    • 第193話「命預けた怨み節」(1975年)
    • 第234話「美女群盗伝」(1976年) - 女郎屋の客
    • 第504話「盗賊 紅蜘蛛の女」(1981年)
    • 第521話「にせ小判一万両」(1981年)
  • 傷だらけの天使 第6話「草原に黒い十字架を」(1974年、NTV / 東宝) - 警備員
  • プレイガールQ 第12話「女の敵は女」(1974年、12ch / 東映) - 人事課長
  • 非情のライセンス 第2シリーズ(NET / 東映)
    • 第21話「兇悪の白い花」(1975年) - アパート管理人
    • 第61話「兇悪の美女」(1975年) - 着流しの男
    • 第116話「狂宴」(1977年) - アパート管理人
  • 俺たちの勲章 第18話「狂乱のロック」(1975年、NTV / 東宝) - 貯木場の男
  • 剣と風と子守唄 第27話「栄光への父娘旅」(1975年、NTV / 三船プロ) - 義助
  • 新宿警察 第1話「新宿24時」(1975年、CX / 東映) - スリ
  • 破れ傘刀舟 悪人狩り 第64話「悪徳の勲章」(1975年、NET / 三船プロ)
  • 七捕物帳 第82話「恋のいろはを教えます」(1975年、NTV / ユニオン映画) - 酒屋の親父
  • 隠し目付参上(1976年、MBS / 三船プロ)
    • 第1話「天にのぼったか地にもぐったか」
    • 第8話「穴のむこうは極楽か」 - 勘助
  • 俺たちの旅 第30話「ふられ男が旅に出ました」(1976年、NTV / ユニオン映画) - 浜田(ワカメ)のおじ
  • 伝七捕物帳 第117話「紫房の十手が許さねえ!」- 床兼
  • 子連れ狼 第3部 第5話「母なる味」(1976年、NTV / ユニオン映画) - 人買
  • 人魚亭異聞 無法街の素浪人(1976年、NET / 三船プロ)
    • 第2話「霧の夜 蝶は死ぬ」 - 支那料理屋の親爺
    • 第18話「港に散った紅い花」 - 酔客
  • いろはの"い" 第11話「あて逃げ」(1976年、NTV / 東宝) - 警官
  • 火曜日のあいつ 第18話「幽霊街道に見た!トラックが運んだ父の愛」(1976年、TBS・東宝)-トラック運転手
  • 江戸特捜指令 第6話「慄然! 村が全滅」(1976年、MBS / 三船プロ)
  • Gメン'75 第90話「スキー場首吊り殺人事件」(1977年、TBS / 東映)
  • ロボット110番 第5話「奇蹟をよぶ借金とり」(1977年、NET / 東映) - 肉屋
  • 華麗なる刑事(1977年、CX / 東宝)
  • 特捜最前線ANB / 東映)
    • 第7話「愛の刑事魂」(1977年)
    • 第80話「新宿ナイト・イン・フィーバー」(1978年)
    • 第238話「刑事無情・あいつが愛した悪い女!」(1981年)
  • 達磨大助事件帳(1978年、ANB / 前進座 / 国際放映)
    • 第12話「からくり花泥棒」 - 木戸番
    • 第26話「夕陽の渡り鳥」
  • 西遊記(1978年、NTV / 国際放映)
    • 第5話「反抗期の妖怪」 - 土地神
    • 第12話「御三家妖怪追放作戦」
  • 若さま侍捕物帳 第7話「参上!! 悪魔の使者」(1978年、ANB / 前進座 / 国際放映)
  • 江戸の渦潮 第19話「仇討ちと別れ道」(1978年、CX / 東宝) - 瓦版売り
  • 大空港 第34話「復讐の大追撃! TOKYOコネクション1979」(1979年、CX / 松竹) - 金谷(麻薬中毒の大量殺人犯)
  • 江戸の牙 第20話「悲愁 錦絵の女たち」(1979年、ANB / 三船プロ)
  • 俺はあばれはっちゃく 第9話「けとばせ過保護㋪作戦」(1979年、ANB / 国際放映) - 屋台の主人
  • 猿飛佐助 第8話「母君救出作戦 八丁跳び」(1980年、NTV / 国際放映) - 村人
  • 旅がらす事件帖 第20話「激突! 恐怖の阿修羅太鼓」(1981年、KTV / 国際放映) - 又平
  • おてんば宇宙人 第9話「注文の多い居そうろう」(1981年、NTV / 国際放映)
  • 西部警察 第108話「時効成立9分前」(1981年、ANB / 石原プロ) - ドヤ街の親爺
  • 同心暁蘭之介 第42話「忍びの女」(1982年、CX / 杉友プロ
  • 外科医 城戸修平 第12話「アラシを呼ぶ男」(1983年、TBS / 木下プロ
  • 新ハングマン 第26話「女体を人体実験する悪魔の病院長」(1984年、ABC / 松竹) - 赤木良二
  • 暴れ九庵 第18話「野望」(1985年、KTV / 東宝)
  • 月曜ドラマランド(CX)
  • 金田一耕助の傑作推理 / 殺人鬼(1988年、TBS / 東阪企画
  • 木曜スペシャル / Mr.マリック超魔術V 「うろこのない魚」(1990年、NTV)

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ 1942年と記載している資料もある[5][6]
  2. ^ ノンクレジット。
  3. ^ 出演シーンカット。
  4. ^ 千吉と誤クレジット。
  5. ^ 欠番作品。怪奇大作戦#第24話『狂鬼人間』の欠番に関するエピソード参照。

出典

[編集]
  1. ^ a b c d e 東宝特撮映画全史 1983, p. 528, 「怪獣・SF映画俳優名鑑」
  2. ^ a b ゴジラ大百科 1993, p. 116, 構成・文 岩田雅幸「決定保存版 怪獣映画の名優名鑑」
  3. ^ a b c d e 日本タレント名鑑'82』VIPタイムズ社、1981年、46頁。 
  4. ^ a b c d e f g 「與太者トリオ復活の裏話」『新映画』5月号、映画出版社、1950年5月、34 - 35頁。 
  5. ^ a b c d e f g h 『新撰 芸能人物事典―明治~平成』日外アソシエーツ、2010年11月1日、109頁。ISBN 978-4816922831 
  6. ^ a b c d e f g h i j k 『日本映画人名事典 男優篇 (上巻)』キネマ旬報社、301 - 302頁。ISBN 978-4873761886 
  7. ^ a b c d e f 野村宏平、冬門稔弐「4月27日」『ゴジラ365日』洋泉社映画秘宝COLLECTION〉、2016年11月23日、115頁。ISBN 978-4-8003-1074-3 
  8. ^ a b c d e f g h i 東宝特撮映画全史 1983, pp. 535–537, 「主要特撮作品配役リスト」
  9. ^ 東宝特撮映画大全集 2012, p. 25, 「『地球防衛軍』作品解説/俳優名鑑」

参考文献

[編集]

外部リンク

[編集]