幸せな結末
「幸せな結末」 | ||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
大滝詠一 の シングル | ||||||||||||||||
初出アルバム『Best Always』 | ||||||||||||||||
B面 | Happy Endで始めよう | |||||||||||||||
リリース | ||||||||||||||||
規格 | ||||||||||||||||
ジャンル | ポップス | |||||||||||||||
時間 | ||||||||||||||||
レーベル | NIAGARA ⁄ Sony Records | |||||||||||||||
作詞 | 多幸福 | |||||||||||||||
作曲 | 大瀧詠一 | |||||||||||||||
プロデュース | 大瀧詠一 | |||||||||||||||
ゴールドディスク | ||||||||||||||||
チャート最高順位 | ||||||||||||||||
| ||||||||||||||||
大滝詠一 シングル 年表 | ||||||||||||||||
| ||||||||||||||||
| ||||||||||||||||
EANコード | ||||||||||||||||
EAN 4988009450018 |
「幸せな結末」(しあわせなけつまつ)は、大滝詠一の通算14枚目のシングル。1997年11月12日にSony Records(現:ソニー・ミュージックレーベルズ)から発売された。
解説
[編集]前作「フィヨルドの少女 / バチェラー・ガール」(1985年 )以来12年ぶりのシングル。フジテレビ系月9ドラマ『ラブジェネレーション』主題歌として制作され、カップリングの「Happy Endで始めよう」も同ドラマの挿入歌として使用された。
タイトルや自身のアルバム『大瀧詠一』のジャケットをそのまま使用するなど、セルフパロディ的な作品で、ジャケットを元にしたPVが制作された。自身のアルバム『大瀧詠一』のジャケットをそのまま使用した事によりアルバム『大瀧詠一』の再発売時にアルバム『大瀧詠一』を知らない若い世代が大滝のベスト・アルバムだと勘違いしたエピソードがある。
大滝は1980年代半ばから熱狂的なファンであるフジテレビのプロデューサー(当時)、亀山千広からドラマ主題歌のオファーを何度も受けた。亀山は「ロングバケーション的な曲」を望んでおり、作詞の松本隆と共同作業で作った世界観を一人で作ることは無理と考え、「近鉄が優勝したら」「近鉄が連覇したら」等の適当な理由をつけて、すべてやんわりと断った。
大滝は1994年ロングバケーション』に借用する[注釈 2]。
から1995年 までの頃にようやくオファーを受諾したが、作曲が難航。1996年 頃に亀山は待ちきれなくなり、大滝へ正式に使用許可を願い出て、大滝のアルバム・タイトルを当時制作していたドラマ『ドラマ主題歌の話は一時期流れかけるが、翌年の『ラブジェネレーション』制作時に曲が完成し、大滝がドラマ主題歌を担当することとなった。『ロングバケーション』で監督を務めた永山耕三が参加、木村拓哉が主演、松たか子の事務所の社長がナイアガラ・レコードの元スタッフだったことなど不思議な縁があったという。
この時期に旧友の上原裕が復帰するなど、歌手活動再開に条件が整った。大滝は「幸せな結末」の録音開始数か月前にスタジオへ入り、12年間離れていたスタジオで勘を取り戻すため、通称“ナイアガラ・リハビリ・セッション”と呼ばれるセッションを行った。
作詞を担当した多幸福は、大滝・亀山・永山の共同ペンネームで、永山が提示する作品の世界観に沿う歌詞が作られた。「幸せな結末」の歌い出しである“髪をほどいた 君のしぐさが 泣いているようで胸が騒ぐよ”の一節は、レコーディング時に永山から呼び出された脚本家の坂元裕二が手伝った[3]。
2023年7月7日の「短冊CDの日」に合わせて「幸せな結末」と「Happy Endで始めよう」のカラオケを追加収録して26年振りに8cmCDで再発売された[4]。
アートワーク
[編集]本作は大滝作品では唯一8cmCDで発売されたシングル。レーベルは初のブルー・レーベル仕様で、『A LONG VACATION』の広告カードが封入された。
チャート成績
[編集]ドラマの記録的ヒットもあり、オリコンチャートで初登場から2週連続で2位となり、最終的に97.0万枚を売り上げる大ヒットとなった。オリコンの集計によれば、大滝のシングルのうち最大の売上枚数を記録している作品である[5]。それまでの最高順位は「フィヨルドの少女」の週間31位だったが、大幅に上回る結果となった。
大滝名義で初のシングルトップ10入りを達成、1972年のソロデビューから25年目で初のトップ10入りは、史上最も遅い記録となった。累計ではミリオンセラーを達成したと報じられている[6]。
2023年の再発売版ではオリコンチャートで初週26位、初週売上枚数1,895枚を記録している。
収録曲
[編集]- 幸せな結末 – (4:35) OT-15
- 作詞:多幸福、作曲:大瀧詠一、編曲:井上鑑
- 大滝にとっては「フィヨルドの少女/バチェラー・ガール」以来12年ぶりとなる新曲で、初の月9ドラマ主題歌。1985年以降も、他ミュージシャンへの楽曲提供などは行っていたものの、大滝名義のリリースは同シングル以来である。ただし、「バチェラー・ガール」は1984年のアルバム『EACH TIME』用にレコーディングされていたものの未発表になっていたため、純粋な新曲としては「フィヨルドの少女」以来となる。
- タイトルは自身が在籍していたバンド「はっぴいえんど」にかけており、ドラマ版ではイントロ無し版やストリングス版などが使用されていた。
- 1997年12月13日フジテレビ系『LOVE LOVE あいしてる』に『ラブジェネレーション』でヒロインを演じた松たか子がゲスト出演しこの曲をカバーした際には、大滝が収録後に自らミックスダウンを行い、エンディングにコーラスが追加された[7](公式ホームページではBGV/MIXとクレジット)[8]。 放送の
- Happy Endで始めよう – (3:41) OT-16
- 作詞:多幸福、作曲:多羅尾伴内、編曲:Rinky O'hen
- 『ラブジェネレーション』挿入歌。表題曲と同じく、はっぴいえんどにかけた楽曲で、随所にかつて自身が作曲した楽曲のタイトルが織り込まれている。
クレジット
[編集]- PRODUCER : EIICHI OHTAKI
- ENGINEER : TAMOTSU YOSHIDA
「幸せな結末」カバー
[編集]アーティスト | 収録作品(初出のみ) | 発売日 | 規格 | 品番 |
---|---|---|---|---|
角聖子 | 翼をください〜ピアノによる最新テレビヒット曲集 | 1998年4月24日 | CD |
KICC-243 |
オルゴール | ミッフィー・オルゴール・コレクション For You〜幸せな結末 | 2001年1月10日 | CD |
KICG-8243 |
平野孝幸 | ピアノ・インテリア 12のラブ・ストーリー | 2001年1月24日 | CD |
KICS-856 |
前川清+井上鑑 | ナイアガラで恋をして Tribute to EIICHI OHTAKI | 2002年11月20日 | CD |
WPC6-10237 |
極東ラヴァーズオーケストラ | フタリノウタ〜ドラマチック’90s〜 | 2007年8月22日 | CD |
LDCD-50035 |
島谷ひとみ | 男歌〜cover song collection〜 | 2007年12月5日 |
|
|
ENA | DRAMATIC LIFE 2 | 2011年10月26日 | CD |
|
鈴木雅之 | DISCOVER JAPAN II | 2014年9月10日 |
|
|
Moonlight Jazz Blue & JAZZ PARADISE | オトナJAZZ 〜静かな夜のカフェで〜 | 2014年9月24日 | CD |
SCCD-0330 |
一青窈 | ヒトトウタ | 2015年7月29日 |
|
|
宇宙人 (Cosmos People) | NEO BLUE EYED SOUL -City Pop style- | 2016年8月3日 | CD |
PCD-18810 |
ニコラス・エドワーズ | トビラウタ | 2018年4月25日 |
|
|
リリース日一覧
[編集]地域 | タイトル | リリース日 | レーベル | 規格 | カタログ番号 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
日本 | 幸せな結末 / Happy Endで始めよう | 1997年11月12日 | NIAGARA ⁄ Sony Records | SRDL 4500 |
本作は正規では初のブルー・レーベル仕様。『A LONG VACATION』の広告カードを封入。 | |
|
デジタル・ダウンロード | – |
全2曲(AAC 128/320kbps)[9][10][11][12][13] | |||
2023年7月7日 | NIAGARA ⁄ Sony Music Labels | SRDL 4747 |
2023年からスタートした「短冊CDの日」リリース企画の一環で上記シングル盤を8cmCDにて復刻発売。その際、表題曲とカップリング曲のオリジナル・カラオケが追加収録された。1997年発売のレーベルが使われているため、カラオケ用の『-TB』で終わる、枝番は記載されていない。 |
その他
[編集]大滝の出身地・岩手県を本拠とするサッカーJリーグクラブのいわてグルージャ盛岡では、試合勝利の後に選手とサポーターでこの曲を歌うのが通例となっており(ただし歌詞はなく全てハミングで歌唱)、クラブマスコットであるキヅールのプロフィールにも好きな曲として織り込まれている。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ 日本レコード協会 認定作品 1997年12月度認定作品の閲覧。2022年6月3日閲覧
- ^ halu1224のツイート(1205916029731258368)
- ^ ニッポン放送『大滝詠一 Happy Endingの世界』2020年3月22日放送分
- ^ “7月7日は「短冊CDの日」fishbowlの新作、大滝詠一「幸せな結末」など50作品以上発売”. 音楽ナタリー. 株式会社ナターシャ. 2024年5月15日閲覧。
- ^ 大滝詠一の売上ランキング
- ^ 大滝「月9」主題歌で6年ぶり新曲、スポニチアネックス、2003年3月19日。
- ^ きくち伸 (2000年9月27日). “TV LIFE 連載:KIKCHY FACTORY #09(00/09/27)わたしが持って帰った3本のLOVE LOVEビデオ”. 2017年12月25日閲覧。
- ^ “【LOVE LOVE あいしてる】:ライブラリー”. 2017年7月21日閲覧。
- ^ “「幸せな結末 - Single」” (日本語). www.apple.com. Apple Inc.. 2019年1月4日閲覧。
- ^ “『幸せな結末』大滝 詠一”. レコチョク. 株式会社レコチョク. 2019年1月4日閲覧。
- ^ “幸せな結末” (日本語). Amazon.co.jp. Amazon.com, Inc.. 2019年1月4日閲覧。
- ^ “幸せな結末/大滝 詠一”. mora. 株式会社レーベルゲート. 2019年1月4日閲覧。
- ^ “大滝 詠一「幸せな結末」”. music.jp. 株式会社エムティーアイ (2014年9月1日). 2019年1月4日閲覧。
外部リンク
[編集]- 大滝詠一-幸せな結末 - Discogs (発売一覧)