有馬三恵子
生誕 | 1935年または1936年 |
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出身地 | 日本、山口県防府市 |
死没 | 2019年4月18日(83歳没) |
学歴 | 法政大学 |
ジャンル | ポップス・歌謡曲 |
職業 | 作詞家 |
活動期間 | 1960年代 - 2019年 |
共同作業者 |
鈴木淳、川口真 南沙織、筒美京平 |
有馬 三恵子(ありま みえこ、1935年〈昭和10年〉または1936年 - 2019年〈平成31年〉4月18日[1])は、日本の作詞家である。伊東ゆかり「小指の想い出」、南沙織「17才」、 金井克子「他人の関係」、 布施明「積木の部屋」などのヒット曲で知られる。
人物・来歴
[編集]本名・立石三惠子。山口県防府市出身。法政大学を卒業。1960年代後半から作詞家活動を開始する。
時期は不明であるが、同郷の出身の作曲家で当時音楽之友社『ポップス』誌編集長であった鈴木淳と結婚、鈴木を職業作曲家として確立させた1967年(昭和42年)2月10日発売のヒット曲、伊東ゆかり「小指の想い出」[2]の作詞を手がけ、「おしどり夫婦」と紹介される[3]。同年に鈴木とともに手がけた楽曲には、ザ・ピーナッツ「東京ブルーレイン」(同年5月発売)、いしだあゆみ「こまらせたいの」(同年8月発売)、黒木憲「夜の東京の片隅で」等がある。1969年(昭和44年)まではコンビとして共作を生み出すが、のちに離婚、鈴木は悠木圭子と再婚する。
1971年(昭和46年)、南沙織のデビュー曲「17才」の作詞を手がけ、同作は同年6月1日に発売されて54万枚のヒットを記録する。以降、南の引退する1978年(昭和53年)8月21日発売の実質的ラストシングル「Ms. (ミズ)」まで、作曲家の筒美京平と組んで多くの楽曲の歌詞を書いた。同年6月、1975年(昭和50年)4月21日発売の「想い出通り」に由来する書名を持つエッセイ『今日からが思い出通り - 愛と出逢うための30章』を発表する[4]。筒美京平、川口真らの曲に詞を提供し、数々のヒット曲を生み出している。
CBSソニー(現在のソニー・ミュージックエンタテインメント)で南沙織を手がけるのに成功した有馬は、1974年(昭和49年)、ユニオンレコード(当時テイチク、現在のテイチクエンタテインメント傘下のレーベル)での風吹ジュンの歌手デビューに際し、デビュー曲「愛がはじまる時」以降3曲の作詞を手がける。
佐々木久子が主宰する「カープを優勝させる会」のメンバーでもあり、1975年には、広島東洋カープ応援歌「それ行けカープ 〜若き鯉たち〜」(作曲・宮崎尚志、歌唱・塩見大治郎)の歌詞を手がけた他、「ゴーゴーカープ」、「ヴィクトリー・カープ」等の作詞もしている。
1980年(昭和55年)、石野真子に「めまい」を提供、満19歳の夏を迎えた石野の大人への脱皮に貢献する。
2004年(平成16年)、英知出版が出版した短編小説集『会うたびに忘れないでといってた君がサヨナラといった--。』に、南沙織の同名の楽曲をモチーフにした小説『17才』[5]、翌年出版の続篇『会うたびに忘れないでといってた君がサヨナラといった 2』に布施明の同名の楽曲をモチーフにした小説『積木の部屋』を発表している[6]。
日本脚本家連盟が主宰する作詞教室の講師を務め[7]、同連盟主宰の「作詞コンクール」の審査員を務めた[8]。日本作詩家協会会員[7]。
2019年(平成31年)4月18日、心筋梗塞のため死去[1]。83歳没。
主な楽曲
[編集]楽曲提供先の歌手名の五十音順による主な一覧である。JASRACには2023年8月現在、749曲が登録されている[9]。
- あいあい
- 水芭蕉の旅(作曲:三木たかし、1978年4月1日発売、デビュー曲)
- 浅野ゆう子
- とびだせ初恋(作曲:川口真、1974年5月25日発売、デビュー曲)
- 恋はダン・ダン(作曲:川口真、1974年8月25日発売)
- ひとりぽっちの季節(作曲:川口真、1974年12月発売)
- 彼(1975年3月発売)
- いしだあゆみ
- こまらせたいの(作曲:鈴木淳、1967年8月発売)
- 小雨の思い出(作曲:鈴木淳、1968年2月発売)
- 石野真子
- 石原裕次郎
- 忘れるものか(作曲:鈴木淳、映画『忘れるものか』主題歌、1968年9月5日発売)
- 伊丹幸雄
- 伊東ゆかり
- 井上純一
- 恋人ならば(作曲:鈴木邦彦、1975年8月1日発売、デビュー曲)
- 岩下志麻
- 罪のように愛して(作曲:坂田晃一、1973年発売)
- 内山田洋とクール・ファイブ
- 岡崎友紀
- ファースト・ラブ(作曲:鈴木邦彦、1972年4月25日発売)
- 岡田奈々
- らぶ・すてっぷ・じゃんぷ(作曲:森田公一、1977年7月10日発売)
- 求愛専科(作曲:森田公一、1977年9月25日発売)
- 小川知子
- 恋のときめき(作曲:鈴木淳、1968年5月10日発売)
- 初恋のひと(作曲:鈴木淳、1969年1月21日発売)
- 尾崎紀世彦
- 愛をこめて(作曲:川口真、1973年3月5日発売)
- ブラザー・サン、シスター・ムーン(訳詞、作詞・作曲:D.Leitch、1974年発売)
- 片平なぎさ
- 陽だまりの恋(作曲:三木たかし、1976年2月5日発売)
- 金井克子
- 他人の関係(作曲:川口真、1973年3月21日発売)
- 人間模様(作曲:川口真、同年9月1日発売)
- 波止場エレジー(作曲:川口真、1974年2月21日発売)
- まがり角の女(作曲:川口真、1974年7月発売)
- 三角関係(作曲:川口真、1975年1月発売)
- グラスロード
- 黒木憲
- 夜の東京の片隅で(作曲:鈴木淳、1967年発売)
- 別れても(作曲:鈴木淳、別題「久しぶりだね」、1968年発売)
- 君に逢いたい(作曲:鈴木淳、1969年発売)
- 黒沢明とロス・プリモス
- 君からお行きよ(作曲:笠井幹男、1969年4月発売)
- 郷ひろみ
- わるい誘惑(作曲:筒美京平、1974年12月21日発売)
- 西城秀樹
- 別離の風景(作曲:鈴木邦彦、エキサイティング秀樹、1973年10月5日発売)
- 奪いたい人(作曲:井上忠夫、エキサイティング秀樹、1973年10月5日発売)
- 昼下がりのバラード(作・編曲:馬飼野康二、傷だらけのローラ (アルバム)、1974年9月15日発売)
- 斉藤美晴
- へんしん!ポンポコ玉(テレビ映画『へんしん!ポンポコ玉』主題歌、1973年発売)
- 塩見大治郎
- それ行けカープ 〜若き鯉たち〜(広島東洋カープ応援歌、1975年8月発売)
- ジミー時田
- 子門真人
- 城みちる
- 星空への誓い(作曲:すぎやまこういち、1974年8月20日発売)
- ジャッキー吉川とブルーコメッツ
- 二人だけの天地(作曲:鈴木邦彦、1975年5月発売)
- 高田恭子
- 今日の雨(作曲:中村泰士、1970年10月20日発売)
- 竹内まりや
- ムーンライト・ホールド・ミー・タイト(作曲杉真理、1stアルバム『BEGINNING』所収、1978年11月25日発売)
- 鶴岡雅義と東京ロマンチカ
- 恋はここまで(作曲:鶴岡雅義、1970年7月10日発売)
- 雨のおもかげ(作曲:鶴岡雅義、1970年)
- 富田智子
- 美人はいかが?(テレビ映画『美人はいかが?』主題歌、1971年発売)
- 永井秀和
- 恋人と呼んでみたい(作曲:寺岡眞三、1967年)
- 僕の恋人
- 仲雅美
- だから愛して(作曲:彩木雅夫、1970年12月発売)
- 渚ゆう子
- かえり道(作曲:井上忠夫、1970年発売)
- 西玲子
- 白い季節(作曲:坂田晃一、1974年9月発売)
- にしきのあきら
- 野口五郎
- 季節風(作曲:筒美京平、1977年7月21日発売)
- ザ・バーズ
- 危険ないいわけ(作曲:鈴木邦彦、1971年5月5日発売)
- 林寛子
- 白い窓辺(作曲:森田公一、1975年1月10日発売)
- ザ・ピーナッツ
- 東京ブルーレイン(作曲:鈴木淳、1967年5月発売)
- 愛のかたみ(作曲:鈴木淳、1968年12月発売)
- 藤村泰介
- 僕からのメッセージ(作曲:高田弘、1970年発売)
- 布施明
- 積木の部屋(作曲:川口真、1974年3月10日発売)
- 風吹ジュン
- 愛がはじまる時(作曲:平尾昌晃、1974年5月1日発売、デビュー曲)
- 涙に微笑を(作曲:平尾昌晃、1974年8月1日発売)
- ふたりの舗道(作曲:馬飼野俊一、1974年10月25日発売)
- ブルー・シャルム
- 抱きしめたくて(作曲:安藤邦夫、1969年1月発売)
- 南沙織
- ミミ(ミミ萩原)
- 恋愛志願(作曲:井上忠夫、1974年6月発売)
- 宮城まり子
- 私を呼ぶのは誰
- めもわーる(作曲:すぎやまこういち、いずれもテレビアニメ『まんが世界昔ばなし』主題歌)
- 森進一
- 女坂(作曲:猪俣公章、2012年4月25日発売)
- あるがままに生きる (作曲:森進一、2015年6月24日発売)
- 森山加代子
- 奇跡は一度もないの(作曲:葵まさひこ、1971年11月10日発売)
- 矢吹健
- オロロンの唄(作曲:福井利雄、1971年11月発売)
- 優雅(zh:尤雅)
- 処女航海(作曲:筒美京平、1974年3月21日発売、デビュー曲)
- 胸さわぎ(作曲:筒美京平、1974年6月4日発売)
- 異国の風(作曲:筒美京平、1974年10月発売)
- 由美かおる
- 恋は1/2(作曲:すぎやまこういち、1972年発売)
- 吉沢京子
- 最近気になること(作曲:宮川泰、1971年6月発売)
作品集
[編集]- 『有馬三恵子作品集 1967-2017 la vie d'une paroliere』2019年10月、CDSOL-1857/9
- - 作詞を手掛けた多数の作品の中から、人気曲を厳選した3枚組CD
ビブリオグラフィ
[編集]- 『今日からが思い出通り - 愛と出逢うための30章』 : 実業之日本社、1978年6月
- 『17才』 : 『会うたびに忘れないでといってた君がサヨナラといった--。』 所収、英知出版、2004年6月 ISBN 4754220277 - 喜多條忠、山川啓介、山上路夫、松本一起、高橋研、佐藤ありす、つのだ☆ひろ、Boro、ジョニー大倉と共著
- 『積木の部屋』 : 『会うたびに忘れないでといってた君がサヨナラといった 2』 所収、英知出版、2005年11月 ISBN 4754220501 - 松本一起、山川啓介、石川あゆ子、立川俊之、ちあき哲也、小坂恭子、来生えつこ、Boroと共著
註
[編集]- ^ a b “有馬三恵子さんが死去 作詞家”. 日本経済新聞社. (2019年4月21日) 2019年4月21日閲覧。
- ^ 作曲家・鈴木淳のプロフィール、鈴木淳音楽事務所、公式ウェブサイト、2010年9月4日閲覧。
- ^ 「ヒットした夫婦」、『主婦の友』昭和42年10月号、主婦の友社、1967年。
- ^ 今日からが思い出通り、国立国会図書館、2010年8月28日閲覧。
- ^ 会うたびに忘れないでといってた君がサヨナラといった--。、国立国会図書館、2010年8月28日閲覧。
- ^ 会うたびに忘れないでといってた君がサヨナラといった 2、国立国会図書館、2010年8月28日閲覧。
- ^ a b 作詞家 講師陣紹介、日本脚本家連盟、2010年8月28日閲覧。
- ^ 作詞家 新人賞コンクール、日本脚本家連盟、2010年8月28日閲覧。
- ^ 作品データベース、JASRAC、2023年8月3日閲覧(同データベースへの直接リンクは禁じられている)。
- ^ OPAC、国立国会図書館、2010年8月28日閲覧。
外部リンク
[編集]- われらカープ人(18) 悲願に向け応援歌 感動染み込んだラブソング 親しみ色あせず - 中国新聞 1999年7月31日付