梅田貨物線
梅田貨物線 | |||
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基本情報 | |||
国 | 日本 | ||
所在地 | 大阪府 | ||
起点 | 吹田貨物ターミナル駅 | ||
終点 | 西九条駅 | ||
駅数 | 4駅 | ||
経由路線 | 東海道本線、大阪環状線 | ||
開業 | 1928年12月1日 | ||
所有者 |
西日本旅客鉄道(JR西日本) (第一種鉄道事業者) | ||
運営者 |
西日本旅客鉄道(JR西日本) (第一種鉄道事業者) 日本貨物鉄道(JR貨物) (第二種鉄道事業者) | ||
使用車両 | 使用車両の節を参照 | ||
路線諸元 | |||
路線距離 | 12.6 km | ||
軌間 | 1,067 mm | ||
複線区間 | 吹田貨物ターミナル駅 - 大阪駅間 | ||
電化方式 | 直流1,500 V 架空電車線方式 | ||
最大勾配 | 23.5 ‰[1] | ||
閉塞方式 | 自動閉塞式 | ||
最高速度 |
吹田貨物ターミナル駅 - 新大阪駅間: 120 km/h(上り線)[2] 110 km/h(下り線)[2] 新大阪駅-西九条駅間: 95 km/h[2] | ||
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梅田貨物線(うめだかもつせん)は、大阪府吹田市の吹田貨物ターミナル駅から大阪市北区の大阪駅、福島区の福島駅を経由して此花区の西九条駅に至る西日本旅客鉄道(JR西日本)の鉄道路線の通称である。東海道本線の支線(吹田貨物ターミナル駅 - 福島駅間)と大阪環状線の線増部(福島駅 - 西九条駅間、線路財産名称は「環状第三線」)から構成されている。経由する旅客列車の増えている現在では「梅田線」または「梅田連絡線」[3]と称されることもある。
概要
[編集]東海道本線と大阪の鉄道貨物の拠点である桜島線(JRゆめ咲線)の安治川口駅や、2013年3月末限りで廃止された梅田駅(通称「梅田貨物駅」、後の梅田信号場)とを結ぶために設けられた貨物線で、貨物列車が多く運転されている。また、東海道本線(JR京都線)新大阪方面と大阪環状線の西九条・天王寺方面を結ぶ連絡線的な役割を持ち、当線を経由する旅客列車として京都・新大阪方面と関西国際空港や南紀(和歌山)方面を結ぶ特急列車や、新大阪駅から大阪駅まで乗り入れるおおさか東線の列車が運転されている。
貨物線のため大阪の旅客ターミナル駅である大阪駅を迂回するルートを通っており、同駅への停車は出来なかったが、大阪駅北地区(うめきた)の再開発に伴う中津付近 - 福島駅付近の地下化工事と合わせ、大阪駅に近接した位置に地下ホーム(仮称「北梅田駅」)が設けられることになった。最終的に地下ホームは「大阪駅(うめきたエリア)」として2023年3月18日に営業が開始され、当線を経由する旅客列車も大阪駅に停車するようになった。
全区間をJR西日本の近畿統括本部が管轄している。
路線データ
[編集]- 管轄(事業種別):西日本旅客鉄道(第一種鉄道事業者)、日本貨物鉄道(第二種鉄道事業者)
- 路線距離(営業キロ):吹田貨物ターミナル駅 - 西九条駅間 12.6 km (ただし梅田貨物線を経由する旅客列車を利用した場合、運賃計算上は東海道本線(旅客線)および大阪環状線を経由したものとして扱われる。「歴史」の節も参照)
- 複線区間:吹田貨物ターミナル駅 - 大阪駅間
- 電化区間:全線(直流1,500 V)
- 閉塞方式:自動閉塞式
- 運転指令所:大阪総合指令所
- 最高速度:[2]
- 120 km/h(吹田貨物ターミナル駅 - 新大阪駅間上り線)
- 110 km/h(吹田貨物ターミナル駅 - 新大阪駅間下り線)
- 95 km/h(新大阪駅 - 西九条駅間)
沿線概況
[編集]停車場・施設・接続路線 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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書類上の起点は吹田貨物ターミナル駅であるが、当線に入るための線路はそのはるか北方の茨木駅南側で東海道本線旅客線(JR京都線)から分岐している。下り線は分岐の後、高架となって複々線の旅客線を乗り越えて大阪貨物ターミナル駅からの東海道本線貨物支線と合流し、千里丘駅付近から東海道本線上り外側線の西隣を走行する(逆に上り線は西側から地平レベルで直接旅客線に合流する)。
岸辺駅の西隣に広がる吹田貨物ターミナル駅に至ると、城東貨物線(片町線支線)と北方貨物線(東海道本線支線)が分岐する。北方貨物線は当線のさらに西側を並走する。
東海道本線(JR京都線)旅客線の複々線と北方貨物線の複線間に挟まれて南へ進み、おおさか東線と合流して神崎川を渡った後、東海道・山陽新幹線の手前で北方貨物線と分かれて新大阪駅に至る。神崎川付近から新大阪駅まではおおさか東線との共用区間である。
新大阪駅を出て淀川を渡った先で東海道本線(JR京都線)旅客線と分かれると、西へカーブして新御堂筋をくぐり、続けて南へカーブしながら地下へと潜っていき、大阪駅(うめきたエリア)地下ホームへと辿り着く。大阪駅を出ると単線となり、南西へカーブし、東海道本線(JR神戸線)と大阪環状線が分かれていく付近で地上に出て、福島駅北側でなにわ筋(大阪府道41号大阪伊丹線)と交差する踏切(浄正橋踏切)[3]を通過する。ここまでが書類上東海道本線とされている区間である。
地下からの上り勾配が続いたまま地上を経て高架に上がる。ここから西九条駅までは大阪環状線の増設線(貨物線専用の単線)を通ることになる。高架区間を走行して阪神高速3号神戸線をくぐった先に野田駅があるが、大阪環状線の線路にしかホームが設けられていないためそのまま通過すると終点の西九条駅に到着する。線路は基本的にそのまま桜島線へ合流する配線となっているが、旅客列車は西九条駅の手前で大阪環状線に転線できる。
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大阪都心部を行く特急「はるか」。後方のビルは梅田スカイビル。
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阪急中津駅、阪急線高架下を通る特急「はるか」(左下)。
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大阪環状線(右)福島駅付近の踏切。左側の高架は阪神高速11号池田線。
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梅田貨物線から分岐するおおさか東線
運行概況
[編集]貨物列車
[編集]2020年3月14日ダイヤ改正時点で定期貨物列車は桜島線安治川口駅発着列車が5往復(上りのうち2本は日曜運休、下りのうち1本は月曜運休、1本は日曜と休日の翌日運休)のみ運転されている[4]。全列車が吹田貨物ターミナル駅を発着あるいは経由し、その先の発着駅は大阪貨物ターミナル駅、京都貨物駅、東京貨物ターミナル駅、仙台貨物ターミナル駅が設定されている。
梅田駅廃止前の2011年3月改正時点では、吹田信号場方面からの梅田駅行き列車が15本(このうち2本は日曜日運休、1本が月曜日運休)、梅田駅始発列車が13本(このうち2本は日曜日運休)運行されていた。このほか、桜島線に直通する安治川口駅発着の列車が、毎日運転の列車が1日3.5往復、土曜・休日運休の列車が1日1往復運転されていた[5]。
2023年2月13日の梅田貨物線の地下化により、最大23.5‰の急勾配区間が設けられたことから、長大編成のコンテナ列車の最後部には安治川口駅 - 吹田貨物ターミナル駅間で補助機関車を連結して運行されるようになった[1]。また、かつてディーゼル機関車1両で牽引していた甲種輸送列車に対しては、牽引機を1両増やした重連運転に変更されている[6]。
旅客列車
[編集]旅客列車は特急「はるか」「くろしお」が全区間で、おおさか東線の列車が新大阪駅 - 大阪駅間で運行されている。
旅客列車の運転は、1988年の「なら・シルクロード博覧会」開催に合わせて関西本線(大和路線)の臨時快速が新大阪駅 - 奈良駅間で運転されたのが最初である。定期列車の運転は、1989年7月22日に天王寺駅構内の阪和短絡線が完成し、阪和線・紀勢本線の特急「くろしお」「スーパーくろしお」が大阪環状線・梅田貨物線を経由して新大阪駅・京都駅への乗り入れを開始したときからである。南紀方面から新幹線接続駅へ直接乗り入れることができるルートは、それまで阪和貨物線・関西本線・奈良線を経由して京都駅に至るルートであったが、これ以降は梅田貨物線を経由して運転されることになった。
1990年3月からは、沿線で朝釣りに向かう旅客によく利用されていたことから"太公望列車"とも呼ばれていた新宮行きの夜行快速列車が天王寺駅始発から新大阪駅始発に変更されている(「紀勢本線#夜行普通列車」も参照)。1994年9月4日に関西国際空港が開港し、特急「はるか」が京都駅まで運転されるようになると、梅田貨物線を経由する旅客列車の数は大きく増加した。
2010年には平城遷都1300年記念事業に協賛して行われた「奈良デスティネーションキャンペーン」にあわせ、臨時特急「まほろば」がなら・シルクロード博覧会の臨時列車と同じく新大阪駅 - 奈良駅間に運転された。
2018年3月17日のダイヤ改正で、朝と夜に1本ずつ運転されていた新大阪発の和歌山方面紀勢本線(きのくに線)直通の快速(夜の列車は前述の新宮行き夜行の後身)、朝に1本運転されていた和歌山発新大阪行きのB快速[7]が廃止された[8]。以降、旅客列車は特急列車のみとなっていたが、2023年3月18日のダイヤ改正で大阪駅の地下ホームが開業し、新大阪駅から大阪駅までおおさか東線の普通列車や直通快速が乗り入れるようになった[9]。
使用車両
[編集]定期列車として運転されている車両は次の通り。貨車は省略する。なお、神崎川橋梁北方 - 新大阪駅間はおおさか東線と線路を共用しており、さらに大阪駅まで乗り入れているため、おおさか東線の車両も走っているが、当項目では除外する。
現在の使用車両
[編集]旅客列車
[編集]吹田総合車両所日根野支所と京都支所(2012年6月1日に車両部門の組織改正が行われ、日根野支所は日根野電車区、京都支所は京都総合運転所に相当する[10])の電車で運転されている。
貨物列車
[編集]貨車は1往復のみ長物車でそれ以外はコンテナ車で組成される[4]。なお、貨物線の一部区間が地下化された2023年2月13日以降は、長大編成の列車に対し後補機連結が両方向で行われている。
- 電車
- M250系「スーパーレールカーゴ」(Super Rail Cargo)
- 2004年3月13日から東京貨物ターミナル駅 - 安治川口駅間で運転を開始。SGホールディングス系列である佐川急便が1列車を貸切輸送している。
- M250系「スーパーレールカーゴ」(Super Rail Cargo)
- 電気機関車
- ディーゼル機関車
- DD51形(不定期のみ)
過去の使用車両
[編集]旅客列車
[編集]- 165系
- 381系
- 485系
- 681系・683系
- 2001年春から2009年夏まで、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン (USJ) 最寄駅であるユニバーサルシティ駅へ直通する臨時特急「ユニバーサルエクスプレス」で使用。
- 221系
- 113系
- 103系
- 1988年の「なら・シルクロード博」向けに、湊町駅(現・JR難波駅) - 奈良駅間の快速の一部を新大阪駅発着に変更して設定された臨時快速で使用。
- 223系0・2500番台、225系5000・5100番台
貨物列車
[編集]歴史
[編集]1928年(昭和3年)、大阪駅の北側に貨物駅として梅田駅が開設されるのと同時に開業したが、当時の梅田駅は大阪駅と同一駅の扱いで独自の営業キロが設定されていなかった。また、1934年(昭和9年)には西成線(現在の大阪環状線の一部)の福島駅まで延伸されたが、これも営業キロが設定されていなかった。「梅田貨物線」に独自の営業キロが設定されるのは1961年(昭和36年)のことであるが、旅客列車の設定がなかった。旅客列車が運転を始めたのは1988年(昭和63年)からだが、運賃計算の際には梅田貨物線経由の営業キロを適用せず、大阪駅経由で計算することとなった。
かつては新大阪駅では、当線を経由する旅客列車は上り・下りとも東海道本線(JR京都線)の上り外側線へ転線して客扱いを行っていたが、2011年(平成23年)以降進められていたおおさか東線建設工事の過程で、当線用の乗り場が設置された。 2019年(平成31年)3月16日におおさか東線が開業し、神崎川橋梁北方から新大阪駅までの区間は当線との共用区間となった。
年表
[編集]- 1928年(昭和3年)12月1日:上淀川仮信号場 - 梅田駅間が開業(梅田駅は大阪駅と同一駅扱いで営業キロの設定なし)。
- 1934年(昭和9年)
- 1961年(昭和36年)4月6日:営業キロ設定(梅田駅を大阪駅との同一駅扱いをやめ、別線別駅扱いに変更)、吹田駅 - 梅田駅間(7.6 km)、梅田駅 - 福島駅間(1.0 km)となる。
- 1965年(昭和40年)3月18日:梅田駅 - 福島駅間改キロ(-0.1 km)。
- 1969年(昭和44年)9月13日:吹田駅 - 梅田駅間が電化。
- 1970年(昭和45年)4月1日:梅田駅 - 福島駅間が電化。
- 1974年(昭和49年)10月1日:東海道本線支線区間の区間表示変更、吹田駅 - 梅田駅 - 福島駅間(8.5km)となる。
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化により西日本旅客鉄道が承継(営業キロの設定はなし)。日本貨物鉄道が第二種鉄道事業者となる(吹田駅 - 福島駅間に独自の営業キロを設定)。
- 1988年(昭和63年)4月24日 - 10月23日:当線経由で新大阪駅 - 奈良駅間の臨時旅客列車設定。
- 1989年(平成元年)7月22日:定期旅客列車設定。
- 2010年(平成22年)12月1日:組織改正により、大阪支社および京都支社の管轄から近畿統括本部の管轄に変更[12]。
- 2013年(平成25年)
- 2015年(平成27年)12月:中津付近 - 福島駅付近の地下化工事および新駅(仮称:北梅田駅)設置工事の一部が先行して着工。
- 2016年(平成28年)
- 2月1日:おおさか東線工事の一環として新大阪駅の配線が変更され、11番のりばが当線専用となる。
- 8月:中津付近 - 福島駅付近の地下化工事および新駅設置工事が正式着工。
- 2017年(平成29年)1月20日:おおさか東線工事の一環として新大阪駅の配線がさらに変更され、当線の下りが11番のりばに直接乗り入れる構造となる。
- 2018年(平成30年)
- 3月17日:ダイヤ改正で当線を経由する普通列車(快速・B快速)が消滅。これにより当線を通る旅客列車は特急のみとなる。
- 6月24日:新大阪駅の当線下り11番のりばが3番のりばに改称。
- 7月23日:新大阪駅の在来線部分改良工事が完了、1番のりばが当線の上り専用となる。
- 2019年(平成31年)
- 2020年(令和2年)3月25日:新たに新駅と大阪駅を結ぶ改札内連絡通路を整備し、新駅開業時に「大阪駅」の一部として開業すると発表[18]。
- 2023年(令和5年)
- 2024年(令和6年)3月18日:大阪駅(うめきたエリア)地下ホーム発着で、当線を経由し大阪環状線・大和路線へ直通する通勤特急「らくラクやまと」が運行開始。
大阪駅北地区付近地下化(新駅設置)事業
[編集]2004年10月の近畿地方交通審議会答申第8号では、「京阪神圏において、既存施設の改良に関し検討すべき主な事業」として、大阪駅北地区(北ヤード)再開発に関連して、支障となる梅田貨物線の中津 - 福島駅付近を地下化すること及び九条梅田線と四つ橋筋との交差点北西部付近に新駅(仮称:北梅田駅)を設置し、特急「はるか」や「くろしお」などの特急列車を停車させることで、関西国際空港や和歌山方面へのアクセスの向上を図ることが盛り込まれた[21]。2011年4月に「JR東海道線支線地下化事業」及び「うめきた2期区域新駅設置事業」として都市計画決定がなされ、2015年1月に事業認可を取得、同年11月に着工された[22][23][24]。2023年3月に地下線への切り替えと新駅の開業を予定し[22]、2020年3月には新駅を大阪駅の一部として開業することがJR西日本より発表された[18]。既存の大阪駅(高架ホーム)と新設の地下ホームの間に地下連絡通路を設け、乗り換えには6分程度かかるとした[25]。
ルートは、新大阪駅から淀川を渡ってJR京都線と別れた当線は、Osaka Metro御堂筋線を乗り越えたあたりから地下へ下って行き、阪急電鉄中津駅の北側でトンネルに入る。そこから地下化以前よりも東側を経由する。すなわち、グランフロント大阪北館西隣の道路下を通り、南館の西側から南西にゆるいカーブを描きながら福島方面へ向かうルートを通る。大阪駅(うめきたエリア)地下ホームはそのカーブ上に2面4線の規模で設置する。そしてJR神戸線と交差する直前でトンネルを抜けて現在のルート上に戻り、福島駅北側の浄正橋踏切手前で地平レベルに達する[26]。
この大阪駅(うめきたエリア)地下ホームは2023年3月18日のダイヤ改正時に開業し、特急「くろしお」「はるか」、並びにおおさか東線の全列車がここに乗り入れて停車するようになった[27][9]。それに先駆けて、線路切り替え工事が同年2月11日夜から13日朝にかけて行われ[19]、「くろしお」「はるか」については同年2月13日から大阪駅(うめきたエリア)地下ホームへ乗り入れたが、同ホーム開業前日の3月17日までは通過駅扱いとなった[28]。なお、長大編成の貨物列車は牽引機だけでは地下区間に至る勾配に対応できないため、最後尾に補助機関車(補機)を連結して運行するようになった[29]。
今後
[編集]大阪・関西万博輸送
[編集]2025年に大阪港・夢洲を主会場として開催する予定の「2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博2025)」に向けた輸送力強化の一環として、新大阪駅から大阪駅うめきた地下ホームを経由して、桜島線(JRゆめ咲線)に乗り入れる直通列車(1時間当たり12本運行予定)が計画されている[30][31][32]。
なにわ筋線の接続
[編集]さらに同地下ホームには、北梅田駅(仮称) - JR難波駅・南海新今宮駅間を結ぶ路線として計画されているなにわ筋線が乗り入れる予定である[33]。
駅一覧
[編集]- 全駅大阪府内に所在。
- 凡例
- (貨)は貨物駅
- 線路 … ∥:複線区間、|:単線区間(列車交換不可)、∨:ここより下は単線、∧:ここより下は複線
正式路線名 | 駅ナンバー | 駅名 | 営業キロ | 接続路線・備考 | 線路 | 所在地 | ||
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駅間 | 累計 | |||||||
東海道本線 支線 | (貨)吹田貨物ターミナル駅 | - | 0.0 | 西日本旅客鉄道:東海道本線(本線・北方貨物線)・片町線貨物支線(城東貨物線) 日本貨物鉄道:東海道本線貨物支線(大阪貨物ターミナル方面) |
∥ | 吹田市 | ||
JR-A46 JR-F02 |
新大阪駅 | 5.3 | 5.3 | 西日本旅客鉄道: 山陽新幹線・ 東海道本線(JR京都線)(JR-A46)・ おおさか東線 (JR-F02) 東海旅客鉄道: 東海道新幹線 大阪市高速電気軌道: 御堂筋線 (M13) |
∥ | 大阪市 | 淀川区 | |
JR-A47 JR-F01 JR-O11 |
大阪駅(うめきたエリア) | 3.8 | 9.1 | 西日本旅客鉄道: 東海道本線(JR京都線・JR神戸線[* 1])(JR-A47)・ 福知山線(JR宝塚線[* 2])(JR-G47)・ 大阪環状線(JR-O11)・ おおさか東線 (JR-F01)[* 3] ・ JR東西線(北新地駅[* 4]: JR-H44) 阪急電鉄: 京都本線[* 5]・ 宝塚本線・ 神戸本線(大阪梅田駅:HK-01) 阪神電気鉄道: 本線(大阪梅田駅:HS01) 大阪市高速電気軌道: 御堂筋線(梅田駅:M16)・ 谷町線(東梅田駅:T20)・ 四つ橋線(西梅田駅:Y11) |
∨ | 北区 | ||
福島駅 | 0.9 | 10.0 | 西日本旅客鉄道: 大阪環状線 (JR-O12)[* 6] | | | 福島区 | |||
大阪環状線 | ||||||||
JR-O14 | 西九条駅 | 2.6 | 12.6 | 西日本旅客鉄道: 大阪環状線 (JR-O14)[* 7]・ 桜島線(JRゆめ咲線)(JR-P14) 阪神電気鉄道: 阪神なんば線 (HS 45) |
∧ | 此花区 |
- ^ 山陽本線上郡駅及び赤穂線播州赤穂駅まで直通運転。
- ^ 福知山線の正式な起点は尼崎駅だが、運転系統としての「JR宝塚線」は全列車が大阪駅まで乗り入れる。
- ^ おおさか東線の正式な起点は新大阪駅だが、運転系統としては全列車が大阪駅(うめきたエリア)まで乗り入れる。
- ^ 大阪駅と北新地駅の間は徒歩連絡の特例がある(JR東西線#乗車制度を参照)。
- ^ 運転系統としての「京都本線」。同線の正式な起点は十三駅。
- ^ 福島駅が東海道本線支線と大阪環状線との路線分岐駅であるが、同駅と野田駅には梅田貨物線にホームがないため乗り換えはできない。
- ^ 西九条駅が実際の線路の分岐駅。梅田貨物線経由の列車は2023年3月18日以降旅客列車も全て通過するので乗り換えできなくなる。
- 2023年2月13日に地上線から地下線への切り替えが完了する以前は、吹田貨物ターミナル駅起点9.1kmの地点に梅田信号場(旧・JR貨物梅田駅)が存在した。
脚注
[編集]- ^ a b “線路付け替えで「梅田峠」誕生!? 山間部だけで見られた「後押し」運用が都市部にも”. 鉄道コム (2023年2月13日). 2023年2月14日閲覧。
- ^ a b c d 『JR特急10年の歩み』弘済出版社、1997年、p.192。ISBN 4-330-45697-4。
- ^ a b 踏切道安全通行カルテ 浄正橋 - 国土交通省近畿地方整備局
- ^ a b 『貨物時刻表』2020 鉄道貨物協会
- ^ 『貨物時刻表』2011 鉄道貨物協会
- ^ “南海電鉄8300系が甲種輸送される|鉄道ニュース|2023年12月13日掲載|鉄道ファン・railf.jp”. 鉄道ファン・railf.jp. 2024年2月12日閲覧。
- ^ 交通新聞社「JR時刻表」2018年1月号
- ^ JTBパブリッシング『JTB時刻表』2018年3月号
- ^ a b c 『2023年3月18日にダイヤ改正を実施します』(PDF)(プレスリリース)西日本旅客鉄道 近畿統括本部、2022年12月16日、2頁 。2022年12月19日閲覧。
- ^ 「車両部門の組織改正 JR西日本、近畿統括本部」『交通新聞』2012年6月5日
- ^ 阪神が地下化された現在でも、交通量の多いこの踏切で踏切待ちの車の列が多少生じることはあるが、遮断の回数はさほど多くない(通行する列車は一時間に上下合わせて6本程度の特急と1日数本の貨物列車のみで、地方ローカル線程度の頻度)。大阪駅付近に設ける地下駅から高架上駅である野田駅方面へ向かう途上にある関係上、踏切の除去を行うには線路の高架化や地下化は不可能で、道路の方を掘り下げる必要があり、莫大な費用がかかる。当踏切は国土交通省の定める改良すべき踏切道には指定されていないため、除去のための補助金が国から交付される見込みはなく、地元自治体(大阪府と大阪市)とJR西日本だけで事業を行う必要がある。
- ^ 組織改正などについて(インターネットアーカイブ)- 西日本旅客鉄道プレスリリース 2010年11月16日
- ^ 電気車研究会『平成二十六年度 鉄道要覧』p.57
- ^ 吹田貨物ターミナル駅開業ならびに百済貨物ターミナル駅リニューアル開業について (PDF) - 日本貨物鉄道プレスリリース 2013年3月13日
- ^ 梅田信号場 踏切の遮断棒が降下しなかった事象について - 西日本旅客鉄道プレスリリース 2013年4月11日
- ^ JR東海道線支線地下化・新駅設置事業(北1工区) 工事進捗および工事に伴う通行規制等についてのお知らせ (PDF) - 大阪市建設局、2019年1月30日閲覧。
- ^ なお当初の計画では、おおさか東線の線路は東海道本線(JR京都線)の東側を並走することになっていた。2009年に計画が変更され、当線に合流する形となった。詳しくはおおさか東線#建設の経緯を参照。
- ^ a b 『「うめきた(大阪)地下駅」と「大阪駅」の改札内連絡通路の整備並びに「うめきた(大阪)地下駅」の駅名について』(PDF)(プレスリリース)西日本旅客鉄道、2020年3月25日 。2020年3月26日閲覧。
- ^ a b 報道発表資料 JR東海道線支線の地下化切換工事に伴う府道41号なにわ筋(JR大阪環状線福島駅付近)の車両通行止めについて - 大阪市、2022年12月9日。2022年12月12日閲覧
- ^ 『2023年春 ダイヤ改正について』(PDF)(プレスリリース)西日本旅客鉄道、2022年12月16日、3頁 。2022年12月19日閲覧。
- ^ 近畿地方交通審議会答申第8号(別紙1・別紙2) (PDF) - 近畿運輸局
- ^ a b JR東海道線支線地下化・新駅設置事業パンフレット P.2 (PDF) - 大阪市
- ^ “JR東海道線支線地下化事業”. 大阪市. 2020年3月29日閲覧。
- ^ “うめきた2期区域新駅設置事業”. 大阪市. 2020年3月29日閲覧。
- ^ “うめきた新駅名称「大阪駅」に JR西、地下に連絡通路”. 日本経済新聞 (日本経済新聞社). (2020年3月25日)
- ^ 『うめきた2期区域事業概要説明』(プレスリリース)大阪市、2019年11月19日 。2020年3月29日閲覧。
- ^ “特急「はるか」「くろしお」が停車、おおさか東線の列車が乗り入れ……大阪駅(うめきたエリア)の23年春開業で運行体系はどう変わる?”. 鉄道チャンネル (2022年12月9日). 2023年1月13日閲覧。
- ^ “「うめきた地下線」開通は2月13日! 「はるか」「くろしお」が一足先に運転開始 新駅は通過”. 乗りものニュース (2022年12月18日). 2023年1月13日閲覧。
- ^ “大阪都心と関空を結ぶ「なにわ筋線」構想が実現した理由とは”. ダイヤモンド・オンライン. ダイヤモンド社 (2021年11月1日). 2020年3月29日閲覧。
- ^ 「2025年大阪・関西万博」に向けた取り組み~万博アクセス輸送~ (PDF) - 西日本旅客鉄道、2022年11月18日
- ^ “JR西 万博に向け新大阪から直通列車 最寄り駅改良しバス連携強化へ”. 産経新聞 (産経新聞社). (2021年1月11日) 2023年1月13日閲覧。
- ^ “大阪万博でJR「新大阪発→うめきた新駅経由」会場近くまで直通列車運行へ 大阪メトロに乗り換えるルートとどちらが便利?”. まいどなニュース (2022年11月28日). 2023年1月13日閲覧。
- ^ なにわ筋線事業計画に係る都市計画素案説明会説明資料 (PDF) - 大阪市・関西高速鉄道、2019年3月
参考文献
[編集]- 川島令三編著『東海道ライン - 全線・全駅・全配線』8 米原駅 - 大阪エリア、講談社、2009年。ISBN 978-4-06-270016-0。