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止別駅

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
止別駅
駅舎(2021年5月)
やむべつ
Yamubetsu
B72 知床斜里 (11.5 km)
(5.7 km) 浜小清水 B74
地図
所在地 北海道斜里郡小清水町字止別
北緯43度55分17.41秒 東経144度31分12.12秒 / 北緯43.9215028度 東経144.5200333度 / 43.9215028; 144.5200333座標: 北緯43度55分17.41秒 東経144度31分12.12秒 / 北緯43.9215028度 東経144.5200333度 / 43.9215028; 144.5200333
駅番号 B73
所属事業者 北海道旅客鉄道(JR北海道)
所属路線 釧網本線
キロ程 140.4 km(東釧路起点)
電報略号 ヤツ[1]
駅構造 地上駅
ホーム 1面1線
乗降人員
-統計年度-
12人/日
-2014年-
開業年月日 1925年大正14年)11月10日
備考 無人駅
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止別駅(やむべつえき)は、北海道斜里郡小清水町字止別にある北海道旅客鉄道(JR北海道)釧網本線である。駅番号B73事務管理コードは▲111617[2]

歴史

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1977年の止別駅と周囲約1㎞×600m範囲。左が網走方面。斜里平野の畑作地帯の北辺。駅裏にはオホーツク海岸線の草原が広がる。相対式ホーム2面2線と駅裏側に副本線、駅舎横の網走側に貨物ホームと引込み線をもつ。貨物荷物取扱い廃止後に貨物線が撤去され、さらに相対側ホームも撤去されて駅舎ホームへ棒線化されたが、保線用引込み線が副本線跡の釧路側に敷き直されている。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成

1925年(大正14年)11月10日、北浜駅 - 斜里駅間の延伸に伴い開業。開業日、駅前には緑門が建てられたほか万国旗の装飾も施され、地域の小学生が14両編成の一番列車を出迎えた[3]。1926年(大正15年)に北見鉄道が開業し、小清水市街地方面との間に混合列車が運行されていた。

年表

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駅名の由来

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当駅の所在する地名より。地名はアイヌ語に由来するが以下の2説が紹介されている[10][11]

  • 「ヤペッ(yam-pet)」〔冷たい・川〕
    • 『駅名の起源』は知里真志保らが参画した昭和29年版以降この説を採用している[4][10]
  • 「ヤワアンペッ(ya-wa-an-pet)」〔内地の方・に・ある・川〕
    • 同じく知里真志保による『斜里町史地名解』では上記の解釈を疑問視し、松浦武四郎の『廻浦日記』に「ヤワンベツ」とあること、アイヌ語で「ヤムワッカ(yamu-wakka)」(冷たい・水)ということはあっても「ヤムペッ(yamu-pet)」と言わない、などとしてこちらの解釈を掲載している[10]

駅の表記上は「やむべつ」となっているが[12]、地名については元のアイヌ語発音に近い「やんべつ」と呼称される[注釈 1]

駅構造

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単式ホーム1面1線と木造駅舎を持つ地上駅。かつては相対式ホーム2面2線、副本線および貨物ホームを有していた[13]知床斜里駅管理の無人駅である。

駅事務室跡に「ラーメン喫茶・えきばしゃ」がテナントとして入居している[14]。但し簡易委託駅当時の乗車券販売は「えきばしゃ」の経営も兼ねていた駅前商店で行われていた[15]

利用状況

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乗車人員の推移は以下のとおり。年間の値のみ判明している年については、当該年度の日数で除した値を括弧書きで1日平均欄に示す。乗降人員のみが判明している場合は、1/2した値を括弧書きで記した。

また、「JR調査」については、当該の年度を最終年とする過去5年間の各調査日における平均である。

年度 乗車人員 出典 備考
年間 1日平均 JR調査
1978年(昭和53年) 75 [16]
2016年(平成28年) 9.6 [JR北 1]
2017年(平成29年) 8.6 [JR北 2]
2018年(平成30年) 7.6 [JR北 3]
2019年(令和元年) 8.4 [JR北 4]
2020年(令和02年) 8.6 [JR北 5]
2021年(令和03年) 8.6 [JR北 6]
2022年(令和04年) 8.0 [JR北 7]
2023年(令和05年) 7.8 [JR北 8]

駅周辺

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オホーツク海に近く、駅前の北海道道557号止別停車場線から国道244号にかけての沿線に止別の集落が広がる。

  • 小清水町役場止別出張所
  • 止別郵便局

隣の駅

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北海道旅客鉄道(JR北海道)
釧網本線[17]
浜小清水駅 (B74) - 止別駅 (B73) - 知床斜里駅 (B72)

脚注

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注釈

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  1. ^ 郵便番号検索などで「やんべつ」の表記が見られる。

出典

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  1. ^ 太田幸夫『北海道の駅 878ものがたり ~駅名のルーツ探求~』(1版)富士コンテム、札幌市、2004年2月29日、139頁。ISBN 4-89391-549-5 
  2. ^ 日本国有鉄道営業局総務課 編『停車場一覧 昭和41年3月現在』日本国有鉄道、1966年、246頁。doi:10.11501/1873236https://doi.org/10.11501/18732362023年4月2日閲覧 
  3. ^ 「北浜 - 斜里間の鉄道開通」『北海タイムス』1925年11月17日(大正ニュース事典編纂委員会 『大正ニュース事典第7巻 大正14年-大正15年』本編p.475 毎日コミュニケーションズ刊 1994年)
  4. ^ a b c 『北海道 駅名の起源』(第1版)日本国有鉄道北海道総局、札幌市、1973年3月25日、165頁。ASIN B000J9RBUY 
  5. ^ 『鉄道百年の歩み』 pp. 83 - 84
  6. ^ 『鉄道百年の歩み』 p. 101
  7. ^ 『鉄道百年の歩み』 pp. 111 - 112
  8. ^ a b 『鉄道百年の歩み』 p. 113
  9. ^ 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 II』(初版)JTB、1998年10月1日、925頁。ISBN 978-4-533-02980-6 
  10. ^ a b c 山田秀三 (2018-11-30). 北海道の地名. アイヌ語地名の研究 山田秀三著作集 別巻 (2 ed.). 浦安市: 草風館. p. 217. ISBN 978-4-88323-114-0 
  11. ^ アイヌ語地名リスト モク~リ P131-140”. アイヌ語地名リスト. 北海道 環境生活部 アイヌ政策推進室 (2007年). 2017年10月19日閲覧。
  12. ^ 『北海道 駅名の起源』(第1版)日本国有鉄道北海道総局、札幌市、1973年3月25日、164頁。ASIN B000J9RBUY 
  13. ^ 『北海道 釧網本線』 p. 80
  14. ^ 「存廃に揺れる北辺の本線」『鉄道ジャーナル』No.610、2017年8月、50頁。 
  15. ^ 「駅を訪ねて 北の大地を縦横断」『旅と鉄道』No.96、1995年7月、29頁。 
  16. ^ 藤田, 稔 編『国鉄全駅大事典』藤田書店、1980年4月30日、915頁。doi:10.11501/12065814https://dl.ndl.go.jp/pid/12065814 
  17. ^ 下り順に記載。路線は知床斜里駅方の東釧路駅が起点。

JR北海道

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  1. ^ 釧網線(東釧路・網走間)」(PDF)『線区データ(当社単独では維持することが困難な線区)』、北海道旅客鉄道、2017年12月8日。オリジナルの2017年12月9日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20171209102545/http://www.jrhokkaido.co.jp/corporate/senku/pdf/senku/08.pdf2017年12月10日閲覧 
  2. ^ 釧網線(東釧路・網走間)」(PDF)『線区データ(当社単独では維持することが困難な線区)(地域交通を持続的に維持するために)』、北海道旅客鉄道株式会社、3頁、2018年7月2日。オリジナルの2018年8月19日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20180818153329/http://www.jrhokkaido.co.jp/corporate/region/pdf/senku/08.pdf2018年8月19日閲覧 
  3. ^ 釧網線(東釧路・網走間)” (PDF). 線区データ(当社単独では維持することが困難な線区)(地域交通を持続的に維持するために). 北海道旅客鉄道. p. 3 (2019年10月18日). 2019年10月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年10月18日閲覧。
  4. ^ 釧網線(東釧路・網走間)” (PDF). 地域交通を持続的に維持するために > 輸送密度200人以上2,000人未満の線区(「黄色」8線区). 北海道旅客鉄道. p. 3 (2020年10月30日). 2020年11月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年11月2日閲覧。
  5. ^ 駅別乗車人員 特定日調査(平日)に基づく”. 北海道旅客鉄道. 2022年8月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月14日閲覧。
  6. ^ 駅別乗車人員 特定日調査(平日)に基づく”. 北海道旅客鉄道. 2022年9月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年9月3日閲覧。
  7. ^ 駅別乗車人員 特定日調査(平日)に基づく”. 北海道旅客鉄道. 2023年11月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年11月10日閲覧。
  8. ^ 駅別乗車人員 特定日調査(平日)に基づく”. 北海道旅客鉄道 (2024年). 2024年9月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年9月9日閲覧。

参考文献

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関連項目

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外部リンク

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