民度
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民度(みんど、中:素质)とは特定の地域・国に住む人々または、特定の施設・サービスの利用者(ユーザー)・参加者・ファン等のある集団の平均的な知的水準、教育水準、文化水準、マナー、行動様式などの成熟度の程度を指す。民度は高いほど良いとされている[1][2][3][4][信頼性要検証][5][6][7]。特定集団のある平均レベル・マナーの度合い以外に明確な定義はなく、曖昧につかわれている言葉である[8][9][7][信頼性要検証]。中国に概念が輸出され、「(国民)素质(日:素質)」とし、中国政府含めた官民問わず使われている[3][10][11][12][13][14]。無料又は低価格帯サービスは民度が低い人やクレーマーが集まる傾向にあり、このようなネットサービスの場合はデジタルスラム化するとの意見が出ている[15]。
概要
[編集]起源は不明ながら戦前から存在する言葉である。辞典への収載例をさかのぼると、1907年(明治40年)三省堂書店発行の『辞林』(金澤庄三郎編纂)では「人民の文野又は貧富の度合」[16]、1910年(明治43年)郁文舎発行の『増補訂正 漢和大辞林』(郁文舎編輯所編纂・芳賀剛太郎増補訂正著)では「人民の生活の程度、又、人民の進歩の程度にいふ」[注 1][18]と語意が解説されている。
これを裏付ける使用の一例として、1934年(昭和9年)8月9日付『京城日報』[19]には「民度」という表現が複数回みられるが、いずれも本来の語意である「国民あるいは住民の生活の貧富や文明の進歩の程度」[1]に沿った文脈であり、暗に善悪を匂わせるような用法ではないことが確認できる。
他方、1949年(昭和24年)に尾崎書房から発行された『随筆てんやわんや[注 2]』(獅子文六著)では「飛驒の山奥の振り米傳説が、そつくりそのまゝウラカタに持ち來られ、町の人々の笑話にされる。要するに、あらゆる點から、民度が低いのである[20]」という表現がみられるなど、戦後混乱期には既に「民度」を批判の手段として用いていた例も確認されている。
関連項目
[編集]脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b 日本国語大辞典,デジタル大辞泉, 精選版. “民度とは”. コトバンク. 2021年7月7日閲覧。
- ^ “コロナ禍で「落とし物が激減」 都内の遺失物倉庫はガラガラ…特に減ったモノは? (FNNプライムオンライン)”. Yahoo!ニュース. 2020年12月23日閲覧。
- ^ a b “日本に対する中国の「民度コンプレックス」(宮崎紀秀) - Yahoo!ニュース” (日本語). Yahoo!ニュース 個人 2018年9月11日閲覧。
- ^ China, Record. “結局のところ日中の間にはどれほどの差があるのか?中国ネットが議論=「最大の差は民度の平均にある」「まだ差はあるが中国は必ず日本を超える」”. Record China. 2020年4月8日閲覧。
- ^ “ファーストサマーウイカ、テレビ番組の“民度の違い”に言及「ダウンタウンさんの…」”. E-TALENTBANK co.,ltd.. 2020年11月13日閲覧。
- ^ 日本国語大辞典, デジタル大辞泉,精選版. “民度とは”. コトバンク. 2020年11月13日閲覧。
- ^ a b 「<上海万博>中国人の「民度」が万博最大の展示品=日本やヨーロッパを目指せ-中国」(レコードチャイナ)
- ^ “メディアリテラシー”. www.tv-tokyo.co.jp. テレビ東京. 2022年2月5日閲覧。
- ^ 「金持ち、勝ち組、インテリはテレビなんか見なくなった/大橋巨泉氏」(ビジネス日経「TV WARS」)
- ^ “綜合國力 日經中文網”. archive.is (2020年4月8日). 2020年4月8日閲覧。
- ^ “民度の中国語訳 - 中国語辞書 - Weblio日中中日辞典”. cjjc.weblio.jp. 2020年4月8日閲覧。
- ^ https://spc.jst.go.jp/experiences/karyu/karyu_1608.html
- ^ “大家谈中国:习主席一句话看国民“素质”” (中国語). BBC News 中文 (2014年9月18日). 2020年11月13日閲覧。
- ^ “セクハラ拒んだ女性に激しい集団暴力、2人が集中治療室に…中国世論が怒りで沸騰(読売新聞オンライン)”. Yahoo!ニュース. 2022年6月24日閲覧。
- ^ “民度低すぎ!? いま「スラム化」しているネットのサービスはどれ? (2019年5月2日)”. エキサイトニュース. 2022年2月5日閲覧。
- ^ 『辞林』 - 国立国会図書館デジタルコレクション
- ^ 『漢和大辞林』 - 国立国会図書館デジタルコレクション
- ^ 『漢和大辞林 増訂版』 - 国立国会図書館デジタルコレクション
- ^ “米と朝鮮:高田米穀顧問の調査報告 京城日報 1934-08-09”. 新聞記事文庫. 神戸大学. 2022年9月13日閲覧。
- ^ 『てんやわんや : 随筆』 - 国立国会図書館デジタルコレクション