石川県政記念しいのき迎賓館
石川県政記念しいのき迎賓館 | |
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情報 | |
旧名称 | 石川県庁本庁舎 |
用途 | 複合文化施設 |
旧用途 | 行政庁舎 |
設計者 | 矢橋賢吉[1] |
施工 | 日本土木 |
建築主 | 石川県庁 |
事業主体 | 石川県 |
管理運営 | 指定管理者:KCSコンソーシアム[2] |
構造形式 | 鉄筋コンクリート構造 |
延床面積 | 8,642.1 m² |
階数 | 地上3階(一部4階) |
着工 | 1922年6月 |
竣工 | 1924年6月8日 |
開館開所 | 2010年4月10日[3] |
所在地 |
〒920-0962 石川県金沢市広坂二丁目1番1号[4] |
座標 | 北緯36度33分44.52秒 東経136度39分28.11秒 / 北緯36.5623667度 東経136.6578083度座標: 北緯36度33分44.52秒 東経136度39分28.11秒 / 北緯36.5623667度 東経136.6578083度 |
文化財 | 登録有形文化財[5] |
指定・登録等日 | 2021年6月24日[5] |
備考 | 管理運営者は2017年度時点 |
石川県政記念しいのき迎賓館(いしかわけんせいきねんしいのきげいひんかん、英称: Shiinoki Cultural Complex, Ishikawa Prefecture、略称: SCC[6])は、石川県金沢市広坂の旧石川県庁舎跡地に新たに開業した多目的施設である。通称はしいのき迎賓館[1][7]。
ここでは、旧石川県庁(石川県庁舎)についても記載する。玄関の前にある2本のシイノキは「堂形のシイノキ」と呼び、国の天然記念物に指定されている[8]。
概要
[編集]旧石川県庁として1924年(大正13年)[1]6月8日に竣工。石川県内の建築物としては初めて鉄筋コンクリート構造を採用したもので、日本国内では最古となる鉄筋コンクリート構造の県庁舎(現在・過去ともに)である[1][9]。国会議事堂などの設計を手掛けた矢橋賢吉の設計によって建設された[1]。外観は左右対称で上空から見ると「日」の字を横にした構造となっている[1]。石川県庁が金沢市鞍月に移転するまでは、永らく広坂地区のランドマークとして位置づけられていた。外観には武豊産のスクラッチタイルを使用したり、建設当時としては最新設備であった水洗式便所や電気ストーブを採用するなど近代的な技術も取り入れている[1]。
2003年(平成15年)1月に、石川県庁舎の金沢市鞍月への移転に伴い跡地利用が浮上し、旧庁舎を活用[9]。金沢城公園側はガラス張り構造とし[1]、金沢市役所側の正面は庁舎をそのまま保存する形で開業した[1][9]。また、現在の施設には免震構造を採用しており、2011年度にはグッドデザイン賞を受賞している[4]。
2021年(令和3年)、文化審議会は石川県政記念しいのき迎賓館を登録有形文化財に登録するよう文部科学大臣に答申[9][10]。同年6月24日、官報での告示によって登録有形文化財として登録された[5]。
主な施設
[編集]- 1階:しいのきプラザ、ギャラリーA・B、カフェ&ブラッスリー ポール・ボキューズ、セレクトショップGIO
- 2階:イベントホール、ガーデンルーム、レストラン ジャルダン ポール・ボキューズ
- 3階:セミナールームA・B、大学コンソーシアム石川事務局、国連大学高等研究所いしかわ・かなざわオペレーティング・ユニット
名称
[編集]正式名称決定までは「旧石川県庁跡地構想」だった。正式名称は1200件の応募の中で、しいのき迎賓館が選ばれた。
- しいのき:建物や周辺の土地をイメージしやすい堂形のシイノキ(迎賓館前にある樹齢300年の一対のシイノキ、国の天然記念物)から[1][8]。ひらがな表記にすることで、優しさを表現した。
- 迎賓館:県内外の人をもてなす場所という意味を込めた。
- 石川県政記念:周辺が明治時代から県政に使われ、建物が1924年(大正13年)から県庁舎として利用され続けてきたことにちなんで加えられた。
歴史
[編集]ここでは旧石川県庁時代からのものも記載する。
- 1924年(大正13年)6月8日 - 石川県内初の本格的鉄筋コンクリート建築物として竣工。
- 2003年(平成15年)1月6日 - 石川県庁が鞍月に移転。
- 2006年(平成18年) - 基本構想プロポーザル、県庁跡地等活用基本構想策定。
- 2007年(平成19年) - 基本・実施設計(山下設計)。
- 2008年(平成20年)10月 - 建設工事着工。
- 2010年(平成22年)
- 2024年(令和6年)1月1日 - 能登半島地震。通用口の階段が崩れる被害が発生[11]。
整備計画概要
[編集]- 計画名:(仮称)旧県庁舎本館南ブロック改修工事
- 所在地:石川県金沢市広坂二丁目1番1号
- 建築主:石川県[4]
- 設計・監理:山下設計[4][12]
- 階数:地上3階、地下1階
- 構造規模 既存部分:鉄筋コンクリート構造、地上3階、塔屋1階、延べ面積3,172.2m2
- 増築部分:鉄骨構造・鉄骨鉄筋コンクリート構造、地上2階(一部3階)地下1階、延べ面積1,715.7m2
- 用途:複合用途(事務所、ギャラリー、飲食店)
工事の概要
[編集]旧石川県庁再整備も含まれた工事の概要を表示する。
第1期工事
[編集]2010年(平成22年)供用 この際にエレベーターを2基増設した(三精テクノロジーズ製)
第2期工事
[編集]2015年(平成27年)供用
- 広坂庁舎1号館地上部を解体撤去し、地下に駐車場を整備される。
- 広坂庁舎1号館の地上部および旧議事堂跡駐車場部分を緑地として整備される。
交通
[編集]- 北鉄バス、西日本JRバス「広坂・21世紀美術館」バス停下車すぐ。
- 北鉄バス、西日本JRバス「香林坊」バス停下車、徒歩5分。
- まちバス「金沢21世紀美術館・兼六園(真弓坂口)」バス停下車(土日祝日運行)。
- 金沢ふらっとバス「市役所・21世紀美術館」バス停下車すぐ(材木ルート)、または「21世紀美術館バス停」下車(菊川ルート)。
周辺施設
[編集]脚注
[編集]- ^ a b c d e f g h i j 「しいのき迎賓館(金沢市) 木と調和 旧石川県庁舎」『日本経済新聞』朝刊(北陸版)2021年4月3日、39面。
- ^ 『指定管理者12施設「優」 しいのき迎賓館 青少年研修センター最高評価』(2018年11月27日付北國新聞朝刊2面)2020年5月30日閲覧
- ^ a b “大正時代の歴史映す旧石川県庁舎を改築-「しいのき迎賓館」オープン”. 金沢経済新聞 (2010年4月13日). 2021年6月20日閲覧。
- ^ a b c d 旧石川県庁舎本館の保存再生と県庁跡地の利活用 石川県政記念しいのき迎賓館 - グッドデザイン賞
- ^ a b c 旧石川県庁舎本館(石川県政記念しいのき迎賓館) - 文化遺産オンライン(文化庁)
- ^ “記者会見の要旨 - 平成22年1月4日 - 2 しいのき迎賓館”. 石川県総務部秘書課 (2010年1月4日). 2021年6月20日閲覧。
- ^ “しいのき迎賓館 入館者500万人達成 白山・鶴尾さん家族「良い思い出できた」”. 北陸中日新聞Web. (2021年4月4日). オリジナルの2021年4月4日時点におけるアーカイブ。 2022年3月28日閲覧。
- ^ a b 堂形のシイノキ - 文化遺産オンライン(文化庁)
- ^ a b c d “しいのき迎賓館来館500万人 旧石川県庁が国文化財へ”. 朝日新聞デジタル. (2021年4月4日). オリジナルの2021年6月30日時点におけるアーカイブ。 2022年3月28日閲覧。
- ^ “文化審議会の答申(登録有形文化財(建造物)の登録)について 一覧表” (PDF). 文化庁 (2021年3月19日). 2021年6月20日閲覧。
- ^ “所管施設の被害(県民文化スポーツ部)”. 石川県 (2024年1月13日). 2024年1月12日閲覧。
- ^ “山下設計 プロジェクトストーリーNo.13 コーディネイト&リノベーション 石川県政記念 しいのき迎賓館”. 2012年1月16日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 石川県政記念しいのき迎賓館関連
- 石川県政記念しいのき迎賓館
- しいのき迎賓館 (@info_shiinoki) - X(旧Twitter)
- 石川県政記念しいのき迎賓館 (shiinokigeihinkan) - Facebook
- 石川県政記念しいのき迎賓館 (@shiinoki_official) - Instagram
- 旧石川県庁舎本館(石川県政記念しいのき迎賓館) - 国指定文化財等データベース(文化庁)
- 堂形のシイノキ関連