菊池清麿
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菊池 清麿(きくち きよまろ、1960年[1] - )は、日本の伝記作家、音楽メディア史研究家。日本政治思想史専攻。音楽では声楽を学び一時期、演奏家としても活動した。
来歴
[編集]岩手県宮古市出身[1]。明治大学政治経済学部政治学科卒業[1]、同大学大学院政治経済学研究科修了(修士)[1]。学部時代は古賀政男の明治大学マンドリン倶楽部で音楽を、橋川文三の日本政治思想史を学ぶ[1]。当初、橋川文三のゼミ(日本政治思想史)だったが、橋川死去のため後藤総一郎の第2ゼミとなる。大学院で後藤総一郎に柳田国男の思想を学び、柳田國男の農政学を中心に民俗学への思想研究をおこなった。
1994年から1998年2月まで、シオン短期大学兼任講師として日本思想史、歴史学概論を講義した。2006年から2014年度まで淑徳大学エクステンション講師。
藤山一郎、古関裕而、服部良一、古賀政男、中山晋平などの日本近代の大衆音楽偉人の評伝・伝記を執筆している[1]。歴史書としては『日本流行歌変遷史』があり、歌謡曲の誕生からJ・ポップの到来までの歴史過程が記されている。2021年『宮澤賢治浅草オペラ・ジャズ・レヴューの時代』(論創社)を上梓。文芸評論にも作品の分野を広げる。『駿河台文芸』の同人誌で日本近代文学と流行歌をテーマに石川啄木、宮澤賢治、永井荷風と日本の近代流行歌を論じている。思想史の分野では『明治国家と柳田国男「地方」をめぐる「農」と「民俗」』を上梓、橋川文三、後藤総一郎の思想史としての柳田学を継承する。レコード歌謡と野球史をテーマに『日本プロ野球歌謡史』を上梓し国民的感動をもたらした歌と野球の時代相を描く。
著書
[編集]- 『藤山一郎 歌唱の精神』春秋社 1996
- 『さすらいのメロディー 鳥取春陽伝 日本流行歌史の一断面・演歌とジャズを駆け抜けた男』郁朋社 1998
- 『評伝古賀政男 青春よ永遠に』アテネ書房 2004
- 『国境の町 東海林太郎とその時代』北方新社 2006
- 『流行歌手たちの戦争』光人社 2007
- 『中山晋平伝 近代日本流行歌の父』郷土出版社 2007
- 『日本流行歌変遷史 歌謡曲の誕生からJ・ポップの時代へ』論創社 2008
- 『永遠の歌姫佐藤千夜子』東北出版企画 2008
- 『私の青空 二村定一 ジャズ・ソングと軽喜劇黄金時代』論創社 2012
- 『評伝古関裕而 国民音楽樹立への途』彩流社 2012
- 『流浪の作曲家 阿部武雄』東北出版企画 2012
- 『評伝服部良一 日本ジャズ&ポップス史』彩流社 2013
- 『天才野球人田部武雄』彩流社 2013
- 『ツルレコード昭和流行歌物語』人間社/樹林舎 2015
- 『評伝古賀政男 日本マンドリン&ギター史』彩流社 2015
- 『昭和演歌の歴史 その群像と時代』アルファベータブックス 2016
- 『昭和軍歌 軍国歌謡の歴史 歌と戦争の記憶』アルファベータブックス 2019
- 『新版評伝古関裕而 国民音楽への樹立』彩流社 2020
- 『宮澤賢治 浅草オペラ・ジャズ・レヴューの時代』論創社 2021
- 『明治国家と柳田国男 「地方」をめぐる「農」と「民俗」への探求』弦書房 2021
- 『日本プロ野球歌謡史―野球ソングスの時代】彩流社 2021
- 『増補新版評伝服部良一 日本ジャズ&ポップス史』彩流社 2023
研究論文
- 「柳田国男の産業組合思想(1)」(『明治大学大学院政治経済学研究紀要』第28集、1991年、2月)
- 「柳田国男の産業組合思想(2)」(『明治大学大学院政治経済学研究紀要』第29集、1992年、2月)
- 『「明治国家の政治支配と産業組合」(『明治大学大学院政治経済学研究紀要』第三十集、1993年、2月)
- 「明治思想史の一断章-明治近代主義と柳田国男・民俗への志向」(『シオン短期大学研究紀要』第34号、1994年、12月)
- 「柳田国男と労働運動序説」(『初期社会主義研究』第8号、1995年)
- 「流行歌に見る昭和モダニズムの精神風景」(『シオン短期大学研究紀要』第36号、1996年、12月)
- 「民権演歌の思想構造」(『創造』第26号、1997年、3月)
- 「近代日本と流行歌における一考察」『シオン短期大学研究紀要』第37号、1997年、12月)
- 「昭和SPレコード歌謡産業発達史-黎明期における一考察」(『メディア史研究』第14号、2003年、5月)
- 「近代日本と古賀メロディーの心情」(『メディア史研究』第16号、2004年、4月)
- 「近代日本思想史研究と柳田国男」(『駿河台文芸』40号、2021年、5月)
- 「宮澤賢治『セロ弾きのゴーシュ』―日本近代音楽史の一断面」(『賢治学+』(【第2集】、2022年、6月)
- 「柳田国男ー『明治大正史 世相篇》の思想的意味」(『駿河台文芸』46号。2023年、7月)