西順蔵
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人物情報 | |
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生誕 |
1914年8月30日 日本広島県広島市 |
死没 | 1984年6月12日 (69歳没) |
出身校 | 東京帝国大学 |
学問 | |
研究分野 | 倫理学・思想史(中国近代思想史) |
研究機関 | 国民精神文化研究所・京城帝国大学・東京産業大学・和光大学 |
西 順蔵(にし じゅんぞう、旧字体:西 順藏、1914年8月30日 - 1984年6月12日)は、中国思想史家、一橋大学名誉教授。
経歴
[編集]1914年、広島県広島市生まれ。倫理学者・旧制広島文理科大学教授であった西晋一郎の次男として生まれる。旧制広島高校を経て、1937年に東京帝国大学文学部支那文学哲学科を卒業し、同大学院に進学。卒業後は1938年、文部省国民精神文化研究所助手に就任。1942年京城帝国大学文学部助教授を経て、1944年に京城で大日本帝国陸軍第49師団歩兵第106連隊に二等兵として3ヶ月入隊。
1946年、第二次世界大戦終戦にともなう京城帝国大学廃止により退官。日本へ引き上げ、同年東京産業大学(現一橋大学)予科教授に就任。1949年に一橋大学社会学部助教授、1958年同教授に昇格、1966年一橋大学第6代社会学部長。1978年に定年退官して名誉教授。その後は和光大学人文学部教授となった。
研究内容・業績
[編集]- 戦後昭和における近現代中国思想史研究の開拓者の一人であり、アンソロジー『原典中国近代思想史』(旧版全6冊、岩波書店刊)の編集を単独で担当したことで知られる。
- 門下に佐藤公彦(東京外国語大学名誉教授)、天児慧(早稲田大学名誉教授)[1]、井上義夫(一橋大学名誉教授)、坂元ひろ子(一橋大学名誉教授)など[2]。
- また、在日アジア人差別などの社会問題に関心を抱き、反差別の市民運動にも積極的に参加した。
著書
[編集]単著
[編集]- 『滿洲國の宗教問題』(大東亞文化建設研究・第4冊)國民精神文化研究所、1943年5月
- 『中国思想論集』 筑摩書房、1969年
- 『日本と朝鮮の間 京城生活の断片、その他』 影書房、1983年8月
- 『西順蔵著作集』(全3巻・別巻1)、内山書店、1995年〜1996年、同刊行委員会編、別巻は「西順蔵 人と学問」
編著
[編集]- 『原典中国近代思想史』(全6冊)岩波書店、1976年〜1977年
- 1 アヘン戦争から太平天国まで、2 洋務運動と変法運動、3 辛亥革命
- 4 五四運動から国民革命まで、5 毛沢東思想の形成と発展、6 国共分裂から解放戦争まで
- 『東京の被差別部落』明石書店、1981年2月
共編著
[編集]- 『中国文化叢書・第6巻 宗教』(窪徳忠共編)大修館書店、1967年
- 『中国古典文学大系58 清末民国初政治評論集』(島田虔次共編)平凡社、1971年
- 『叢書 現代のアジア・アフリカ・第10巻 日本:内への差別外への侵略』(藤島宇内・菅沼正久共著)三省堂、1972年
- 『世界差別問題叢書 アジアの差別問題』(小島晋治共編)明石書店、1986年12月
刊行訳書
[編集]脚注
[編集]- ^ 「昭和52年度 学位授与・単位修得論文」一橋研究
- ^ 私の「英文学事始め」一橋大学創立150年史準備室ニューズレター
参考文献
[編集]- 木山英雄編『西順蔵 人と学問』(著作集別巻)内山書店、1995年4月