コンテンツにスキップ

角田房子

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

角田 房子(つのだ ふさこ、女性、1914年(大正3年)12月5日 - 2010年(平成22年)1月1日)は、日本ノンフィクション作家日本ペンクラブ名誉会員。本名は角田フサ(つのだ ふさ)[1]、旧姓・中村。

来歴・人物

[編集]

東京府生まれ[2]。福岡女学校(現 福岡女学院中学校・高等学校)専攻科卒業後、ソルボンヌ大学へ留学。第二次世界大戦勃発により、ソルボンヌ大学を中退[2]して帰国。戦後、新聞記者の夫の転勤に伴って再度渡仏した。1960年代より執筆活動を開始。精力的な取材と綿密な検証に基づき、日本の近現代史にまつわるノンフィクションを数多く手掛けた[1]

2010年(平成22年)1月1日、角田が死去していたことが同年3月12日に公表された[3]。95歳没。

自著『閔妃暗殺―朝鮮王朝末期の国母』について

[編集]

受賞歴

[編集]

著書

[編集]

単著

[編集]
  • 『見たこと考えたこと・ヨーロッパからわが子へ』毎日新聞社、1960年。 
  • 『さまよう愛国心』文芸春秋新社、1961年。 
  • 『東独のヒルダ』文芸春秋新社〈ポケット文春〉、1963年。  - 1961年 文藝春秋読者賞受賞。
  • 『遠い愛の道』講談社、1963年。 
  • 『ダビデの星 パスポート四万キロ』毎日新聞社、1964年。 
  • 『風の鳴る国境』中央公論社、1965年。  - 1964年 婦人公論読者賞受賞。
    • 『風の鳴る国境』中央公論社〈中公文庫〉、1977年5月。 
  • 『アマゾンの歌 日本人の記録』毎日新聞社〈毎日ノンフィクション・シリーズ 10〉、1966年。 
    • 『アマゾンの歌 日本人の記録』中央公論社〈中公文庫〉、1976年。 
  • 『ブラジルの日系人 新天地に生きる血と汗の記録』潮出版社〈潮新書〉、1967年。 
  • 『墓標なき八万の死者 満蒙開拓団の壊滅』番町書房、1967年。 
    • 『秘録墓標なき八万の死者 満蒙開拓団の壊滅』番町書房、1972年。 
    • 『墓標なき八万の死者 満蒙開拓団の壊滅』中央公論社〈中公文庫〉、1976年。 
  • 『海外の猛烈日本人 世界に挑戦した5人の記録』ぺりかん社〈ぺりかん・ペーパー・バックス〉、1969年。 
  • 『雪椿の生涯 満州武装移民の妻』家の光協会、1970年。 
    • 『雪椿の生涯 満州移民の妻』徳間書店、1981年8月。 
    • 『満州武装移民の妻 雪椿の生涯』徳間書店〈徳間文庫〉、1985年8月。ISBN 4-19-597914-5 
  • 『いっさい夢にござ候 本間雅晴中将伝』中央公論社、1972年。 
    • 『いっさい夢にござ候 本間雅晴中将伝』中央公論社〈中公文庫〉、1975年。 
  • 『われら脱国境人 異郷に生きる日本の血』日本交通公社〈ベルブックス〉、1973年。 
  • 『甘粕大尉』中央公論社、1975年。 
    • 『甘粕大尉』中央公論社〈中公文庫〉、1979年5月。 
    • 『甘粕大尉』(増補改訂)筑摩書房〈ちくま文庫〉、2005年2月。ISBN 4-480-42039-8 
  • 『約束の大地』新潮社、1977年2月。 
  • 『碧素・日本ペニシリン物語』新潮社、1978年7月。 
    • 『碧素・日本ペニシリン物語』内藤記念くすり博物館、1994年7月。 
  • 角田房子述『アマゾンの歌・取材の思い出』日本ブラジル中央協会〈資料 第40号〉、1979年10月。 
  • 『一死、大罪を謝す 陸軍大臣阿南惟幾』新潮社、1980年8月。 
    • 『一死、大罪を謝す 陸軍大臣阿南惟幾』新潮社〈新潮文庫〉、1983年7月。ISBN 4-10-130801-2 
    • 『一死、大罪を謝す 陸軍大臣阿南惟幾』PHP研究所〈PHP文庫〉、2004年8月。ISBN 4-569-66235-8 
    • 『一死、大罪を謝す 陸軍大臣阿南惟幾』筑摩書房〈ちくま文庫〉、2015年2月。ISBN 4-480-43252-3 
  • 『ミチコ・タナカ 男たちへの讃歌』新潮社、1982年3月。 
    • 『ミチコ・タナカ 男たちへの讃歌』新潮社〈新潮文庫〉、1985年2月。ISBN 4-10-130802-0 
  • 『責任 ラバウルの将軍今村均』新潮社、1984年5月。ISBN 4-10-340902-9  - 1985年 新田次郎文学賞受賞。
    • 『責任 ラバウルの将軍今村均』新潮社〈新潮文庫〉、1987年7月。ISBN 4-10-130803-9 
    • 『責任 ラバウルの将軍今村均』筑摩書房〈ちくま文庫〉、2006年2月。ISBN 4-480-42151-3 
  • 『宮坂国人伝』南米銀行、1985年10月。 
  • 『閔妃暗殺 朝鮮王朝末期の国母』新潮社、1988年1月。ISBN 4-10-325806-3  - 1988年 新潮学芸賞受賞。
    • 『閔妃暗殺 朝鮮王朝末期の国母』佐藤みどり (手製)、1989年。  - 点字資料。
    • 『閔妃暗殺 朝鮮王朝末期の国母』新潮社〈新潮文庫〉、1993年7月。ISBN 4-10-130804-7 
  • 『味に想う』日本経済新聞社、1988年4月。ISBN 4-532-09461-5 
    • 『味に想う』中央公論社〈中公文庫〉、1993年1月。ISBN 4-12-201966-4 
  • 『わが祖国 禹博士の運命の種』新潮社、1990年12月。ISBN 4-10-325807-1 
    • 『わが祖国 禹博士の運命の種』新潮社〈新潮文庫〉、1994年8月。ISBN 4-10-130805-5 
  • 『悲しみの島サハリン 戦後責任の背景』新潮社、1994年3月。ISBN 4-10-325808-X 
    • 『悲しみの島サハリン 戦後責任の背景』新潮社〈新潮文庫〉、1997年3月。ISBN 4-10-130806-3 

短編

[編集]

翻訳

[編集]
  • アンヌ・フィリップ『ためいきのとき』角田房子訳、鹿島研究所出版会、1964年。 
    • アンヌ・フィリップ『ためいきのとき 若き夫ジェラール・フィリップの死』平凡社、1983年9月。 
    • アンヌ・フィリップ『ためいきのとき 若き夫ジェラール・フィリップの死』筑摩書房〈ちくま文庫〉、1996年12月。 

脚注

[編集]
  1. ^ a b 作家の角田房子さん死去/丹念な取材で「閔妃暗殺」”. 四国新聞社. 2022年8月18日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g 角田房子 | 著者プロフィール”. www.shinchosha.co.jp. 新潮社. 2022年8月18日閲覧。
  3. ^ 作家の角田房子さんの死去判明”. MSN産経ニュース (2010年3月12日). 2010年3月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年9月14日閲覧。

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]