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谷晃

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
たに あきら
谷 晃
本名 道家 巻蔵
生年月日 (1910-09-22) 1910年9月22日
没年月日 (1966-08-11) 1966年8月11日(55歳没)
出生地 日本の旗 日本大阪府大阪市
死没地 日本の旗 日本東京市北多摩郡狛江町覚東[注釈 1]
国籍 日本の旗 日本
職業
ジャンル
活動期間 1934年 - 1966年
主な作品
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谷 晃たに あきら[1][2]1910年明治43年〉9月22日[1][3] - 1966年昭和41年〉8月11日[1][3])は、日本の俳優演出家。本名は道家 巻蔵。大阪府大阪市出身[1]

後に東宝映画の社長となる俳優兼プロデューサー田中友幸とは親友の間柄で、同じ俳優の金平軍之助映画監督稲垣浩とも親しかった。

生涯

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大阪市立東商業学校(現・大阪市立東商業高等学校)を卒業後、様々な仕事をこなして貯金を作り、1934年に新響劇場を設立、1936年に大阪協同劇団に加わり[1]舞台俳優として活躍した。1940年の劇団解散に伴って1941年東宝に入社し、同社の劇団部では演出家としても活躍した。

1940年には映画『船出は楽し』で念願の初主演を果たし、その後も亡くなるまでの26年間に様々なテレビドラマや東宝を中心とした映画で活躍した。かの黒澤明監督の『七人の侍』にも出演している。主役よりも脇役が多かったが、個性的な演技で名脇役として名を馳せた。その出演数は映画だけでも110本以上に及ぶほどの活躍ぶりで、当時は知名度も抜群の俳優であった。書籍『ゴジラ大百科 [メカゴジラ編]』では、「腹にいちもつある小悪党が得意」と評している[2]

1966年、東映との専属契約を解消してテレビ俳優として本格的な俳優活動を開始した。しかし、その直後に持病の高血圧による言語障害を発症してしまう。入院や治療を行いながら活動を続けたものの同年8月11日東京市北多摩郡狛江町覚東[注釈 1]の自宅で首吊り自殺を遂げた。55歳没。同年公開の映画『クレージーの無責任清水港』と同年に放送されたテレビ特撮ドラマ『ウルトラQ』などが遺作となってしまった。

自殺の原因は、前述の持病や後遺症による俳優業の伸び悩み、高額な治療費などの借金などが挙げられているが、遺書を遺さなかったため詳しいことは分かっていない。谷は亡くなる前日まで元気に振舞っていたと言い、谷を慕う親友たちは突然の訃報に絶句したと言う。

娘の子(孫、生まれたのは谷の没後の1974年)は落語家の柳亭こみち[4]

主な出演作品

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映画

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テレビドラマ

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  • 宮本武蔵(1957年)
  • のり平の喜劇教室 かけもち社員(1957年)
  • 新大岡政談 第1話「かどでの日」(1958年)
  • あかね(1959年)
  • 瞼の母(1959年)
  • 失敗(1959年)
  • 自由をおいらに(1959年)
  • 自由を俺らに(1959年)
  • 多甚古村(1960年)
  • 脱走(1960年)
  • 坊つちやん(1960年) - 野だいこ
  • 松本清張シリーズ黒い断層第6・7話「恐喝者」(1960年、KR
  • 卑怯者(1960年)
  • これが真実だ 第33話「葛飾北斎」(1960年)
  • 夫婦百景(NTV)
    • 第127話「お荷物亭主」(1960年)
    • 第132話「果報者亭主」(1960年)
    • 第153話「相惚れ夫婦」(1961年)
    • 第163話「偏屈なる亭主」(1961年)
    • 第309・310話「銀座糞尿譚」(1964年)
  • 女の四季 第29話「花と巫女さん」(1960年)
  • 街の隅っこ(1960年)
  • はみだし十郎(1960年 - 1961年)
  • 裸の家族(1960年)
  • 名勝負物語
    • 第9〜11話「二人の王将」(1960年)
    • 第17・18話「本因坊物語」(1961年)
  • ぼろと宝石(1960年)
  • ここに人あり 第165話「村のよろず苦情処理係」(1961年)
  • こわれた瓶(1961年)
  • 投資夫人(1961年)
  • アメリカ部落(1961年)
  • 国士無双(1961年)
  • がめつい奴
  • 浮気とシャックリ(1965年)
  • ウルトラQ 第2話「五郎とゴロー」(1966年、TBS) - 村人
  • 石になるまで……(1966年)
  • 泣いてたまるか

脚注

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注釈

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出典

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  1. ^ a b c d e f 東宝特撮映画全史 1983, p. 531, 「怪獣・SF映画俳優名鑑」
  2. ^ a b c d ゴジラ大百科 1993, p. 124, 構成・文 岩田雅幸「決定保存版 怪獣映画の名優名鑑」
  3. ^ a b c 野村宏平、冬門稔弐「9月22日」『ゴジラ365日』洋泉社映画秘宝COLLECTION〉、2016年11月23日、273頁。ISBN 978-4-8003-1074-3 
  4. ^ 喜怒哀楽のサラリーマン時代 柳亭こみちさん<5>人生の醍醐味は人と触れ合うこと”. 日刊ゲンダイDIGITAL (2018年6月16日). 2024年4月16日閲覧。
  5. ^ a b c 東宝特撮映画全史 1983, pp. 535–537, 「主要特撮作品配役リスト」
  6. ^ 東宝特撮映画大全集 2012, p. 39, 「『日本誕生』作品解説/俳優名鑑」
  7. ^ 東宝特撮映画大全集 2012, p. 91, 「『怪談』作品解説/俳優名鑑」

参考文献

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