連綿体
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連綿体(れんめんたい)は、続け字の書体であり[1]、欧文書体のスクリプト体に相当する。元々、連綿体は手書き書体であり、行書体ベースのものと、草書体ベースのものが存在していた。その後、木版印刷にも使われた。
活版印刷時代より明朝体に取って代わられたため、使われる機会が少なくなったものの、年賀状や芸術などの用途で利用が続いている。また、コンピュータの時代となり、ゴシック体風や明朝体風の連綿体フォントも登場している。
連綿対応のフォント一覧
[編集]行書連綿体
[編集]- シーアンドジイ
- C&G流麗連綿体
- Arphic Technology
- AR祥南真筆行書連綿体
- AR行楷連綿体
- Adobe
- かづらき (連綿は一部のみ)
- 宇野由希子+山田和寛
- こうぜい (通常では意連のみ、OpenTypeの合字機能により連綿に対応。カタカナ及び漢字未収録)
- モリサワ
- 澄月[2]
草書連綿体
[編集]- 嵯峨本フォントプロジェクト
- 嵯峨本フォント
明朝体風連綿体
[編集]- モリサワ
- みちくさ[3]
ゴシック体風連綿体
[編集]- dwuk
- IKれんめんちっく[4]
連綿体活字
[編集]連綿体の金属活字が最初に使われたのは、西暦1600年前後の20年間に刊行されたキリシタン版であるが、キリシタン追放とともにその活字は消滅[5]。その後、片仮名活字は1818年にフランス王立印刷所の彫刻師ジャックマンが制作、平仮名活字は1847年にアウグスト・フィッツマイヤーの依頼でウィーン王立印刷所のアロイス・アウアーが、1854年にはレオン・ド・ロニーの指導でフランス王立印刷所のマルスラン・ルグラン(Marcellin Legrand)が制作した[5]。日本では1875年に登場した[5]。
出典
[編集]- ^ 連綿体 コトバンク
- ^ 文脈に応じて変形する筆書フォント「澄月」など、モリサワ新書体を発表 マイナビ 2021年6月24日
- ^ モリサワ 2017年の新書体を発表 モリサワ 2017年7月28日
- ^ 英筆記体風に文字同士がつながる縦書き専用かなフォント「IKれんめんちっく」 2010年7月8日
- ^ a b c 十九世紀の書籍における興味深い原版と複刻版比較三例小宮山博史、『真贋のはざま』東京大学総合研究博物館特別展、平成13年10月