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香川県庁舎

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
香川県庁舎
Kagawa Prefectural Government Office
情報
用途 行政庁舎
設計者 丹下健三
施工 大林組間組
構造形式 鉄骨構造
敷地面積 19,800 m²
延床面積 41,464 m²
階数 地上22階、地下2階
高さ 113m
竣工 2000年
所在地 760-8570
香川県高松市番町四丁目1番10号[1]
位置 北緯34度20分24.54秒 東経134度2分36.4秒 / 北緯34.3401500度 東経134.043444度 / 34.3401500; 134.043444座標: 北緯34度20分24.54秒 東経134度2分36.4秒 / 北緯34.3401500度 東経134.043444度 / 34.3401500; 134.043444
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香川県庁舎(かがわけんちょうしゃ)は香川県高松市番町にある香川県行政機関香川県庁)が入る建物群の総称。

概要

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本館、東館、北館、議会議事堂、天神前分庁舎、警察本部庁舎からなり、南側に駐輪場が完備されている。

本館、東館、警察本部庁舎は丹下健三により設計された。

歴史

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初代香川県庁舎

1872年明治5年)までは太陰暦(括弧内に太陽暦)、1873年(明治6年)以降は太陽暦による年月日。

庁舎

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本館

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竣工は2000年(平成12年)。地上22階、地下2階、最高部113メートルの鉄骨造である。延べ床面積は41,464平方メートル。

21階は展望室になっていて全方向の眺望が楽しめる。県庁舎の模型や香川県特産のサヌカイト(讃岐石)が展示されている。県内の数少ない超高層ビルの一つ。

地下に来庁者専用駐車場を備えている。それまでは来庁者用の駐車場がなかった[16]が、本館の完成でようやく自前の駐車場を持つことになった。

東館

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東館
東館の内観

現在の本館ができるまでは、これが本館と東館であった[1]

丹下の初期の傑作と評される。ファサード(正面からの姿)は、日本の伝統であるを、当時の建築技術の限界での細さで表現した。1950年代の代表建築の一つとされ[18]公共建築百選にも選ばれている。

設計は、当時の金子正則知事が香川県丸亀市出身の洋画家・猪熊弦一郎から紹介されて丹下健三に会い、彼の温厚な人柄と柔軟な思考力、鋭敏な美意識と創造にかける強烈な意欲に共鳴して、「民主主義時代に相応しい庁舎を設計してほしい」と依頼したことから始まる。 金子知事の要望に応えて丹下が設計した案は、彼が旧制高校時代から尊敬し続けてきた建築家ル・コルビュジエによる近代建築の5原則に基づくものであった。その原則とは、(1)ピロティ、(2)屋上庭園、(3)自由な平面、(4)水平連続窓、(5)自由なファサードなどであり、丹下はその原則の総てを織り込んで設計案を作成した[19]

竣工式のあいさつの中で丹下は、県庁舎が県民に開かれた空間であることを強調した[20]

1階部分の壁画「和敬清寂」は猪熊弦一郎によるものである。猪熊は、日本のあるべき民主主義は茶の精神であり、茶の精神は和敬清寂にあり、とこの壁画で表している。

壁画の制作時、猪熊はニューヨークにいたが、現場を一度も見ないまま送られてきた作品は、寸分たがわず設置場所に収まった。実は精密な模型を作り、作品を作り上げていた。

1999年(平成11年)に、日本の近代建築20選(DOCOMOMO JAPAN選定 日本におけるモダン・ムーブメントの建築)に選定された[1]

2022年令和4年)2月9日、旧本館及び東館が国の重要文化財に指定された。

北館

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  • 所在地:本館に同じ
  • 階数:地上5階

2階に香川県庁消費生活協同組合、3階から5階に会議室が入る。エレベーターは設置されておらず、本館からの連絡通路もない。

警察本部庁舎

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西側に正面が向く。玄関前の左右は駐車場になっている。本館や東館と異なり、訪れる県民は少なくひっそりとしている。

議会議事堂

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天神前分庁舎

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2階に水道局、3 - 8階に教育委員会が入る。

アクセス

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徒歩
ことでんバス県庁・日赤前下車
  • 下笠居・香西線
    • 13・14・15 中央病院・宮脇町経由便
    • 17 八本松便(平日朝1本のみ)
  • まちなかループバス:1・2
  • ショッピング・レインボー循環バス

その他

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  • 国際的な評価も高く、2021年にはニューヨークタイムズ・スタイルマガジンの最も重大な世界の戦後建築25選に選ばれた[21]

ギャラリー

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脚注

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  1. ^ a b c “丹下代表作の香川県庁東館/15年度設計を視野”. 建設通信新聞(建設通信新聞社). (2014年10月2日)
  2. ^ a b 四国新聞社著『香川歴史年表』四国新聞社、1997年10月
  3. ^ a b 高松市史編修室 編『高松市史年表』高松市、1960年2月15日、150 - 151頁。NDLJP:3030486/73 
  4. ^ a b c 高松百年史編集室著『高松百年史』高松市
  5. ^ 香川県史年表
  6. ^ 広報香川
  7. ^ a b c d e 香川県著『香川県政史年表』香川県郷土読本刊行会、1966年9月
  8. ^ 香川新報
  9. ^ 讃岐写真帖
  10. ^ a b 明・香川県史
  11. ^ 丸亀市史
  12. ^ 富田村文書
  13. ^ 月刊香川
  14. ^ 悠久の今
  15. ^ 令和4年2月9日文部科学省告示第10号。
  16. ^ これが近隣の高松高校の運動場に香川県番町地下駐車場(1993年(平成5年)開業)を建設した理由の1つである。現在も同駐車場では県庁来庁者への割引制度(1時間無料)が残っている。
  17. ^ a b c d e f g h “県庁東館保存・耐震で検討会議を発足”. 建通新聞(建通新聞社). (2013年12月13日)
  18. ^ 新建築社の『丹下健三』で多くのページが割かれている
  19. ^ セメント新聞 創刊60周年記念出版『日本のコンクリート技術を支えた人100人』114ページ
  20. ^ 香川県庁舎50周年記念プロジェクトチーム企画・発行、『香川県庁舎50』28ページ、2009年5月
  21. ^ https://www.nytimes.com/2021/08/02/t-magazine/significant-postwar-architecture.html?campaign_id=7&emc=edit_mbae_20210805&instance_id=37125&nl=morning-briefing%3A-asia-edition&regi_id=167552894&segment_id=65378&te=1&user_id=a60f7b63f824e80ecd6525779ba84631