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鶏糞

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動式の鶏舎。餌となる草を与えながら、鶏糞を肥料としてまくことができる。

鶏糞(けいふん)とは、ニワトリである。さまざまな処理によって肥料などとして利用される[1]

水分が少なく、他の牛糞などの家畜糞より堆肥化に適するとされ、発酵鶏糞・鶏糞灰などの形で利用される[2]

床材英語版おがくずを含めた鶏糞バイオマスを利用した発電も行われている[3][4]

養殖魚、養殖貝類の餌となるミジンコ・植物プランクトンの養殖に鶏糞が利用される[5][6][7]

ただし、すべての鶏糞が有効利用されているわけではなく、堆肥化などが追い付かない場合は産業廃棄物として処理される[8]。また堆肥化や発電の際に、飛散や流出などの管理が行き届いてない場合も産業廃棄物とみなされ、管理業者に自治体から指導が行われる[9][10]

比較

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肥料の種類 有機物 一年後に残る有機物 窒素 リン酸 カリウム マグネシウム 石灰 塩素
乾燥鶏糞 188 21 17 11 4,5
七面鳥 232 27 21 20
鶏糞 400 350 230 21 26 15 4 34 6
ブロイラー糞 279 28 15 20 6

関連項目

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出典

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  1. ^ 地力アップ大事典 出版:農文協、年:2022、p.538
  2. ^ 米山, 貴博、森岡, 昌子、仙北谷, 康「鶏糞堆肥と鶏糞灰のLCAを用いた肥料の流通に必要な課金額の試算」2022年10月25日、doi:10.11300/fmsj.60.3_15 
  3. ^ パルシステム、鶏糞バイオマスからオフサイトPPAで電力調達 - ニュース - メガソーラービジネス : 日経BP”. 日経BP. 2024年2月29日閲覧。
  4. ^ Huang, Y.; Anderson, M.; Lyons, G. A.; McRoberts, W. C.; Wang, Yaodong; McIlveen-Wright, D. R.; Roskilly, A. P; Hewitt, N. J. (2014-01-01). “Techno-economic Analysis of BioChar Production and Energy Generation from Poultry Litter Waste”. Energy Procedia 61: 714–717. doi:10.1016/j.egypro.2014.11.949. ISSN 1876-6102. https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1876610214027799. 
  5. ^ 埼玉県. “リュウキンの養殖技術”. 埼玉県. 2024年2月29日閲覧。
  6. ^ 鶏ふんがアサリ復活の救世主に 博多の水炊き店が「海の肥料」を開発:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル (2022年2月10日). 2024年2月29日閲覧。
  7. ^ 大野あさり、鶏ふんが救世主に 干潟に使うと生存率アップ、養殖に本格導入”. 大野あさり、鶏ふんが救世主に 干潟に使うと生存率アップ、養殖に本格導入 (2022年6月1日). 2024年2月29日閲覧。
  8. ^ 鶏ふん焼却の現状と焼却灰の有効利用 著:西部家畜保健衛生所 泉川康弘・田中隆 サイト:香川県
  9. ^ 承継事業者が撤去計画 鶏ふん流出、掛川市が報告:中日新聞しずおかWeb”. 中日新聞Web. 2024年3月1日閲覧。
  10. ^ 市民の声 鶏糞処理について指導してほしい”. www.city.aomori.aomori.jp. 2024年3月1日閲覧。