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1984年のアメリカンリーグチャンピオンシップシリーズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
1984年アメリカンリーグ
チャンピオンシップシリーズ
チーム 勝数
デトロイト・タイガース 3
カンザスシティ・ロイヤルズ 0
シリーズ情報
試合日程 10月2日–5日
観客動員 3試合合計:13万6160人
1試合平均:04万5387人
MVP カーク・ギブソン(DET)
殿堂表彰者 スパーキー・アンダーソン(DET監督)
ジャック・モリス(DET投手)
アラン・トランメル(DET内野手)
ジョン・シャーホルツ(KC GM)
ジョージ・ブレット(KC内野手)
チーム情報
デトロイト・タイガース(DET)
シリーズ出場 12年ぶり2回目
GM ビル・ラジョイ
監督 スパーキー・アンダーソン
シーズン成績 104勝58敗・勝率.642
東地区優勝

カンザスシティ・ロイヤルズ(KC)
シリーズ出場 04年ぶり5回目
GM ジョン・シャーホルツ
監督 ディック・ハウザー
シーズン成績 084勝78敗・勝率.519
西地区優勝

 < 1983
ALCS
1984

1985 > 

 < 1983
NLCS
1984

1985 > 
ワールドシリーズ

1984年の野球において、メジャーリーグベースボール(MLB)ポストシーズンは10月2日に開幕した。アメリカンリーグの第16回リーグチャンピオンシップシリーズ(16th American League Championship Series、以下「リーグ優勝決定戦」と表記)は、同日から5日にかけて計3試合が開催された。その結果、デトロイト・タイガース東地区)がカンザスシティ・ロイヤルズ西地区)を3勝0敗で下し、16年ぶり9回目のリーグ優勝およびワールドシリーズ進出を果たした。

この年のレギュラーシーズンでは両球団は12試合対戦し、タイガースが7勝5敗と勝ち越していた[1]。タイガースが先勝した翌日の第2戦では、ロイヤルズのブレット・セイバーヘイゲンがポストシーズン史上最年少の20歳175日で先発登板した[注 1][2]。タイガースはこの試合も延長戦の末に制すると、移動日を挟んで第3戦にも勝利し、負けなしのいわゆる "スウィープ" でリーグ優勝を決めた。シリーズMVPには、第2戦の初回表に先制の適時二塁打を放つなど、3試合で打率.417・1本塁打・2打点OPS 1.250という成績を残したタイガースのカーク・ギブソンが選出された。このあとタイガースは、ワールドシリーズでもナショナルリーグ王者サンディエゴ・パドレスを4勝1敗で下し、16年ぶり4回目の優勝を成し遂げた。

今シリーズでは、MLB審判員労働組合がポストシーズン出場給の分配条件変更を求めてストライキを決行したため、引退した元審判員やアマチュア審判員らが代わりに出場した。ビル・ディーガンは、複数試合連続で球審を務めたMLB史上初の人物となった[3]。労使交渉の妥結は7日と[4]、今シリーズの決着には間に合わなかった。

試合結果

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1984年のアメリカンリーグ優勝決定戦は10月2日に開幕し、途中に移動日を挟んで4日間で3試合が行われた。日程・結果は以下の通り。

日付 試合 ビジター球団(先攻) スコア ホーム球団(後攻) 開催球場
10月02日(火) 第1戦 デトロイト・タイガース 8-1 カンザスシティ・ロイヤルズ ロイヤルズ・スタジアム
10月03日(水) 第2戦 デトロイト・タイガース 5-3 カンザスシティ・ロイヤルズ
10月04日(木) 移動日
10月05日(金) 第3戦 カンザスシティ・ロイヤルズ 0-1 デトロイト・タイガース タイガー・スタジアム
優勝:デトロイト・タイガース(3勝0敗 / 16年ぶり9度目)

第1戦 10月2日

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映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
タイガースのアラン・トランメルが5回表のソロ本塁打を含む3安打で3打点を挙げる(1分6秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
デトロイト・タイガース 2 0 0 1 1 0 1 2 1 8 14 0
カンザスシティ・ロイヤルズ 0 0 0 0 0 0 1 0 0 1 5 1
  1. 勝利ジャック・モリス(1勝)  
  2. 敗戦バド・ブラック(1敗)  
  3. 本塁打
    DET:ラリー・ハーンドン1号ソロ、アラン・トランメル1号ソロ、ランス・パリッシュ1号ソロ
  4. 審判
    [球審]ビル・ディーガン
    [塁審]一塁: ジョン・バイブル、二塁: ランディ・クリスタル、三塁: ラリー・ザーベル
    [外審]左翼: ハロルド・ジョーダン、右翼: マイク・オデル
  5. 試合開始時刻: 中部夏時間UTC-5)午後7時30分 試合時間: 2時間42分 観客: 4万1973人
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
デトロイト・タイガース カンザスシティ・ロイヤルズ
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 L・ウィテカー 1 W・ウィルソン
2 A・トランメル 2 P・シェリダン
3 K・ギブソン 3 G・ブレット
4 L・パリッシュ 4 DH J・オータ
5 L・ハーンドン 5 D・モトリー
6 DH B・ガーベイ 6 S・バルボニ
7 C・レモン 7 F・ホワイト
8 D・エバンス 8 D・スロート
9 M・カスティーヨ 9 O・コンセプシオン
先発投手 投球 先発投手 投球
J・モリス B・ブラック

第2戦 10月3日

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  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 R H E
デトロイト・タイガース 2 0 1 0 0 0 0 0 0 0 2 5 8 1
カンザスシティ・ロイヤルズ 0 0 0 1 0 0 1 1 0 0 0 3 10 3
  1. 勝利アウレリオ・ロペス(1勝)  
  2. 敗戦ダン・クイゼンベリー(1敗)  
  3. 本塁打
    DET:カーク・ギブソン1号ソロ
  4. 審判
    [球審]ビル・ディーガン
    [塁審]一塁: ジョン・バイブル、二塁: ランディ・クリスタル、三塁: ボブ・ジョーンズ
    [外審]左翼: リチャード・デニー、右翼: カール・ノスナーゲル
  5. 試合開始時刻: 中部夏時間UTC-5)午後7時25分 試合時間: 3時間37分 観客: 4万2019人
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
デトロイト・タイガース カンザスシティ・ロイヤルズ
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 L・ウィテカー 1 W・ウィルソン
2 A・トランメル 2 P・シェリダン
3 K・ギブソン 3 G・ブレット
4 L・パリッシュ 4 DH J・オータ
5 D・エバンス 5 D・モトリー
6 R・ジョーンズ 6 S・バルボニ
7 DH J・グラブ 7 F・ホワイト
8 C・レモン 8 D・スロート
9 D・バーグマン 9 O・コンセプシオン
先発投手 投球 先発投手 投球
D・ペトリー B・セイバーヘイゲン

第3戦 10月5日

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映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
タイガース先発投手ミルト・ウィルコックスは8イニングを8奪三振で無失点に封じる(2分24秒)
9回表、ウィリー・ヘルナンデスがダリル・モトリーを三邪飛に打ち取り試合終了、タイガースのリーグ優勝が決定(56秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
カンザスシティ・ロイヤルズ 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 3 3
デトロイト・タイガース 0 1 0 0 0 0 0 0 X 1 3 0
  1. 勝利ミルト・ウィルコックス(1勝)  
  2. セーブウィリー・ヘルナンデス(1S)  
  3. 敗戦チャーリー・リーブラント(1敗)  
  4. 審判
    [球審]ビル・ディーガン
    [塁審]一塁: ジョン・バイブル、二塁: ランディ・クリスタル、三塁: ダグ・コッシー
    [外審]左翼: ディック・ランチー、右翼: ディック・ジビック
  5. 試合開始時刻: 東部夏時間UTC-4)午後1時00分 試合時間: 2時間39分 観客: 5万2168人
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
カンザスシティ・ロイヤルズ デトロイト・タイガース
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 W・ウィルソン 1 L・ウィテカー
2 P・シェリダン 2 A・トランメル
3 G・ブレット 3 K・ギブソン
4 DH J・オータ 4 L・パリッシュ
5 D・モトリー 5 L・ハーンドン
6 S・バルボニ 6 DH B・ガーベイ
7 F・ホワイト 7 C・レモン
8 D・スロート 8 D・エバンス
9 O・コンセプシオン 9 M・カスティーヨ
先発投手 投球 先発投手 投球
C・リーブラント M・ウィルコックス

脚注

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注釈

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  1. ^ それまでの最年少記録は、1913年のワールドシリーズ第3戦のフィラデルフィア・アスレチックス先発投手バレット・ジョー・ブッシュで、20歳316日。セイバーヘイゲンの記録は2016年ナショナルリーグ地区シリーズ第4戦で、ロサンゼルス・ドジャースフリオ・ウリアスによって20歳68日に更新されることとなる。

出典

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  1. ^ "1984 Detroit Tigers Schedule," Baseball-Reference.com. 2021年2月21日閲覧。
  2. ^ Matt Snyder, "MLB Playoffs 2016: Dodgers' Julio Urias to make historic start in NLCS Game 4," CBSSports.com, October 17, 2016. 2021年2月21日閲覧。
  3. ^ Murray Chass, "TIGERS, IN 11, AND CUBS TAKE 2-0 PLAYOFF LEADS," The New York Times, October 4, 1984. 2021年2月21日閲覧。
  4. ^ "UMPIRES AGREE TO UEBERROTH ARBITRATION," The New York Times, October 8, 1984. 2021年2月21日閲覧。

外部リンク

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