MSX-ENGINE
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MSX-ENGINEとは、ホームコンピューターとして製品化されたMSX用途向けに設計されたカスタムチップの名称。
MSX1相当向けにはT7775やT7937、MSX2以降の用途向けにはT9769(MSX-ENGINE2(別名MSX2-ENGINE))があり、共に東芝が製造を担当した。CPUを内蔵しないMSX-SYSTEMという別のチップも存在する。
特徴
[編集]- T7775[1] MSX-ENGINE
- MSX1の機能を1チップに凝縮したCMOS-LSI。
- クロックジェネレーターを内蔵し、RUNモード、IDOLモード、HOLDモードなどの各モードをプログラムから設定可能。
- T7937[2]
- T9763
- パッケージは144ピンQFP
- T9769 MSX-ENGINE2(もしくはMSX2-ENGINE[3])
- また、これらに内蔵された、AY-3-8910相当の回路は、東芝のハードマクロセル名はSM7766Aと呼ばれ、ソフトウェアから見た場合は、互換品であるものの、ハードウェアエンベロープの周期などがAY-3-8910とは異なる。
位置づけ
[編集]本チップのような統合LSIの登場により、従来は74シリーズなどを多数使用して構成しなければならなかったMSX内部の論理回路や周辺LSIがほぼワンチップに置き換えられ、安価かつ小型にMSX2が製造出来るようになった。
東芝自身はMSX2をもってMSX規格のパソコンの製造からは撤退したが、その後もMSX参入各社と共同開発した次世代チップのMSX-ENGINE2が、MSX2から最終規格のMSXturboRまでソニー製を除く各社のハードに搭載され続けた。MSX-ENGINEはパチンコ基板や東芝のワープロ『Rupo』などにも転用された為、その出荷数は自社MSXパソコンの出荷数を遥かに上回ったとされ、「MSXでいちばん儲けたのは東芝だ」と西和彦が言及したといううわさもあるほどであった[4]。
脚注
[編集]- ^ 「ソフトウェアを知りつくしたアスキーの、LSI。」トランジスタ技術 1987年4月号および1986年12月号 広告 CQ出版社
- ^ 「スーパーインテグレーションの適用事例 東芝 半導体第二応用技術部 平井誠一」エレクトロニクス別冊 超LSI TECHNOLOGY&APPLICATION No.5
- ^ 「MSX ハード&ソフト テクニカルデータノート 」月刊HACKER 1989年8/15日号
- ^ “実はいちばん儲けた!? MSX陰の立役者はあのメーカーだった!:MSX30周年”. 週刊アスキー