NMKV
種類 | 株式会社 |
---|---|
市場情報 | 非上場 |
本社所在地 |
日本 〒243-0192[2] 神奈川県厚木市岡津古久560番地2 日産テクニカルセンター内 V2棟2F[2] |
設立 | 2011年6月1日[3] |
業種 | 製造業 |
法人番号 | 2010401093978 |
事業内容 | 日本市場向けの軽自動車の商品企画・開発等 |
代表者 |
代表取締役社長兼CEO 遠藤淳一[3][補足 1] 代表取締役副社長兼COO 鳥居勲[3] |
資本金 | 1,000万円[3] |
純利益 |
▲3448万6000円 (2023年3月期)[7] |
純資産 |
2億5627万9000円 (2023年3月期)[7] |
総資産 |
26億2563万7000円 (2023年3月期)[7] |
従業員数 | 54人(2022年4月1日現在)[3] |
主要株主 |
日産自動車 50% 三菱自動車工業 50%[3] |
外部リンク | http://nmkv.com/ |
株式会社NMKV(エヌエムケーヴィ、NMKV Co., Ltd.)は、日産自動車と三菱自動車工業が折半出資で設立した、日本市場における軽自動車事業に関わる合弁会社。
なお、eKワゴン/デイズ、 eKスペース/デリカミニ/デイズルークス/ルークス、eKクロスEV/サクラは、三菱自動車工業が製造している[8][9][補足 2]。
概要
[編集]2010年(平成22年)12月14日、日産自動車と三菱自動車工業は事業協力関係の拡大に合意[10][11]。そのプロジェクトの一環として、2011年(平成23年)5月20日に会社設立について正式契約を締結し[12][13]、同年6月1日に当社が設立された[14][15]。社名のNMKVは、Nissan Mitsubishi Kei Vehicleから取られた[16][補足 3]。役割分担は、日産側が部品調達[16]・企画・デザイン[18]などを、三菱側が製造・開発などを担当し[16]、設立時の約35人の社員の内、半数強を三菱出身者が占める[19]。会社設立時点で約15%である軽自動車における日産と三菱のシェアの合計を、将来的に20%程度に高めることを目標としている[20][補足 4]。
設立時、三菱の軽自動車で日産がOEMを受けてオッティとして販売していたeKワゴンの次期モデルを開発、2013年(平成25年)前半に発売する予定とし、軽自動車でトップクラスの燃費を目指し、車台とエンジンを新開発するとした[23][20]。その後、2013年(平成25年)3月6日に初の共同開発車、3代目eKワゴン及び初代デイズを発表[24][25]、同年6月より販売開始[26][27]。同年9月の軽自動車販売台数はデイズが5位、ekが10位につけた[28]。3代目eK・初代デイズでは日本国外から部品を調達するなどして、先代モデルより30 %コストを低減[29]。両ブランドで車体骨格を共通化しつつ、外板やバンパーで造り分けている[30]。車両デザインでは、一つの案に対し三菱・日産両方のフロントデザインを組み合わせて提案するなどした[31]。また、三菱が元々持っていた3B20型エンジンをベースに、日産の持つ技術を活用し、圧縮比をレギュラーガソリン仕様としては高めの12.0に向上[30]。共同開発の目的として、三菱側は完成エンジンや工場や開発施設を提供し、それらの費用を減らし[30]、日産側は三菱が持っていない先進安全技術などを提供するとした[30]。同時に、日産側は従来のOEM方式よりも調達費を抑えられ、三菱側は単独で開発費が捻出できない問題を解消した[30]。開発メンバーは2013年(平成25年)6月の時点で、企画担当が日産・三菱各2人ずつの計4人[32]、開発担当が三菱16人・日産2人の計18人になっている[32]。
また、2013年(平成25年)3月6日の3代目eK・初代デイズの発表時、第二弾としてスーパーハイトワゴンタイプの車両を共同開発することを発表[25][24]。同年3月25日に、日産側の車名がデイズルークスであること、並びにデザインスケッチを発表[33]。同年10月3日、三菱向けのeKスペース[34]、及び両車のエクステリアデザインが発表された[35]。両車は2014年2月13日より販売を開始した[36][37]。
2013年(平成25年)6月、三菱は今後の軽自動車開発をNMKVに一本化する方針を明らかにした[38]。同年11月には、三菱・日産にルノーを含め、軽自動車以外にも協力体制の拡大を検討すると発表[39][40]。その中で、電気自動車仕様を含む新たなエントリーカーの開発を検討し、軽自動車の車台をベースにすると発表した[39][40]。
なお、軽商用車・軽ワンボックスワゴンの開発は行っておらず、日産・三菱ともにスズキからキャリイ(NT100クリッパー、ミニキャブトラックとして)とエブリイ(NV100クリッパー/NV100クリッパーリオ、ミニキャブバン/タウンボックスとして)のOEMを受けている。また、三菱側はNMKVの共同開発車種発売以前からあるEV軽バンのミニキャブMiEVを継続販売している。
沿革
[編集]- 2010年(平成22年)12月 - 日産自動車と三菱自動車工業が事業協力の拡大で合意[10][11]。
- 2011年(平成23年)
- 2013年(平成25年)
- 3月8日 -
- 3月25日 - 日産向け第二弾共同開発車両の車名が「デイズ ルークス」であること、ルークスの後継車になること、並びにエクステリアデザインが発表された[33]。
- 5月20日 - 三菱水島製作所で「eKワゴン」「デイズ」のオフライン式を実施した[41][42][43]。
- 6月6日 - 3代目「eKワゴン」・初代「デイズ」販売開始[26][27]。
- 7月1日 - 三菱水島製作所内に水島オフィスを開設[44][45][補足 6]。
- 10月3日 - 三菱向けのスーパーハイトワゴン「eKスペース」を発表[34]。同時に日産の「デイズルークス」を含めエクステリアデザインが公表された[35][34]。
- 11月5日 - ルノー・日産アライアンスと三菱自動車が協力関係の拡大を検討することを発表[39][40]。
- 2014年(平成26年)2月13日 - 初代「eKスペース」・初代「デイズルークス」販売開始[36][37]。
- 2015年(平成27年)10月22日 - 3代目「ekワゴン」・初代「デイズ」について大幅なマイナーチェンジを実施。
- 2016年(平成28年)
- 4月20日 - eKワゴン、eKスペース、デイズ及びデイズルークスの計4車種で燃費試験の不正問題が発覚。対象車4車種の製造停止、および販売停止が決まった。
- 時期不明 - eKワゴン、eKスペース、デイズ、デイズルークスの販売を再開。
- 12月22日 - 初代「eKスペース」・初代「デイズルークス」について大幅なマイナーチェンジを実施。
- 2019年(平成31年)
- 2020年(令和2年)3月19日 - 2代目「ルークス」・2代目「eKスペース」、および「eKクロス スペース」販売開始。
- 2022年(令和4年)6月16日 - 初代「サクラ」・初代「eKクロスEV」販売開始。
- 2023年(令和5年)
- 1月18日 - 「eKクロス スペース」生産終了。
- 5月25日 - 初代「デリカミニ」販売開始。
開発車種
[編集]発売年月日 | 日産自動車 | 三菱自動車 | 車両タイプ | ||
---|---|---|---|---|---|
画像 | 車名 | 画像 | 車名 | ||
2013年6月6日[26][27] | デイズ | eKワゴン (3代目) |
軽トールワゴン[51] | ||
2013年6月6日[26][27] | デイズ ハイウェイスター | eKカスタム | 軽トールワゴン[51] | ||
2014年2月13日[36][37] | デイズルークス (ルークス通算2代目) |
eKスペース | スーパーハイトワゴン[35][34] | ||
2014年2月13日[36][37] | デイズルークス ハイウェイスター (ルークス通算2代目) |
eKスペース カスタム | スーパーハイトワゴン[35][34] | ||
2019年3月28日 | デイズ (2代目) |
eKワゴン (4代目) |
軽トールワゴン | ||
2019年3月28日 | デイズ ハイウェイスター (2代目) |
eKクロス | 軽トールワゴン (デイズハイウェイスター)/ 軽クロスオーバーSUV (eKクロス) | ||
2020年3月19日 | ルークス (通算3代目) |
eKスペース (2代目) |
スーパーハイトワゴン | ||
2020年3月19日 | ルークス ハイウェイスター(通算3代目) | eKクロススペース | スーパーハイトワゴン | ||
2022年6月16日 | サクラ | eKクロスEV | 電気自動車 軽トールワゴン | ||
2023年5月25日 | ー | ー | デリカミニ | スーパーハイトワゴン |
拠点
[編集]- 本社 - 神奈川県厚木市岡津古久560番地2日産テクニカルセンター内 V2棟2F[2]
- 岡崎事業所 - 愛知県岡崎市橋目町字中新切1番地三菱自動車技術センター内 岡崎本館4F[2]
- 水島オフィス - 岡山県倉敷市水島高砂町6-1(三菱自動車工業 水島製作所内)[44][45][補足 6]
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 日産自動車出身。2005年4月1日より2011年3月31日まで、日産自動車常務執行役員(就任時「グローバルアフターセールス事業本部」「コンバージョンビジネス」担当。退任時「グローバルマーケティング&セールス」「グローバルアフターセールス」担当)[4][5]。NMKV社長就任のため退任[5]。日産自動車常務執行役員就任前は、オーテックジャパンの社長を務めていたこともある[6]。
- ^ 第3弾車種については、日産自動車で製造するとの報道も2013年にあった[8][9]が、2023年現在に至るまでNMKVの共同開発車は変わらず全て三菱自動車工業が製造している
- ^ NMKVの名称は、株式会社NMKVが2011年12月16日に第5457018号で商標登録されている[17]。
- ^ 2012年度のシェアは日産7.7%、三菱3.7%で、合計シェアは11.4%程度になっており[21]、3代目eK・デイズ販売直前にも、改めて20%のシェア目標を明らかにしている[22]。
- ^ DAYZの名称は、日産自動車株式会社によって1998年3月27日に第4129404号で商標登録されており[17]、元々はエアロパーツ等のブランドとして使われていた。
- ^ a b 所在地の「岡山県倉敷市水島高砂町6-1」には、2009年3月27日まで三菱水島病院が存在した[46][47][48]。閉鎖後の病院建物では、i-MiEVなどのバッテリーの組み立てなども行っている。
出典
[編集]- ^ Establishment of new Minicar Joint Venture - Company to be named NMKV Co., Ltd - NMKV Co., Ltd、2011年6月20日
- ^ a b c d 事業所案内 - NMKV
- ^ a b c d e f 会社概要 - NMKV
- ^ 役員体制の変更について - 日産自動車 2005年3月15日
- ^ a b 役員体制の変更について - 日産自動車 2011年3月11日
- ^ ゴーン体制第2世代へ、日産が子会社転籍組を経営陣に抜擢 - nikkeiBP 2005年4月13日
- ^ a b c 株式会社NMKV 第12期決算公告
- ^ a b 日産が初の軽自動車生産 来年度にも年10万台 - 産経ニュース 2013年11月9日
- ^ a b 日産「軽」生産へ 国内100万台維持、三菱自にも供給 - 日本経済新聞 2013年11月9日
- ^ a b 日産自動車と三菱自動車、協力関係の拡大で合意 -OEMの拡大、海外での生産協力と日本での軽自動車事業の検討- - 日産自動車株式会社 三菱自動車工業株式会社(日産側) 2010年12月14日
- ^ a b 日産自動車と三菱自動車、協力関係の拡大で合意 -OEM の拡大、海外での生産協力と日本での軽自動車事業の検討- - 日産自動車株式会社 三菱自動車工業株式会社(三菱側) 2010年12月14日
- ^ a b 日産自動車と三菱自動車、軽自動車事業に係る合弁会社設立に関して正式契約 - 日産自動車株式会社 三菱自動車工業株式会社(日産側) 2011年5月20日
- ^ a b 日産自動車と三菱自動車、軽自動車事業に係る合弁会社設立に関して正式契約 - 日産自動車株式会社 三菱自動車工業株式会社(三菱側) 2011年5月20日
- ^ a b 軽自動車事業に関わる合弁会社の事業概要について-新会社の名称は「株式会社NMKV」 - 株式会社NMKV(日産側) 2011年6月20日
- ^ a b 軽自動車事業に関わる合弁会社の事業概要について-新会社の名称は「株式会社NMKV」 - 株式会社NMKV(三菱側) 2011年6月20日
- ^ a b c 日産自動車と三菱自動車が軽自動車で合弁設立、2社でシェア20%を目指す(1/2) 東洋経済オンライン 2011年6月21日
- ^ a b 「商標出願・登録情報 - 経済産業省 特許庁」にて検索
- ^ 新型車『デイズ』と『eKワゴン』の魅力を徹底分析! - All About 2013年05月30日
- ^ 日産自動車と三菱自動車が軽自動車で合弁設立、2社でシェア20%を目指す(2/2) 東洋経済オンライン 2011年6月21日
- ^ a b 日産自と三菱自の軽自動車合弁、「eKワゴン」の次期モデル開発 ロイター、2011年6月20日
- ^ 日産自と三菱自が新型軽自動車投入、巻き返しに意欲 - ロイター 2013年6月6日
- ^ 日産自・三菱自が新型軽自動車生産開始、4強の一角へシェア20%目指す - ロイター 2013年5月20日
- ^ 新会社名は「NMKV」日産と三菱自に13年軽新車 - スポーツニッポン 2011年6月20日
- ^ a b c d e 日産自動車と三菱自動車、協業による新型軽自動車のエクステリアデザインを公表 - 日産自動車・三菱自動車工業(三菱側) 2013年3月8日
- ^ a b c d e 日産自動車と三菱自動車、協業による新型軽自動車のエクステリアデザインを公表 - 日産自動車・三菱自動車工業(日産側) 2013年3月8日
- ^ a b c d 新型軽自動車 日産「デイズ」を発表 - 日産自動車 2013年6月6日
- ^ a b c d 新型軽自動車『eKワゴン』『eKカスタム』を発売 - 三菱自動車工業 2013年6月6日
- ^ 日産と三菱自がEV共同開発 トヨタ、ホンダ静観、独メーカーは参戦へ - J CASTニュース 2013年11月18日
- ^ 日産・三菱自連合が「軽」市場に本格参戦 両社合計でシェア2割奪取へ - 産経ニュース 2013年5月20日
- ^ a b c d e 大躍進なるか? 日産と三菱による「NMKV」のお家事情 - All About 2013年6月27日
- ^ 【日産 デイズ 発売】全てのデザイン案に、日産と三菱のフロントデザインをあてはめた - レスポンス 2013年6月11日
- ^ a b ekワゴンを作ったNMKVってどんな会社?~スーザン史子 - ホビダスオート 2013年6月28日
- ^ a b 日産自動車、新型スーパーハイトワゴンタイプ軽自動車の車名を公表 - 日産自動車 2013年3月25日
- ^ a b c d e 新型軽自動車の車名を『eKスペース』に決定 -来年初頭発売予定のスーパーハイトワゴン- - 三菱自動車工業 2013年10月3日
- ^ a b c d 「日産デイズ ルークス」のエクステリアデザインを公開 ―好調な「日産デイズ」シリーズ第2弾のスーパーハイトワゴン― - 日産自動車 2013年10月3日
- ^ a b c d 新型軽自動車『eKスペース』を発売 - 三菱自動車工業 2014年2月13日
- ^ a b c d 新型軽自動車 「日産デイズ ルークス」を発表 -- あわせて、「ライダー」、および、「運転席マイティグリップ」装着車を発表 -- - 日産自動車 2014年2月13日
- ^ 【三菱 eK 新型発売】益子社長「新型軽開発はNMKVに一本化」…トッポと i は生産終了 - レスポンス 2013年6月6日
- ^ a b c ルノー・日産アライアンスと三菱自動車 広範囲に及ぶグローバルな商品・技術における協力関係を検討 新たなプロジェクトでグローバルな商品展開と生産能力の活用を促進 - 日産自動車 2013年11月5日
- ^ a b c ルノー・日産アライアンスと三菱自動車 広範囲に及ぶグローバルな商品・技術における協力関係を検討 新たなプロジェクトでグローバルな商品展開と生産能力の活用を促進 - 三菱自動車工業 2013年11月5日
- ^ 日産自動車、三菱自動車とNMKV、協業による新型軽自動車のオフライン式を実施 - 日産自動車・三菱自動車工業・NMKV(日産側) 2013年5月20日
- ^ 日産自動車、三菱自動車とNMKV、協業による新型軽自動車のオフライン式を実施 - 日産自動車・三菱自動車工業・NMKV(三菱側) 2013年5月20日
- ^ 日産、三菱とNMKV、協業による新型軽自動車のオフライン式を実施 - 日産自動車公式youtube 2013年5月21日
- ^ a b NMKV:日産・三菱合弁、水島事務所開く / 岡山 - 毎日新聞 2013年7月2日
- ^ a b 株式会社NMKV、生産現場との連携強化を目的に水島オフィスを開設 - NMKV 2013年7月1日
- ^ 三菱水島病院が閉院 67年の歴史に幕 - 山陽新聞 2009年3月28日
- ^ 三菱水島病院が3月閉鎖 自動車不振で存続断念 - 山陽新聞 2009年1月7日
- ^ 脳ドック実施施設 岡山県地区 - 一般社団法人 日本脳ドック学会
- ^ 『新型「日産デイズ」を発表』(プレスリリース)日産自動車株式会社、2019年3月28日 。2019年3月28日閲覧。
- ^ 『新型軽自動車『eKワゴン』『eKクロス』を発売』(プレスリリース)三菱自動車工業株式会社、2019年3月28日 。
- ^ a b 日産「デイズ」と三菱「eK」、燃費トップの29.2km/Lで軽市場に強烈参戦 - 日経トレンディ 2013年6月7日