ROEとは 企業の「稼ぐ効率」示す指標、株価を左右
きょうのことば
▼ROE 「Return On Equity」の略で、「自己資本利益率」と訳される。純利益を自己資本で割って算出する。企業が株主から預かった資本を使い、どれだけ効率的に利益を稼いでいるかを示す。ROEが投資家の期待するリターンを上回れば株式価値を生み出し、下回れば株式価値を損なっているとみなされる。投資家が重視する指標で、ROEが高まると株価も上昇する傾向がある。
ROEは業種などによって傾向が異なるが、一般に10%以上を期待する投資家が多い。生命保険協会の2023年度の投資家向け調査によると、企業に中長期的に求めるROEの水準として10〜12%と答えた投資家が41.0%と最も多かった。次いで8〜10%が27.7%、12%以上が19.3%となった。
ROEを高める方法は大きく分けて①計算式の分子の純利益を増やす②分母の自己資本を減らす――の2つがある。本業で値上げしたりコストを削減したりすると純利益を増やすことができる。増配や自社株買いなど株主還元を積極化すれば自己資本を減らせる。借り入れを増やし、総資産に占める自己資本の比率を下げてROEを改善する手法もある。
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