変更契約とは 追加工事で増額、受発注者一対一で決定
きょうのことば
▼変更契約 道路やダム、港湾などのインフラ施設を整備する公共工事で、追加工事が必要になった場合、発注者と受注業者が行う費用の増額手続き。着工後に想定外の地質や埋設物が見つかったり、災害の影響を受けたりして追加の工事をする場合に必要になる。工期延長や費用減額などの場合も求められる。
変更契約の契約金額は、発注者と受注者が一対一で折り合うまで見積もりの提示を繰り返す。複数業者が参加する競争入札と違い、競争原理が働かないため発注者が定めた予定価格(上限)に近づきやすい。入札後に変更契約による増額が頻発すれば、競争の公平性と透明性を確保し、予算の無駄を減らす入札制度そのものをゆがめる恐れもある。
変更契約の有無や内容が外部の目に触れにくい点も課題だ。入札結果とは異なり、国土交通省地方整備局がホームページで公開する例は少ない。確認するには整備局に出向いて関係書類を閲覧するか、情報公開請求する必要がある。閲覧期間も最長2年と短く、情報開示が十分とは言えない状況だ。
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