白銀ジャック
白銀ジャック | ||
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著者 | 東野圭吾 | |
発行日 | 2010年10月5日 | |
発行元 | 実業之日本社(実業之日本社文庫) | |
ジャンル | ミステリ、サスペンス | |
国 | 日本 | |
言語 | 日本語 | |
形態 | A6判 | |
ページ数 | 416 | |
次作 | 疾風ロンド | |
公式サイト | www.j-n.co.jp/books | |
コード |
ISBN 978-4-408-55004-6 ISBN 978-4-408-53599-9(四六判上製) | |
ウィキポータル 文学 | ||
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『白銀ジャック』(はくぎんジャック)は、東野圭吾の長編サスペンス小説。
概要
[編集]実業之日本社の『月刊ジェイ・ノベル』に、2008年10月号から2010年9月号まで連載された。2010年10月5日に実業之日本社文庫創刊第1弾(いきなり文庫)として刊行され[1]、発売から1か月余りで100万部を突破している[2][3]。
その後、2011年11月17日に単行本化され、2013年12月16日には実業之日本社(マンサンコミックス)から高柳衣良の作画で、コミック版が発売された。
あらすじ
[編集]この節にあるあらすじは作品内容に比して不十分です。 |
新月高原スキー場でリフトやゴンドラなどの運営を行っている倉田玲司は、結婚するチャンスもないまま40代になり、スキー場を訪れる客の、スキーを楽しむ顔を見るのが最高の楽しみという日々を送っている。そんな年の瀬のある日、「我々は、いつ、どこからでも爆破できる。とスキー場に脅迫状が届いた。警察に通報できない状況の中で、犯人は悠々と身代金を奪取してゆく。雪上を乗っ取った犯人の動機は金目当てか、それとも復讐か。そんな中、パトロール隊員の根津昇平は、ある大きな決断をする。そしてすべての鍵は、一年前に血に染まった禁断のゲレンデにあった。
登場人物
[編集]- 根津 昇平 (ねづ しょうへい)
- 新月高原スキー場のパトロール隊員。元スノーボードクロスの選手。
- 瀬利 千晶(せり ちあき)
- 女性スノーボーダー。スキー場近くの居酒屋でアルバイトをしている。
- 倉田 玲司(くらた れいじ)
- 新月高原スキー場索道技術管理者。未婚の40代男性。
- 20年前に広世観光株式会社に就職し、入社して5年目に新月高原スキー場へ出向した。
- 辰巳 豊 (たつみ ゆたか)
- 新月高原スキー場ゲレンデ整備主任。
- 津野 雅夫 (つの まさお)
- 新月高原スキー場索道部主任。
- 藤崎 絵留 (ふじさき える)
- 新月高原スキー場の女性パトロール隊員。
- 桐林 祐介(きりばやし ゆうすけ)
- 新月高原スキー場の、今年入った新人のパトロール隊員。
- 入江 義之(いりえ よしゆき)
- 新月高原スキー場のスキー客。1年前に妻を事故で亡くしている。スキー1級の腕前。
- 入江 達樹(いりえ たつき)
- 入江義之の息子。
- 日吉 浩三(ひよし こうぞう)
- ロイヤルスイートに宿泊している新月高原スキー場のスキー客。スキー歴50年。
- 日吉 友恵(ひよし ともえ)
- 日吉浩三の妻。
- 増淵 康英(ますぶち やすひで)
- 北月町町長。
- 増淵 英也(ますぶち ひでなり)
- 増淵の息子。北月町役場勤務。
- 筧 純一郎(かけい じゅんいちろう)
- 新月高原ホテルアンドリゾート社長。広世観光株式会社取締役兼務。
書籍情報
[編集]- 文庫本:実業之日本社文庫、2010年10月5日 ISBN 978-4-408-55004-6
- 単行本:実業之日本社、2011年11月17日 ISBN 978-4-408-53599-9
- コミック:実業之日本社、2013年12月16日 ISBN 978-4-408-17473-0(作画 高柳衣良)
テレビドラマ
[編集]東野圭吾ミステリー 白銀ジャック | |
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ジャンル | 単発テレビドラマ |
原作 | 東野圭吾 |
企画 | 大石哲也 |
脚本 | 竹山洋 |
監督 | 藤田明二(テレビ朝日) |
出演者 |
渡辺謙 岡田将生 広末涼子 |
製作 | |
製作総指揮 | 五十嵐文郎(テレビ朝日) |
プロデューサー |
中込卓也 松井洋子 中山秀一 |
制作 | テレビ朝日 |
放送 | |
放送国・地域 | 日本 |
放送期間 | 2014年8月2日 |
放送時間 | 21:00 - 23:16 |
放送分 | 136分 |
回数 | 1 |
公式サイト |
テレビ朝日系で2014年8月2日に放送された。主演は新潟県生まれの渡辺謙。スキー学校の先生をしている父をもち[4]、実家がゲレンデ経営をしていたためスキーの腕前も一流だという渡辺が、2014年3月中旬から約3か月にわたって岩手県の安比高原スキー場に滞在し、スキー場全面協力の下、氷点下17度、風速25メートルという状況の中でスタント無しで撮影された[5][6]。また、監督の藤田明二も学生時代はスキー部に所属していたためその経験を生かし[1]、高校時代からスノーボードに親しんできた岡田将生や[7]、スキーもスノーボードも未経験である広末涼子を含め[8]、演者がスキーに慣れているように見えるような演出が心がけられた[1]。また、現役のプロスノーボーダーやプロスキーヤーが多数出演し迫力ある滑走を披露している。
原作のファンでもある元フリースタイルスキー女子モーグル選手の上村愛子は一足早く作品を鑑賞し、「ゴーグルの付け外しやスキーウエアの着こなしなど、謙さんがすごくスキーに慣れている方なんだなって感じられて安心して観ていられた。」と太鼓判を押した[1][8]。スキーやスノーボードのプロ級の追跡滑走シーンや、スキー場の爆発シーンなどで、映像化は無理だと言われてきた作品だったが[4]、東野圭吾も実際に撮影現場で渡辺の演技を見て、「元々自分がゲレンデを舞台にした映画を作るとしたらという空想からアイデアを得た作品なので、夢が叶った[5]。ダイナミックでスピード感溢れる映像と渡辺謙さんのスキーの腕前には驚いたし、人間ドラマの部分もしっかり描かれていた[9]。」というコメントを寄せている。
放送に先駆け、合計5万部の『白銀ジャック』特製ブックカバーを大型書店で無料配布する“ブックカバージャック”、東急電鉄の6路線の1編成を『白銀ジャック』のポスター4バージョンが完全に占拠する“中吊りジャック”、TOHOシネマズ日劇他で渡辺謙出演の映画『GODZILLA ゴジラ』の前に『白銀ジャック』のPR映像を流す“シネマスクリーンジャック”など、タイトルにかけたPRが行われた[10]。
キャスト
[編集]- 倉田 玲司(安比高原スキー場ゲレンデ統括マネージャー) - 渡辺謙[11][12]
- 根津 昇平(スキー場パトロール隊員) - 岡田将生[7]
- 藤崎 絵留(スキー場パトロール隊員) - 広末涼子[7]
- 辰巳 豊(スキー場ゲレンデ整備主任) - 鈴木浩介
- 桐林 祐介(スキー場パトロール隊新人) - 庄野崎謙
- 入江 義之(安比高原スキー場のスキー客) - 安田顕
- 増淵 英也(北月町町長の息子・北月町観光課勤務) - 中尾明慶
- 瀬利 千晶(スノーボードクロス・アマチュア選手) - 山下リオ
- 松宮 忠明(索道部本部長) - 渡辺哲
- 中垣 芳樹(ホテル事業本部長兼支配人) - 金田明夫
- 日吉 浩三(安比高原スキー場のスキー客) - 平泉成
- 日吉 友恵(浩三の妻) - 野際陽子(特別出演)
- 筧 純一郎(安比高原ホテル&リゾート社長・広世観光株式会社取締役)- 國村隼
- 宮内(総務部長) - 近江谷太朗
- 増淵康英(北月町町長) - ベンガル
- 入江 香澄 - 中込佐知子
- 入江 達樹 - 須田瑛斗
- 上山 禄郎 - 増田修一朗
- 老人 - 湯沢勉
- 平田署長 - 中西良太
- 小杉 - 田村幸士
- 横内 快人 - 田中彪
- 横内 幸太 - 町山博彦
スタッフ
[編集]- 原作 - 東野圭吾『白銀ジャック』(実業之日本社文庫)
- 脚本 - 竹山洋
- 音楽 - 朝倉紀行
- 監督 - 藤田明二(テレビ朝日)
- 企画協力 - 大石哲也
- スタント統括 - 五味克彦(実業之日本社)
- スキースタント - 河野克幸、河野健児、金澤朋未
- スノボスタント - 鶴田真到、荒木直子、池下"Jesse"孝志、神尾義明、西澤孝征、百瀬康昭、麻生真桜、吉田安亨
- 雪上ライディング撮影 - 佐藤トチ、福島毅、澁谷祐仁
- カメラ協力 - GoPro
- ロケ協力 - 安比高原スキー場、ホテル安比グランド、盛岡広域フィルムコミッション、八幡平市
- サウンドデザイン - 石井和之
- 技術協力 - バスク、ビデオスタッフ
- VFX・CG・美術協力 - テレビ朝日クリエイト
- 音響効果 - スポット
- 機材 - 麻生リース
- 空撮 - トーフナ映像
- チーフプロデューサー - 五十嵐文郎(テレビ朝日)
- プロデューサー - 中込卓也(テレビ朝日)、松井洋子(5年D組)、中山秀一(5年D組)
- 制作協力 - 5年D組
- 制作著作 - テレビ朝日
脚注
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d ““スキーブームの再燃になれば”渡辺謙主演「白銀ジャック」がこの夏に清涼感を与える!”. webザテレビジョン (2014年7月17日). 2022年3月10日閲覧。
- ^ “東野さん新作「白銀ジャック」100万部突破”. Sponichi Annex (2010年11月15日). 2014年4月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年4月15日閲覧。
- ^ “『白銀ジャック』が100万部突破しました!”. 実業之日本社 (2010年11月15日). 2011年8月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年4月15日閲覧。
- ^ a b “渡辺謙 滑降いい〜!ドラマ化の東野圭吾氏「白銀ジャック」主演”. Sponichi Annex. (2014年4月24日) 2014年5月1日閲覧。
- ^ a b “渡辺謙:東野圭吾「白銀ジャック」ドラマ化で主演 雪上アクションにも挑戦”. MANTANWEB. (2014年5月1日) 2014年5月1日閲覧。
- ^ “渡辺謙と東野圭吾の豪華初タッグが実現”. nikkansports.com. (2014年4月24日) 2014年5月1日閲覧。
- ^ a b c “渡辺謙主演「白銀ジャック」に岡田&広末ら実力派キャストの出演が決定!”. webザテレビジョン (2014年5月20日). 2014年7月17日閲覧。
- ^ a b “上村愛子さんが渡辺謙のスキーアクションを絶賛 東野圭吾ドラマ「白銀ジャック」制作発表”. TVfanWeb (2014年7月16日). 2014年7月17日閲覧。
- ^ “東野圭吾氏「白銀ジャック」試写を堪能”. nikkansports.com. (2014年7月16日) 2014年7月17日閲覧。
- ^ “「白銀ジャック」が書店や映画館で大規模なPRジャック!”. Smartザテレビジョン (2014年7月29日). 2014年9月28日閲覧。
- ^ “上村愛子が渡辺謙を絶賛 「白銀ジャック」でスキー披露”. CHUNICHI Web. (2014年7月17日). オリジナルの2014年7月19日時点におけるアーカイブ。 2014年7月17日閲覧。
- ^ 渡辺謙(インタビュアー:増田真郷)「スキーの楽しさ伝われば…渡辺謙」『読売新聞オンライン』、2014年8月1日。オリジナルの2014年8月4日時点におけるアーカイブ 。2014年9月28日閲覧。
外部リンク
[編集]- 実業之日本社
- テレビ朝日
- 白銀ジャック - ウェイバックマシン(2014年4月27日アーカイブ分) - ドラマ公式サイト
- ドラマスペシャル『白銀ジャック』スペシャル対談 - ウェイバックマシン(2014年8月6日アーカイブ分) - 原作者:東野圭吾×主演:渡辺謙