月組人気スター風間柚乃が、自身初の東上主演作となった「アドベンチャーロマン『BLUFF(ブラフ)』-復讐のシナリオ-」の東京、兵庫公演を、ともに完走した。先に東京芸術劇場プレイハウスでの上演を終え、劇団本拠地に隣接する宝塚バウホール公演が14日に初日を迎え、19日に幕を閉じた。

作・演出は正塚晴彦氏で、90年月組(久世星佳主演)以来、34年ぶりの再演。下級生時代から芝居巧者として注目された風間が、コメディー色も含む天才詐欺師にふんした。

舞台は、1950年代のアメリカ。青年ドノヴァンは、街の再開発運動の最中に恩人が殺され、背後にマフィアの存在を感じ取り、仲間と復讐(ふくしゅう)を誓う。のだが…変装あり、奇想天外なアイデアありと、コメディータッチな展開も。風間は声色を変え、腰を曲げて動きにもリアリティーあふれる変化をつけ、持ち前の演技力を存分に発揮。ユーモラスさをまじえて巧みに表現した。

風間演じるドノヴァンに、ギャンブラーを夢見る青年ロジャーが接近。その姉シャロンと出会い、計画が変わる。さえない女子が輝きを身につけていくヒロイン・シャロンは花妃舞音が熱演。青年ロジャーは彩海せらが好演した。【村上久美子】