日本経済新聞
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スポーツ心理学者(博士)・五輪メダリスト
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素敵な記事です。 アスリートの心の部分の多様な対処行動の種類を取り上げている記事は楽しいです。 記事にある 「物事に対処するとき、例えば、最悪を想定し取り組むケースや、大谷が口にしたように最善だけをイメージする場合がある。」 は、確かに共に大事な思考力です。 わざとポジティブになりきる、わざとネガティブになりきる。 両極端を考えることで、中庸とは真ん中であるわけでもないことがわかる。 白と黒の間にいろんなグレーの色があるように、自分の最適行動に合った自分の心の状態は、どのバランスなのかを見極められるようになる。 スポーツ以外でももちろん大事だと競技引退後に特に思います。
いつも色々なことを考えさせてもらえる記事です。 「ちゃんとやる」の中身は、選手の時、コーチの時、経営を始めた時、メンタルコーチの時、母親の時、研究者の時。それぞれ内容が異なります。 「ちゃんとやらない」と決めた方が、そのタスクへの行動がうまく行く時だってある。 でも共通点は、どんな時も「ちょうど良い”ちゃんとやる”を常に考えること」。 何を、どう、なぜちゃんとやるのか。と自問自答をちゃんとやる。 ただ、「ちゃんとやれた」の到達点がわからなかったのが選手時代。だから常に「私の”ちゃんとやる”は本物か?」と自問した。選手時代は極限を意識することが大事でした。その経験は貴重だったと今は思います。
ブレイキンは醍醐味のある、ワクワクする興味深い競技でした。予選リーグから個性あふれる選手たちの様々な文化背景を想像しながら、同じ曲でも違う身体表現をそれぞれができる人間の身体の動きの素晴らしさに圧倒されました。 そのなかで、Amiさんは技のキレという表現でいいのでしょうか。技がクリアにみえる、止まる時に、しっかり止められる。そんなエクスキューションの高さに、自分自身がアーティスティックスイミングでも、「技をクリアに見せるための止め方の技術」が大事であることを思い出し、違う競技同士の共通点や相違点を、ブレイキンの方々とお話したくなりました。
興味深い試みです。 近年、AIチャットでのカウンセリングやメタバース空間での相談サービスは始まっています。メンタルトレーニングにおいても様々な試みが存在します。 本記事のブッダボットにおいては「悩みの言語化」導入になればいいなと思います。 「自分の悩みを言葉に出すこと」ができれば、それはすでに悩み解決の始めの一歩になる。悩みはまず言葉にすれば「よく考えれば大したことないか」「悩みたいだけで行動したくない理由がじつはあるな」など、自分で悩みの客観視をできたりする。さらには「じつは本当の悩みは言語化したものとは違うこと」にも気づける。 そういった自己内省の深化にもつながることに期待します。
受験生の方々へスポーツ心理学的アプローチで講義をすることも多いです。記事の通り、結果を出すための静的休息と動的休息の重要性の違いを理解しておくことは大事です。 動的休息であろう家族旅行のメリットは「多様な知的好奇心」だと私は思います。「なぜこの地域では魚がおいしいのだろう」「なぜここの交通手段は少ないのだろう」といった「なぜ」のリアル体験は脳に色鮮やかに記憶として残る。机上での勉強とは違う五感の体験を通した学びは結果的に記憶力にもつながる。スポーツ経験が勉強に役立つことと同様だと私は思っています。
体の整え方の知識があり、それに基づいて「自分の体にあった、自分の人生目的にあった体の整え方を継続していること」は心身両面のストレスマネジメントです。体を動かすことを多様にやれていると、どんな姿勢の時にどんな感情や思考が出てくる自分がいるか、なども実感できるようになります。心身相関によって自分の心と体を整える感覚を感じられるようになると、自分の体に、心に、自信もでます。見た目ではなく、内的コントロール感です。この自信こそ、誰にも見えないけど、自分自身への根拠ある自信になります。個々に体型、体力、筋力は違うので、できることを少しずつ継続することが大事だと思います。
萩野氏の言葉には一つ一つ重みがあります。「今、自分は自分でいれているだろうか」と自問できる機会を現役選手が考えるきっかけになれる記事とも思います。 「求められる姿と本来の自分がどんどん近づいて、100%シンクロに近い状態で泳げた」という言葉はアスレティックアイデンティティ葛藤の末の境地と考察しました。 いろいろな心理経験を競技でできたこと、お辛いことはもちろんあったと思いますが、一つ一つが深く重い経験であったと察します。引退後の人生における「Well-being=Being well(自分が自分でいる)」のプロセスに役立つことだと思います。
貴重な記事です。現在のIOCとJOCの取り組みを具体的に記しています。 一方で記事にある 「メンタルヘルスと一言で言っても、その領域はかなり広い。これまでは試合で実力を発揮するための不安や重圧への対処法という認識が強かった」には補足が必要と考えます。 上記の認識が強かったのはメディアが、社会が、だと察します。 1960年代にも競技現場では、どんなに活躍する選手でも(だからこそ)、人生や日々の生活における一個人としてのメンタルヘルス問題は存在しました。それ自体を「見せない状況」があった。しかし近年、見せる勇気を示した世界の金メダリストたちが特に2019年から声を出してくれたことが今の状況です。
人生の先輩のお元気な記事があることは嬉しいです。 色々な気づきとともにエネルギーをいただくことができます。 人生をどう過ごすことが自分にとって幸せだろうか、という大きな問いができます。 また、基礎化粧品などを含む「美容」については人生の先輩からの話こそ説得力があると思っています。堀野さんは「ビューティーアドバイザー」とありますが、まさに「ビューティー」の意味の多様性を教えていただける方なのだろうとも、記事を読みながら思いました。「年を重ねたからこそ見えてくる美」、知りたいです。
宇野昌磨さん。今も強く印象に残っているのは、たしか宇野さんが小学5年生頃。15年ほど前に日本スケート連盟からのご依頼でジュニアエリートのみなさんにスポーツ心理学やメンタルトレーニングについて講義をした時のことです。 最前列のど真ん中に座り、目の前の講師の私を凝視して、講義の最後まで真剣に聞いていた姿を見て「あの選手はどなたですか」と私は講義後に聞きました。 これまで多様な競技団体で講義をしましたが印象に強く残る選手がいます。 宇野さんはそのお一人。私自身、宇野さんの演技は、特にジャンプの着地に彼の覚悟が太く強く重くある姿が好きでした。技にアートを感じる瞬間でした。いろいろ伺ってみたいです。
同い年の三浦氏の貴重な記事を拝読。 「何に対しては逃げることにするか」を自分軸で決められることが人生で大事だと私は思います。自分のIntegrityとは違う道であるようだ、と感じる嗅覚は貴重で、そこから「逃げる」そして「自分が決めた方向に道をつくる」ことは大事だと思うからです。 一方で、その決断ができる自分だと、自分を信じられるためには、前提に「私は困難から逃げない人間だ」という根拠が自分になければならない。「逃げには種類があるのだ」と言い切れる自分でないと、嗅覚をも胡散臭く感じる自分になる。 だから、「逃げなかった」「逃げに慣れることなどない」と断定できる実体験は当然大事です。
スポーツ選手としての経験で培った様々なスキル(本記事では”柔軟なサーバントリーダーシップスキル”)で引退後のキャリアでも使っていけるスキルをトランスファラブルスキル(転用スキル)といいます。 本記事で、山本氏はさらりとおっしゃっていますが、経営者としても主婦としても、それまでに培ったスキルを転用していくには「自分という人間がどういうスキルを選手時代に培ってきたのか」を冷静に思考整理できる自己客観力が前提に必要です。 言葉だけでは、さらりと成功されているように見えてしまいますが、どんなご経験のなかでも「この状況で自分ができるベストはなにか」を常に工夫されてきたからこそだと推察します。
学問としての「英語」と、人とつながり聞き話す楽しい会話としての「英語」は違います。「国語」と「日本語での会話」が違うのと一緒です。 どんなに発音がうまくなくても、文法がわからなくなっても、theをつける場所を間違っても、そんなことは個性だ!くらいにとらえて、ぐちゃぐちゃでもまずは話してみる、わからないことは聞いてみるという勢いでの「リアル体験」を楽しめる機会が学生のみなさんに増えるといいなと思います。 語学習得に大事なことは勇気と勢い。でもそのベースにあるのはやっぱり単語数。昔は辞書を引きながらでしたが最近は自動翻訳などで確認しながらの習得が可能。ずいぶんと効率が良くなったと思います。
事実の公表が更新し続ける期間で、日米での憶測の種類が違うのは理解できます。 今日までの日米報道での「見えている事実」を読む限りですが、色々勝手に大谷翔平さんのご心情を想像してしまいます。 競技内のいかなるストレスにもどう認識し課題解決行動を見つけ実行するか、については何種類ものコーピングストラテジーを持っている方だと思います。 しかし現在の競技外でのストレスへの対処には、新しいコーピングストラテジーを作る必要があるはず。それを推察すると、とにかく一つ一つ、ご自身の想いや考えを言語化し、できることのみに集中し、ゆっくり対処行動を作っていかれることができますように、と心から願っています。
車いすバスケットボールに20年以上関わっています。競技として醍醐味のあるスポーツです。欧州リーグ戦などは地域の子供達がワイワイ楽しく観戦し大興奮します。競技性の高い世界中で人気のスポーツであるゆえにたとえ東京大会でメダル獲得をしていようと今回パリ大会は男子はパラリンピック出場が叶いませんでした。競技力向上にはパラスポーツならではの困難さ(例:選手人数を拡大させたりは難しい)があるものの、車いすバスケットボールの心技体を通じて企業が多様な人的資本の作り方を学べることはたくさんあります。多様なコミュニケーション力、共感力、レジリエンス力など、競技を通して広めていけることは多いと思います。
結婚、出産、留学、起業、子育てといった人生の節目続きであった30代の頃、フランス人の義母から言われて固定観念を崩してもらえたことの一つに家事代行がありました。 「もっとラクしていいのよ」 「自分で努力してやり続けることと、他者に頼ることはわけていいのよ」 そんなことを直接言われるのではなく日々の暮らしの中で教えてもらいました。 「そもそも私にとって家事とは何か」 「どんな家事は自分にとって大切か」 といった視点で「家事」というものを捉えると全く違う解決法も見つかり、そんな中でいろんな種類の家事代行を重ねてきました。 意思決定の軸を自分の中に見出すことは重要でした。
こういった記事が出てくること自体が良い変化だと痛感します。 女性が働く上で何が課題か、どういったニーズが働く女性にはあるのか、といった実態調査をたとえおこなっても、それがメディアに出なければ結果的に社会のリテラシーは広まりません。 記事に「更年期障害」「生理」の課題をしっかり掲載いただくこと、さらにそれは女性だけの課題ではなく経済的弊害でもあること、また、男性にも更年期障害はあること、といった社会全体の課題であること、が広まればいいなと思います。広まると、「ではどうするか」といった課題解決案が、他領域、多領域でより出せると思います。
ワクワクする取り組みです。困難であっても重要な挑戦と思います。 私自身、文理融合で「他・多領域」のみなさんと学び研究議論することの挑戦の魅力を感じるからです。 英語で学ぶことも本来、原著論文は英語でどんどん出していくことが重要であることから大事だと痛感します。英語で掲載しないと結果的に諸外国で類似研究をしていらっしゃる仲間との議論が難しいからです。 日本人であること、日本語で学ぶことの良さはたくさんあります。だからこそ、日本の魅力を世界に発信していくためにも、一学問領域を極めながらも他領域とつながり、これからの不明確な社会への課題解決デザインをしていけるように私も学び続けたいです。
ほぼ10歳上のスポーツ界の先輩です。 1980年代に競技と学業を両立されている女性の五輪メダリストの先輩のお一人と思っていたので、10代の頃から、三屋さんの動向はメディアを通して見ていました。様々な人生選択をされているたびに、その選択の背景を勝手に想像し興味を持っていました。 自分自身の競技引退後のキャリア形成に大きく影響した先輩のお一人です。
20代30代では、その後の人生に大きく影響する人生選択が多いです。その都度、自分にとっての最適解だと思って決断するわけですが、それが本当に最適解だったかは10年たっても20年たっても不明です。それ以外の選択の人生を生きてこなかったわけで比較検証できません。 が、20代からやっていて良かったと実感する事は「感情と思考のトレーニング」としてEmotional Intelligence を練習し続けたこと。 自分の人生を主観的にどう感じているかに気づき、客観的に捉え直し、本当に解決すべき課題は何で、どのような工夫の行動ができるかを考える能力は今の50代の自分にも助けになっています。
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田中ウルヴェ京
スポーツ心理学者(博士)・五輪メダリスト
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【注目するニュース分野】スポーツマネジメント、メンタルトレーニング、キャリアコンサルティング、メンタルヘルス
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