ビッグ・オーディオ・ダイナマイト
ビッグ・オーディオ・ダイナマイト Big Audio Dynamite | |
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再結成 - USAシカゴ公演(2011年8月) | |
基本情報 | |
出身地 | イングランド・ロンドン |
ジャンル |
ポストパンク オルタナティヴ・ロック |
活動期間 |
1984年 - 1998年 2011年 |
レーベル |
CBSレコード コロムビア・レコード ラジオアクティヴ・レコード |
共同作業者 | ロンドンSS、ザ・クラッシュ、カーボン/シリコン |
メンバー |
ミック・ジョーンズ ドン・レッツ ダン・ドノヴァン レオ・ウィリアムズ グレッグ・ロバーツ |
旧メンバー |
ニック・ホーキンス ゲイリー・ストナッジ クリス・カヴァナー アンドレ・シャップス マイケル・カスタンス ダリル・フルストゥ ボブ・ウォンド ランキング・ロジャー |
ビッグ・オーディオ・ダイナマイト(Big Audio Dynamite, 後にビッグ・オーディオ・ダイナマイトII、ビッグ・オーディオ、BADと短縮されていった)は、イングランド出身のロック・バンド。
ザ・クラッシュの元ギタリスト、ミック・ジョーンズを中心に結成。様々な音楽スタイル(パンク・ロック、ダンス・ミュージック、ヒップホップ、レゲエ、ファンク)を取り入れたポストパンクを展開した。一度解散していたが、2011年に再結成を果たしている。
変遷
[編集]ビッグ・オーディオ・ダイナマイト(1984年 - 1990年)
[編集]- ラインナップ:
- ミック・ジョーンズ - ギター、ボーカル
- ドン・レッツ - サウンドエフェクト、ボーカル
- ダン・ドノヴァン - キーボード
- レオ・ウィリアムズ - ベース
- グレッグ・ロバーツ - ドラムス、バックボーカル
-
ミック・ジョーンズ (1987年)
-
ドン・レッツ (1987年)
-
レオ・ウィリアムズ (1987年)
-
グレッグ・ロバーツ (1987年)
バンドの最初の姿。ジョーンズと映画監督のレッツ(『ザ・パンク・ロック・ムービー』、クラッシュのミュージック・ヴィデオや、後のクラッシュのドキュメンタリー『ウェストウェイ・トゥ・ザ・ワールド』を撮った)が結成し、1985年にアルバム『ディス・イズ・ビッグ・オーディオ・ダイナマイト』でデビューした。アルバムジャケットにはドノヴァンを除いた4人が写っており、5人揃った写真はジャケット裏面にある。
1986年のアルバム『No. 10, アッピング・ストリート』ではクラッシュでの仲間ジョー・ストラマーをコ・プロデューサーとして迎え、一緒に数曲を作った。1987年にU2のワールドツアーをサポートし、1988年には『タイトゥン・アップ Vol. '88』、1989年には『メガトップ・フェニックス』をリリースした。『タイトゥン・アップ Vol. '88』にはビルボードのモダン・ロック・トラックスで1位になった「ジャスト・プレイ・ミュージック!」が含まれている。
1990年、映画『フラッシュバック』のためにオリジナルメンバーで「フリー」を制作、録音した。これがオリジナル・ラインナップでの最後の曲となり、バンドは間もなく解散した。 1990年後半、ミック・ジョーンズはビッグ・オーディオ・ダイナマイトIIをデビューさせ、イギリス限定アルバムの『クール・エイド』をリリースした。ダン・ドノヴァンはBADの最後の曲「フリー」の焼き直しである「キッキン・イン」一曲のため居残った。
ビッグ・オーディオ・ダイナマイトII(1991年-1993年)
[編集]- ラインナップ:
- ミック・ジョーンズ - ギター、ボーカル
- ニック・ホーキンス - ギター、バックボーカル
- ゲイリー・ストナッジ - ベース、バックボーカル
- クリス・カヴァナー - ドラムス、バックボーカル
1991年の『ザ・グローブ』ではBADから残ったメンバーはジョーンズただ1人で、バンドはビッグ・オーディオ・ダイナマイトIIと呼ばれた。ギタリスト2人になった新ラインナップは、よりクラッシュ的になり、結果的にオルタナティヴ・ロックの傾向を深めた。『ザ・グローブ』にはバンドの商業的に最も成功したシングル「ラッシュ」が含まれている。この曲はアメリカのモダン・ロック・チャートで1位になった。「イノセント・チャイルド」と「ザ・グローブ」もシングル・リリースされた。
BAD2はU2のZooTVツアーをサポートし、ライヴEP『オン・ザ・ロード・ライヴ '92』をリリースした。
ビッグ・オーディオ(1994年)
[編集]- ラインナップ:
- ミック・ジョーンズ - ギター、ボーカル
- ニック・ホーキンス - ギター、バックボーカル
- ゲイリー・ストナッジ - ベース、バックボーカル
- クリス・カヴァナー - ドラムス、バックボーカル
- アンドレ・シャップス - キーボード
- マイケル・カスタンス - DJ、パーカッション、バックボーカル
後にバンドはキーボードのアンドレ・シャップス(『ザ・グローブ』のコ・プロデューサー)と、DJ・ボーカルのマイケル・“ゾンカ”・カスタンスを招き入れた。2人とも1994年のアルバム『ハイアー・パワー』に参加しており、またこのアルバムは名前を縮めたビッグ・オーディオ名義でリリースされた。このアルバムは、『ザ・グローブ』やそれ以前のアルバムほどには受け入れられなかった。
1995年にゲイリー・カーファーストのラジオアクティヴ・レコードと契約し、彼らにとって最も売れなかったアルバム『F-Punk』をリリースした。これは『ハイアー・パワー』と同じラインナップであるのにもかかわらずビッグ・オーディオ・ダイナマイト名義でリリースされた。
活動停止まで(1995年 - 1998年)
[編集]- ラインナップ:
- ミック・ジョーンズ - ギター、ボーカル
- アンドレ・シャップス - キーボード
- ダリル・フルストゥ - ベース (1996 - 1998)
- ボブ・ウォンド - ドラムス (1996 - 1998)
- ランキング・ロジャー - ボーカル (1996 - 1998)
ラジオアクティヴ・レコードはバンドの次のアルバム『エンタリング・ア・ニュー・ライド』の発売を中止した。この時のラインナップにはボーカリストのランキング・ロジャー(ザ・ビート、ジェネラル・パブリック)が入っている。1998年、バンドは『エンタリング・ア・ニュー・ライド』の曲の配信を主目的とする新たなウェブサイトを立ち上げた。しかし長く続くことはなく、このまま活動停止した。
以降〜リユニオン
[編集]2005年の時点で、ジョーンズは元ジェネレーションX、ジグ・ジグ・スパトニックのトニー・ジェイムスとのプロジェクト、カーボン/シリコンに取り組んでいる。
2007年初め、BAD IIのライヴ・DVDがリリースされた。
2011年、21年ぶりにオリジナルメンバーが集結し、ワールドツアーを開催。フジロックフェスティバル出演にて、18年ぶりの来日公演も行った[1]。
ディスコグラフィ
[編集]アルバム
[編集]年 | アルバム | 全英 | 全米 | 付加情報 |
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1985 | ディス・イズ・ビッグ・オーディオ・ダイナマイト、 | 27 | 103 | ビッグ・オーディオ・ダイナマイト名義 |
1986 | No. 10, アッピング・ストリート | 11 | 135 | ビッグ・オーディオ・ダイナマイト名義 |
1988 | タイトゥン・アップ Vol. 88 | 33 | 102 | ビッグ・オーディオ・ダイナマイト名義 |
1989 | メガトップ・フェニックス | 26 | 85 | ビッグ・オーディオ・ダイナマイト名義 |
1990 | クールエイド | 55 | - | ビッグ・オーディオ・ダイナマイトII名義、限定盤 |
1991 | ザ・グローブ | 61 | 76 | ビッグ・オーディオ・ダイナマイトII名義、ゴールド認定 |
1994 | ハイアー・パワー | - | - | ビッグ・オーディオ名義 |
1995 | F-Punk | - | - | ビッグ・オーディオ・ダイナマイト名義 |
1997 | エンタリング・ア・ニュー・ライド | - | - | インターネット上でのリリース |
その他のアルバム
[編集]年 | アルバム | 全英 | 全米 | 付加情報 |
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1990 | フラッシュバック・サウンドトラック | 98 | 86 | ビッグ・オーディオ・ダイナマイト名義 |
1991 | アリィ・パリィ・パラディソ | - | - | 公式海賊ライヴ盤。ビッグ・オーディオ・ダイナマイトII名義 |
1992 | オン・ザ・ロード・ライヴ '92 | - | - | 5曲入りのライヴ盤EP。1992年の全米ツアーから。 |
1993 | ロスト・トレジャーズ・オブ・B.A.D.I&II | - | - | 希少な12インチ盤とB面曲を集めた2枚組コンピレーション・アルバム |
1995 | プラネット B.A.D. | - | - | ベスト盤 |
1999 | スーパー・ヒッツ | - | - | ベスト盤 |
シングルチャート
[編集]年 | 曲 | 全英 | 全米 | 米ロック | 米ダンス | アルバム |
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1986 | ザ・ボトム・ライン | 97 | - | - | 33 | ディス・イズ・ビッグ・オーディオ・ダイナマイト |
E=MC² | 11 | - | - | 37 | ||
メディシン・ショウ | 29 | - | - | 42 | ||
カモン・エヴリィ・ビートボックス | 51 | - | - | 19 | No. 10, アッピング・ストリート | |
1987 | Vサーティーン | 49 | - | - | 15 | |
サイトシーMC | 94 | - | - | - | ||
1988 | ジャスト・プレイ・ミュージック! | 51 | - | 1 | 45 | タイトゥン・アップ Vol. 88 |
アザー99 | 81 | - | 13 | - | ||
1989 | ジェームス・ブラウン | - | - | 2 | 19 | メガトップ・フェニックス |
コンタクト | 86 | - | 6 | 18 | ||
1990 | フリー | - | - | 22 | 47 | フラッシュバック・サウンドトラック |
1991 | ラッシュ | - | 32 | 1 | 36 | ザ・グローブ |
ザ・グローブ | - | 72 | 3 | 28 | ||
1994 | ルッキング・フォー・ア・ソング | 68 | - | 24 | - | ハイアー・パワー |
その他
[編集]- 「E=MC²」はジェームズ・フォックスとミック・ジャガー主演の1970年の映画『パフォーマンス』からサンプリングしている[2]。
- 「E=MC²」はハード・ファイのライヴでカヴァーされた。2006年5月18日、彼らはジョーンズのステージのアンコールに参加し、「E=MC²」を共演した。
- ミック・ジョーンズはBADでボンド・エレクトラグライドのハイテクギターを使用したことで知られる。このギターは『No.10, アッピング・ストリート』のジャケットでジョーンズが下げている。
- 1980年代、オーストラリアのスポーツ番組『スポーツ・サンデー』で「ザ・ボトム・ライン」がオープニング曲として使用された。
出典
[編集]- ^ “ミック・ジョーンズ「フジロックはこれまでで最高のフェスだ」”. BARKS (2011年8月3日). 2019年6月5日閲覧。
- ^ オリジナルをアーカイブ(102.1 the edge)
関連項目
[編集]- ドレッドゾーン
- ジグ・ジグ・スパトニック - BAD IIのクリス・カヴァナーや、ジョーンズのカーボン/シリコンでのパートナー、トニー・ジェイムスが在籍していた。