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BASF

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
BASF SE
BASF本社
種類 欧州会社(Societas Europaea)
市場情報 FWBBAS
LSEBFA
略称 BASF
本社所在地 ドイツの旗 ドイツ
ラインラント=プファルツ州
ルートヴィヒスハーフェン・アム・ライン
設立 1865年4月6日
業種 化学
事業内容 化学品の製造販売
代表者 Martin Brudermüller
資本金 42,081 Million Euro
(2021年12月31日時点)[1]
発行済株式総数 918,478,694 株
(2021年12月31日時点)[1]
売上高 連結:78,598 Million Euro
(2021年12月期)[1]
営業利益 連結:7,677 Million Euro
(2021年12月期)[1]
純利益 連結:5,523 Million Euro
(2021年12月期)[1]
総資産 連結:87,383 Million Euro
(2021年12月期)[1]
従業員数 111,047人
(2021年12月期)[1]
決算期 12月末日
関係する人物 カール・ボッシュ
ハーバー・ボッシュ法の開発)
外部リンク http://www.basf.com/
http://www.japan.basf.com/
BASFジャパン
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BASF(ビーエーエスエフ、: BASF SE)は、ドイツ南西部のルートヴィヒスハーフェン・アム・ラインに本社を置き、150年の歴史を持つ世界最大の総合化学メーカーである。フランクフルト証券取引所ロンドン証券取引所上場企業(FWBBASLSEBFA)。スイス証券取引所にも上場しており、ニューヨーク証券取引所東京証券取引所にもかつて上場していた。

概要

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カール・ボッシュハーバー・ボッシュ法を発明した老舗である。第二次世界大戦前はバイエルヘキスト(現サノフィ・アベンティス)と共にIG・ファルベンを構成した事業体の一つであり、分割後もドイツ三大化学メーカーの一角を占めていた。主力製品は伝統的な化学品・農業関連製品にとどまらない。戦後、石油・ガス事業へも進出した。今ではプラスチック製品・高機能製品も生産する。BASFのレパートリーはドイツの化学会社でも特に多い。かつては医薬品部門(Knoll AG)も傘下に収めていたが、米国アボット・ラボラトリーズに売却し、現在は扱っていない。2011年度の売上高は735億ユーロ(約8.2兆円)で、85億ユーロ(約9,400億円)を超える特別項目控除前EBITを計上。従業員数11万1千人を超える、世界有数の巨大企業グループである。

「BASF」とは創業時の社名「Badische Anilin - u. Soda -Fabrik」[注釈 1]の頭文字を取った略称である。創業者であるフリードリヒ・エンゲルホルンドイツ語版が事業立上げ当初にSoda(炭酸ナトリウム)を産し、「バーデンアニリンソーダ化工」と名乗った[2]。1973年以降はこの略称であるBASF(ベーアーエスエフ)を正式な社名としている。日本では一般に「バスフ」と読まれることも多く、傘下のレコードレーベル(後述)の日本国内盤(1970年代中期時点ではテイチクが発売)にも「バスフレコード」のカナ表記が見られたが、正式な読みは「ビーエーエスエフ」である。ただし、中国においては「巴斯夫(バスフ、Bāsīfū)」を現地での社名としている。

沿革

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ウィンターシャル買収

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一昨年より相手方の総会屋に手を焼きながら、1969年にBASFはウィンターシャルを完全買収した。

ウィンターシャルは同族経営の鉱業コングロマリットであり、年総売上高は15億ドイツマルクにのぼった。その2/3は石油・天然ガスの採掘・精製に、また残り1/3は年採掘量100万トン(ドイツ産出量の半分)というカリウム肥料に由来した。ウィンターシャルの石油採掘量はドイツの年総採掘量120万トンの14%を占めた。また、保有する天然ガス田はドイツの確定埋蔵量の26%を占めた。石油精製能力はドイツ全体の7%以上であった。リンゲンではシェルやエッソと、マンハイムではマラソン・オイルと、共同生産していた。さらにアルザスでペック・リン(PEC-Rhin)[注釈 3]と合弁の肥料工場をつくったばかりだった。[8]

ウィンターシャルは資産として、給油チェーン アラル株の15%、グアノ・ワークス(Guano Works)株の90%、ゲヴェルクシャフト・ヴィクター株の50%などを保有していた。BASFにとり脅威であったが、BASFが経済力集中排除法の適用を事実上免れたのに対し、ウィンターシャルは国外金融市場から資金調達を制限されていた。ウィンターシャルには持株会社が二つあった。ゲヴェルクシャフト・ウィンターシャルと、ゲヴェルクシャフト・テア(Gewerkschaft Thea)が、CUXEというハンザ同盟時代の単位で保有していた。創業者アウグスト・ロスタークが孫は生まれないと思い、株式資本の50%強である無議決権株をウィンターシャルへ1975年までに譲るという法律行為をしてあった。しかし息子ハインツが再婚して後継者に恵まれたので、法律行為の無効を不毛にも会社と争わんとした。クヴァント家がテア株の1/3を保有する立場から、BASFによる買収を仲介し法律問題を回避したとみられている。ハインツは総株式の50%強を手放す代わりに、12CUXEと現金40万ポンドを得て議決権を留保した。[8]

日本での活動

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かつては出光興産三菱化学三井化学武田薬品工業日油との合弁事業も行っていた。 現在は日本法人BASFジャパンの他、イノアックコーポレーション住友金属鉱山戸田工業との合弁会社も設立している。

1970年代からカセットテープを発売していたが、既に撤退した[注釈 4]。なお、磁気テープの初期開発段階において、ベースとなるアセテート樹脂の開発を主導したことから「磁気テープはBASF社が開発した」と言われることがある(テープレコーダ#歴史を参照)。カセットテープは同じドイツの同業者であるアグフア・ゲバルト (Agfa-Gevaert) にOEM供給された。 また、1980年頃までは音楽レコードの制作を行っていた時期もあり、日本ではテイチク(現・テイチクエンタテインメント)のクラシック部門レーベルとしてルドルフ・ケンペローベルト・シュトルツコレギウム・アウレウム合奏団などの録音が数多く発売された。

脚注

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注釈

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  1. ^ ドイツ語: Badische Anilin- und Soda-Fabrik英語: Baden Aniline and Soda Manufacturing
  2. ^ エレミカは、ダウ・ケミカルデュポンバイエル・BASF・三菱化学三井化学住友化学工業など、世界の主要大手化学品メーカー22社が2000年8月にペンシルベニア州で設立した[4]
  3. ^ トタル傘下。2012年Borealis AG に買収された。
  4. ^ 大創産業のカセットテープ「Zebra」で同社製の磁気テープが採用されていた。「Zebra」は後に、韓国製にマイナーチェンジされる。

出典

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  1. ^ a b c d e f g BASF 10 year summary”. 2023年2月21日閲覧。
  2. ^ http://www.chem-station.com/blog/2012/08/basf.html
  3. ^ a b c d e f g h International Directory of Company Histories, Vol. 50. St. James Press, 2003.
  4. ^ 日経BP ITpro 化学品BtoBの「エレミカ」が日本上陸 2002/04/09
  5. ^ BASF、バイエルの事業および資産の買収を完了
  6. ^ BASFと出光の合弁会社、1, 4-ブタンジオールの千葉工場を閉鎖
  7. ^ スバンテ、炭素回収市場に向けた先進MOF吸着剤の商用供給契約をBASFと締結:時事ドットコム”. 時事ドットコム. 2023年10月12日閲覧。
  8. ^ a b アンソニー・バイス著 佐々木広生訳 『テークオーバーの内幕』 日本経済新聞社 1972年 pp.249-257.

外部リンク

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