宝塚歌劇団27期生
表示
宝塚歌劇団27期生(たからづかかげきだん27きせい)とは、1937年(昭和12年)に宝塚歌劇団(当時の名称は宝塚音楽歌劇学校/宝塚少女歌劇団[注釈 1])に入団し、1939年(昭和14年)もしくは1940年(昭和15年)に初舞台を踏んだ94人を指す[2]。
概要
[編集]1939年初舞台生の公演演目は雪組公演『花と兵隊』『聯隊の娘』『日本風俗絵巻』、月組公演『少国民に栄光あれ』『モロッコの豹』『宝塚花物語』、雪組公演『桃花春』、花組公演『太平洋行進曲』『スペインの黒薔薇』、月組公演『ブルウ・トランク』のいずれかで、1940年は花組公演『世界の詩集』である[2]。
この期は乙羽信子、越路吹雪、月丘夢路、大路三千緒、東郷晴子らが入団した。大路は1951年 - 1952年の花組組長と1961年 - 1975年の雪組組長を務め、東郷は1951年 - 1952年に雪組組長を務めた。当時松竹専属子役だった高峰秀子がこの期で宝塚入学が決まっていたが、会社との話し合いで入学を断念し映画界に残った。
一覧
[編集]入団時の成績順にまとめている[3]。
1939年初舞台
[編集]芸名[2] | 読み仮名[2] | 誕生日 | 出身地 | 出身校 | 芸名の由来 | 愛称 | 役柄 | 退団年[2] | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
香久美ひかる | かくみ ひかる | 2月16日 | ウヰルミナ女学校高等女学部[4] | 1940年 | 夫は俳優の芦田伸介 | ||||
東郷晴子 | とうごう はるこ | 3月15日 | 東京都 | 桜蔭高等女学校 | ハコちゃん | 娘役 | 1955年 | 俳優 | |
仁保海月子 | にほみ つきこ | 4月20日 | 大阪府大阪市 | 梅花高等女学校 | オバァちゃん | 男役 | 1944年 | 俳優・吉川雅恵 | |
草岡由美 | くさおか ゆみ | 東京都[5] | 1945年 | ||||||
高松貴美子 | たかまつ きみこ | 1944年 | |||||||
霧原なつみ | きりはら なつみ | 東京府立第五高等女学校[4] | 1942年 | 改名後・霧原なつ子(きりはら なつこ)[2] | |||||
美輪公子 | みわ きみこ | 大阪市[5] | 1945年 | ||||||
千成ひさご | ちなり ひさご | 11月25日 | 東京都[5] | 滝野川村立第二尋常小学校 | 1942年 | ||||
嵯山都 | さやま みやこ | 大阪市 | 1944年 | ||||||
角笛こだま | つのぶえ こだま | 神奈川県横浜市[6] | 1940年 | ||||||
菫千咲 | すみれ ちさき | 東京都[5] | 1940年 | ||||||
吹上みさを | ふきあげ みさを | 兵庫県神戸市[6] | 1940年 | ||||||
信貴多美路 | しき たみじ | 神奈川県[5] | 1944年 | ||||||
美鳥ひろ | みとり ひろ | 長崎県立大村高等女学校[4] | 1944年 | ||||||
緑島なみ | みどりしま なみ | 実践高等女学校[4] | 1944年 | 姉は司百合奈[7] | |||||
日出国瑞穂 | ひでくに みずほ | 1944年 | |||||||
山吹八重子 | やまぶき やえこ | 神戸市[5] | 1940年 | ||||||
澄川玲子 | すみかわ れいこ | 1945年 | |||||||
港黎子 | みなと れいこ | 東京都[5] | 1940年 | ||||||
四季妙子 | しき たえこ | 福岡県 | 1941年 | ||||||
葦城まこと | あじろ まこと | 6月13日 | 大阪府大阪市 | 大手前高等女学校 | しもさん | 1953年 | |||
峰乃紅葉 | みねの もみじ | 1940年 | |||||||
霞千恵子 | かすみ ちえこ | 3月29日 | 1943年 | 姉は玉川清子・槇蓉子[7] 姪は尚すみれ[注釈 2] | |||||
山路すみれ | やまじ すみれ | 東京府立第一高等女学校[4] | 1941年 | ||||||
匂千里 | におい ちさと | 大阪市 | 1945年 | ||||||
花乃香保里 | はなの かおり | 1940年 | |||||||
月丘夢路 | つきおか ゆめじ | 10月14日 | 広島県広島市中区 | 広島県立広島高等女学校 | ツメ | 娘役 | 1943年 | 俳優 夫は映画監督の井上梅次 実娘は井上絵美 実妹は月丘千秋・月丘洋子 | |
遠山美乃里 | とおやま みのり | 京都府立綾部高等女学校[4] | 娘役 | 1945年 | |||||
双葉弘子 | ふたば ひろこ | 神戸市[5] | 1943年 | 俳優 | |||||
高立葵 | たかだち あおい | 横浜英和女学校[4] | 1944年 | ||||||
加茂みやじ | かも みやじ | 大阪市[5] | 1944年 | モデル 「ケイ・エフ・ジー」取締役会長 | |||||
星空光子 | ほしぞら みつこ | 神奈川県[5] | 1940年 | ||||||
木船三緒子 | きぶね みおこ | ウラジオストック[6] | 1944年 | ||||||
珠智浩子 | たまとも ひろこ | 東京都[5] | 1940年 | ||||||
安藝みさヽ | あき みささ | 神戸市 | 1944年 | ||||||
對馬衣郁美 | つしま いつみ | 西岡さん | 1950年 | 夫は俳優の美川陽一郎 | |||||
東路美代子 | あずまじ みよこ | 東京都[5] | 1948年 | ||||||
美波洋子 | みなみ ようこ | 東京都[5] | 1944年 | ||||||
錦江みふね | にしきえ みふね | 大阪市[5] | 1944年 | ||||||
矢車揚子 | やぐるま ようこ | 大阪市 | 1943年 | ||||||
大町ひろ子 | おおまち ひろこ | 兵庫県[6] | 1940年 | ||||||
瞳うらゝ | ひとみ うらら | 11月8日 | 大阪府大阪市 | 集英尋常小学校 | 堀正旗が命名 | みっちゃん 村岡さん |
娘役 | 1963年 | 母は久野光子[8] |
若狭はるみ | わかさ はるみ | 東京都[5] | 1941年 | ||||||
高見よし子 | たかみ よしこ | 神戸市 | 1941年 | ||||||
宮城秀子 | みやぎ ひでこ | 1941年 | 改名後・鞠美也子(まり みやこ)[2] 姉は紀川瑠璃子[7] | ||||||
柳孝子 | やなぎ たかこ | 1942年 | |||||||
国原美秋 | くにはら みあき | 東京都 | いのさん | 1945年 | 俳優 | ||||
彌栄邦子 | やさか くにこ | 福岡県北九州市 | 1944年 | ||||||
乙羽信子 | おとわ のぶこ | 10月1日 | 鳥取県米子市 | 養母が信仰する新宗教の教師が命名 | おカジ | 娘役 | 1950年 | 俳優 夫は新藤兼人 | |
花藻ゆかり | はなも ゆかり | 大阪市 | 1944年 | 姉は松野友子・有川恒子[7] 姪は千草美景[注釈 3] | |||||
櫻木久美子 | さくらぎ くみこ | 香川県[6] | 1944年 | 改名後・櫻木暎子(さくらぎ てるこ)[2] | |||||
美里まり | みさと まり | 千葉県 | 1944年 | ||||||
青空ますみ | あおぞら ますみ | 鹿児島県鹿児島市 | 1945年 | ||||||
松風浦子 | まつかぜ うらこ | 神戸市 | 1944年 | ||||||
若駒すゝむ | わかこま すすむ | 神戸市[5] | 1940年 | ||||||
菊野華子 | きくの はなこ | 1941年 | |||||||
城山明子 | しろやま あきこ | 兵庫県 | 1941年 | ||||||
朝洋光子 | あさぎ みつこ | 兵庫県芦屋市 | 両役 | 1948年 | |||||
若葉緑 | わかば みどり | 北海道 | 1944年 | ||||||
秦名千壽子 | はるな ちずこ | 東京都 | 1945年 | ||||||
三保松子 | みほ まつこ | 神戸市 | 1948年 | ||||||
瑠璃豊美 | るり とよみ | 5月3日 | 兵庫県姫路市 | 尾道筒湯学校 | 尾道に因む | テルコさん テルちゃん |
娘役 | 1984年 | |
源君子 | みなもと きみこ | 大分県別府市 | 1943年 | ||||||
深山狭霧 | みやま さぎり | 千葉県[5] | 1940年 | ||||||
吾妻景子 | あづま けいこ | 1941年 | |||||||
小草ひとみ | こぐさ ひとみ | 香蘭女学校[4] | 1941年 | ||||||
七生義子 | ななお よしこ | 神戸市[5] | 1941年 | ||||||
壬生櫻子 | みぶ さくらこ | 10月24日 | 京都府京都市 | 住んでいた土地に因む | チーコ | 男役 | 1961年 | 姉は繪島由紀[7] | |
千汐貴子 | ちしお たかこ | 和歌山県[9] | 1943年 | ||||||
大路三千緒 | おおじ みちお | 2月21日[10] | 東京都[10] | 立教高等女学校 | ミッちゃん[10] ミチコちゃん |
男役 | 1980年 | 俳優 妹は千代薫[7] 姪は葦笛るか[注釈 4] 宝塚歌劇団演技・台詞講師 | |
紅菊京子 | べにぎく きょうこ | 福岡県久留米市 | 1941年 | ||||||
水月美奈子 | みなづき みなこ | 東京女子高等師範學校附屬高等女學校[4] | 1943年 | ||||||
越路吹雪 | こしじ ふぶき | 2月18日 | 東京都千代田区 | 長野県立飯山高等女学校 | 新潟から入学 | コーチャン | 男役 | 1951年 | 夫は作曲家の内藤法美 |
江戸町花代 | えどまち はなよ | 東京都[5] | 1944年 | ||||||
京町やよひ | きょうまち やよひ | 大阪市 | 1940年 | ||||||
白露玉美 | しらつゆ たまみ | 大阪市[5] | 1944年 | ||||||
環春代 | たまき はるよ | 大阪府 | 1944年 | ||||||
浦島歌女 | うらしま うため | 4月13日 | 大阪府 | 父が御伽話から語呂の良いもの | オデコ | 娘役 | 1957年 | 俳優・浦島千歌子[11] 姉は百合小夜子[7] 姪はありす未来[注釈 5] | |
若浦潮 | わかうら うしお | 長野県松本高等女学校[4] | 1944年 | ||||||
都山かすみ | とやま かすみ | 神戸市 | 1944年 | ||||||
海山幸子 | うみやま さちこ | 大阪市[5] | 1940年 | 夫は俳優の信欣三 | |||||
秋津ゆたか | あきつ ゆたか | 兵庫県立第一神戸高等女学校[4] | 1940年 | ||||||
弥生美也子 | やよい みやこ | 1944年 | |||||||
染川佐保子 | そめかわ さほこ | 3月26日 | 大阪府大阪市 | 佐保姫の伝説に因む | ヨネコさん | 1954年 | |||
高潮わたる | たかしお わたる | 大阪府 | 1940年 | ||||||
深雪町子 | みゆき まちこ | 1944年 | |||||||
桐野一葉 | きりの いちよう | 大分県 | 1940年 | ||||||
朝霧早苗 | あさぎり さなえ | 10月27日 | 兵庫県神戸市 | ウエモッちゃん | 娘役 | 1965年 | |||
美鶴千羽子 | みつる ちわこ | 兵庫県[5] | 1940年 | ||||||
鼓滝子 | つづみ たきこ | 兵庫県[5] | 1940年 | ||||||
紅花つどひ | べにばな つどひ | 1942年 | |||||||
旭島映子 | あさひじま えいこ | 1948年 | |||||||
曙明子 | あけぼの あきこ | 東京都 | 1939年 |
1940年初舞台
[編集]芸名[2] | 読み仮名[2] | 誕生日 | 出身地 | 出身校 | 芸名の由来 | 愛称 | 役柄 | 退団年[2] | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
小町みどり | こまち みどり | 1944年 |
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ 90年史 2004, p. 180.
- ^ a b c d e f g h i j k 100年史(人物) 2014, p. 32.
- ^ 100年史(人物) 2014, p. 5.
- ^ a b c d e f g h i j k 『歌劇』、宝塚少女歌劇団、1939年2月1日、227号
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w 『歌劇』、宝塚少女歌劇団、1939年5月1日、230号
- ^ a b c d e 『歌劇』、宝塚少女歌劇団、1939年6月1日、231号
- ^ a b c d e f g 100年史(人物) 2014, p. 29.
- ^ a b c d e 100年史(人物) 2014, p. 28.
- ^ 『すみれ達の証言 大正・昭和を駆け抜けたタカラジェンヌ達』桝谷多紀子著、中央公論事業出版、2014年11月20日、p154
- ^ a b c 「舞台を色どる人々」『おお宝塚60年―「ドンブラコ」から「ベルばら」まで』朝日新聞社、1976年11月30日、232頁。
- ^ 橋本雅夫『素晴らしい宝塚歌劇―夢とロマンの85年―』阪急電鉄コミュニケーション事業部、1999年9月10日、210頁。ISBN 4-89485-013-3。
参考文献
[編集]- 執筆:國眼隆一 著、編集:森照実・春馬誉貴子・相井美由紀・山本久美子 編『すみれ花歳月を重ねて―宝塚歌劇90年史―』宝塚歌劇団、2004年4月1日。ISBN 4-484-04601-6。 NCID BA66869802。全国書誌番号:20613764。
- 監修・著作権者:小林公一『宝塚歌劇100年史 虹の橋 渡りつづけて(人物編)』阪急コミュニケーションズ、2014年4月1日。ISBN 978-4-484-14601-0。