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[[File:片山幽雪.jpg|thumb|文化功労者顕彰に際して公表された肖像写真]]
'''九世片山九郎右衛門'''（きゅうせい かたやま くろうえもん。[[1930年]][[8月26日]] - ）は[[能#シテ|シテ]]方[[観世流]][[能楽師]]。京都片山家九世当主（片山家能楽・京舞保存財団理事長）。[[重要無形文化財]]保持者（[[人間国宝]]）。[[芸術院]]会員。[[日本能楽会]][[理事長]]。
'''片山 幽雪'''（かたやま ゆうせつ、[[1930年]]（[[昭和]]5年）[[8月26日]] - [[2015年]]（[[平成]]27年）[[1月13日]]）は[[能楽#シテ方|シテ]]方[[観世流]][[能楽師]]。京都片山家九世当主（片山家能楽・京舞保存財団理事長）。[[重要無形文化財]]保持者（[[人間国宝]]）。[[日本芸術院]]会員。[[能楽協会|日本能楽協会]][[理事長]]。本名は'''片山 博太郎'''（かたやま ひろたろう）。


== 経歴 ==
1930年、八世[[片山九郎右衛門]]（片山博通）と[[上方舞|京舞]][[井上流]]の[[井上八千代#四世 井上八千代|四世井上八千代]]（愛子）の長男として生れる。本名（前名）博太郎。弟に[[片山慶次郎]]、[[杉浦元三郎]]がいる。5歳で[[初舞台]]を踏んで以来、父および[[観世華雪]]、[[観世雅雪]]に師事し、[[京観世]]のやわらか味と[[観世銕之亟家]]系統の幽玄静穏な芸味を身につける。[[1985年]]、九郎右衛門[[襲名]]。以降[[芸術祭 (文化庁)|芸術祭]]優秀賞（3回）、[[芸術院賞]]、[[紫綬褒章]]などを受け、1995年[[芸術院]]会員、2001年[[人間国宝]]、2009年、観世流「老分」。[[文化功労者]]に認定。[[観世宗家]]より[[雪号]]を許され、2010年より「'''片山幽雪'''」を名乗る予定。そのほか能楽関係の要職を歴任。安定した端正な芸風で知られる。子に[[井上八千代#五世 井上八千代|五世井上八千代（観世三千子）]]、[[片山清司]]。
[[片山九郎右衛門|八世 片山九郎右衛門]]（[[片山博通]]）と[[上方舞|京舞]][[井上流]]の[[井上八千代#四世家元 四代目井上八千代|四代目井上八千代（井上愛子）]]の長男として生まれる。5歳で初舞台を踏んで以来、父および[[観世華雪]]と[[観世雅雪]]に師事し、[[京観世]]のやわらか味と[[観世銕之亟家]]系の幽玄静穏な芸味を身につける。1985年（昭和60年）、'''九世 片山九郎右衛門'''を[[襲名]]。以降[[芸術祭 (文化庁)|芸術祭]]優秀賞（3回）、[[日本芸術院賞]]、[[紫綬褒章]]などを受賞、1995年（平成7年）日本芸術院会員、2001年（平成13年）人間国宝。2009年（平成21年）観世流「老分」となり、また[[文化功労者]]に認定。[[観世宗家]]より[[雪号]]を許され、翌年より片山幽雪を名乗る。

2015年（平成27年）1月13日、[[敗血症]]のため死去<ref>[http://www.asahi.com/articles/ASH1G1C1JH1FPTFC02B.html 能楽シテ方観世流の人間国宝、片山幽雪さん死去　８４歳] [[朝日新聞]] 2015年1月14日閲覧</ref>。84歳没。叙[[正四位]]、[[旭日重光章]]追贈<ref>『官報』第6476号、平成27年2月20日</ref>。

== 親族 ==
*長女 [[井上八千代#五世家元 五代目井上八千代|五代目井上八千代]]
*長男 [[片山九郎右衛門 (10世)|十世 片山九郎右衛門]]
*弟 [[片山慶次郎]]・[[杉浦元三郎]]


== 年譜 ==
== 年譜 ==
* [[1936年]] [[仕舞]]「[[猩々]]」で初舞台。
*1936年　[[仕舞]]『[[猩々#能|猩々]]』で初舞台。
* [[1939年]] 初シテ「岩船」。
*1939年　初シテ『[[岩船 (能)|岩船]]』。
* [[1948年]] この年より観世華雪および観世雅雪に師事。
*1948年　この年より観世華雪および観世雅雪に師事。
* [[1952年]] 「[[道成寺]]」披曲。
*1952年　『[[道成寺 (能)|道成寺]]』[[披き|披曲]]。
* [[1953年]] 「[[翁]]」披曲。
*1953年　『[[翁]]』披曲。
* [[1957年]] 「[[望月]]」披曲。
*1957年　『[[望月 (能)|望月]]』披曲。
* [[1963年]] [[社団法人]][[京都観世会]]会長。京都能楽養成会理事。
*1963年　社団法人[[京都観世会]]会長。京都能楽養成会理事。
*1965年　京都能楽会理事長。
* [[1965年]] 京都能楽会理事長。<!--重要無形文化財保持者総合認定。--><!--個人の「総合認定」はありえない。この年に日本能楽会会員になったの意？-->
* [[1967年]] 社団法人[[日本能楽会]]理事。
*1967年　社団法人[[日本能楽会]]理事。
* [[1969年]] 「[[卒都婆小町]]」披曲。
*1969年　『[[卒都婆小町]]』披曲。
* [[1970年]] 「[[姨捨]]」披曲。
*1970年　『[[姨捨]]』披曲。
* [[1981年]] 「[[鸚鵡小町]]」披曲。
*1981年　『[[鸚鵡小町]]』披曲。
* [[1983年]] 社団法人[[能楽協会]]理事。
*1983年　社団法人[[能楽協会]]理事。
* [[1984年]] 芸術祭優秀賞。
*1984年　芸術祭優秀賞。
* [[1985年]] 片山九郎右衛門襲名。芸術祭優秀賞。能楽協会常務理事。
*1985年　片山九郎右衛門襲名。芸術祭優秀賞。能楽協会常務理事。
* [[1987年]] 芸術祭優秀賞。
*1987年　芸術祭優秀賞。
* [[1990年]] 日本芸術院賞。
*1990年　日本芸術院賞。
* [[1991年]] 社団法人能楽協会理事長。
*1991年　社団法人能楽協会理事長。
* [[1994年]] [[紫綬褒章]]受章。
*1994年　[[紫綬褒章]]受章。
* [[1995年]] 芸術院会員就任。
*1995年　日本芸術院会員就任。
* [[1996年]] [[京都市]]文化功労者。
*1996年　[[京都市]]文化功労者。
* [[2001年]] 重要無形文化財保持者として各個認定（いわゆる人間国宝）。
*2001年　重要無形文化財保持者各個認定（人間国宝）。
* [[2003年]] [[京都府]]文化特別功労賞。
*2003年　[[京都府]]文化賞特別功労賞。
* [[2009年]] [[文化功労者]]。
*2009年　文化功労者。
* [[2010年]] 観世宗家より[[雪号]]を許され、片山幽雪を名乗る。
*2010年　観世宗家より雪号を許され、片山幽雪を名乗る。
*2015年　死去

== DVD ==
* 能楽名演集 能『[[羽衣 (能)|羽衣]]～彩色之伝』観世流 片山九郎右衛門（幽雪）／能『[[花筐]]』宝生流 三川泉、[[NHKエンタープライズ]]

== 脚注 ==
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文化功労者顕彰に際して公表された肖像写真

片山 幽雪（かたやま ゆうせつ、1930年（昭和5年）8月26日 - 2015年（平成27年）1月13日）はシテ方観世流能楽師。京都片山家九世当主（片山家能楽・京舞保存財団理事長）。重要無形文化財保持者（人間国宝）。日本芸術院会員。日本能楽協会理事長。本名は片山 博太郎（かたやま ひろたろう）。

経歴

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八世 片山九郎右衛門（片山博通）と京舞井上流の四代目井上八千代（井上愛子）の長男として生まれる。5歳で初舞台を踏んで以来、父および観世華雪と観世雅雪に師事し、京観世のやわらか味と観世銕之亟家系の幽玄静穏な芸味を身につける。1985年（昭和60年）、九世 片山九郎右衛門を襲名。以降芸術祭優秀賞（3回）、日本芸術院賞、紫綬褒章などを受賞、1995年（平成7年）日本芸術院会員、2001年（平成13年）人間国宝。2009年（平成21年）観世流「老分」となり、また文化功労者に認定。観世宗家より雪号を許され、翌年より片山幽雪を名乗る。

2015年（平成27年）1月13日、敗血症のため死去[1]。84歳没。叙正四位、旭日重光章追贈[2]。

親族

[編集]

年譜

[編集]
  • 1936年　仕舞『猩々』で初舞台。
  • 1939年　初シテ『岩船』。
  • 1948年　この年より観世華雪および観世雅雪に師事。
  • 1952年　『道成寺』披曲。
  • 1953年　『翁』披曲。
  • 1957年　『望月』披曲。
  • 1963年　社団法人京都観世会会長。京都能楽養成会理事。
  • 1965年　京都能楽会理事長。
  • 1967年　社団法人日本能楽会理事。
  • 1969年　『卒都婆小町』披曲。
  • 1970年　『姨捨』披曲。
  • 1981年　『鸚鵡小町』披曲。
  • 1983年　社団法人能楽協会理事。
  • 1984年　芸術祭優秀賞。
  • 1985年　片山九郎右衛門襲名。芸術祭優秀賞。能楽協会常務理事。
  • 1987年　芸術祭優秀賞。
  • 1990年　日本芸術院賞。
  • 1991年　社団法人能楽協会理事長。
  • 1994年　紫綬褒章受章。
  • 1995年　日本芸術院会員就任。
  • 1996年　京都市文化功労者。
  • 2001年　重要無形文化財保持者各個認定（人間国宝）。
  • 2003年　京都府文化賞特別功労賞。
  • 2009年　文化功労者。
  • 2010年　観世宗家より雪号を許され、片山幽雪を名乗る。
  • 2015年　死去

DVD

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脚注

[編集]
[脚注の使い方]
  1. ^ 能楽シテ方観世流の人間国宝、片山幽雪さん死去　８４歳 朝日新聞 2015年1月14日閲覧
  2. ^ 『官報』第6476号、平成27年2月20日
 
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太字は恩賜賞受賞者。名跡は受賞時のもの。表記揺れによる混乱を避けるため漢字は便宜上すべて新字体に統一した。
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